倉庫から出てきた3個の木枠の網ザルが素晴らしい。木枠の薄い板にはこれを購入した時代が書かれている。それぞれ、「昭和8年7月求」、「昭和9年5月参拾日」、「昭和25年5月18日吉日」とある。
ザルの外径を図ってみると、59cmだった。2尺ということか。木枠には「第9号」と書かれている。3個とも同じ外径だった。
職人の技が緻密にデザインされている。曲げわっぱをうまく利用したジャポニズムを感じる。少しの瑕疵もなく、いまだに現役でいられる精度に「わざ」を感ぜずにはいられない。さっそく、焚き火で出た灰を分別するのに使わせてもらった。おそらく、豆類や茶葉の分別に使われたと類推する。昭和初期の用具が現役である誇らしさが伝わってくる。