ドラマ「善徳女王」第58話より
ユシン: こんな方法で密書を渡すのですか?
チュンチュ: はい、私も聞いた話で確証はありませんが、倭国に行ったコグリョ(高句麗)の使臣がカラスの羽に何かを書いたというのです。
ユシン: それで?
チュンチュ: ペクチェ(百済)出身のワンジニ(王辰爾)がそれを解読したと、隋の商人に聞いたことが・・・
面白いことに「日本書記」の敏達天皇元年(572)5月の条に以下のような記述がある。
又高麗上表疏書于烏羽。字随羽黒既無識者。辰爾乃蒸羽於飯氣。以帛印羽。悉冩其字。高句麗から上奏された国書は烏の羽に書かれていた。文字が黒い羽にあるため誰も読むことができなかった。辰爾は、羽を飯の湯気にあてて蒸し、柔らかくした絹に羽を押しあて、すべての文字を写し取った。
なんともまあ、ドラマの描写とまったく一緒である。
もっとも、善徳女王における密書の一件は、歴史書に記載のある事実ではなく架空のものだと思われるので、ドラマの脚本家は何らかの資料を基にエピソードを作り出したのだろう。
もしかしたら日本書紀も参照しているとか?