先日観た映画の原作です。
あらすじは映画の時に書いたのですが 4人の父のいる高校生由紀夫が考えてもみなかった事件に巻き込まれてしまい、父たちによって救出されます。
映画は原作を大切にし、制作されているということが分かりました。
しかし、映画を観ただけでは気づかなかったところもありました。
由紀夫は 少しだけ大人の世界を覗き、なんとなく自分は大人の世界にいるような感覚になっています。
でも、実は自分は父たちに守られているという現実に気付き、自分の無力さを感じます。
その由紀夫の驚き、戸惑いは文章で読むとよりはっきりと分かりました。
作者はそんな由紀夫を暖かな目で見つめ、彼の成長を見守っているように思いました。
映画と小説で大きく違っているのが 富田林と鱒二、鱒二の父との関係です。
私的には小説の方が自然な感じがしましたが 映画にするとテーマがぼけてしまうから 少し内容を変えたのかもしれません。
かなり楽しく あっという間に読み終わりました。