強剪定で伐採したクワノキの上に「キボシカミキリ」がいた。班紋の配置からゴマダラカミキリかと思ったら、黒字に黄色い星だった。頭に縦の黄色一本線をはじめ、翅に縦2列の黄色の大きい星が並び、その間に天の川のような小さな星が配置されている。しかも、長い触角が白と黒とで構成されるなど、なかなかおしゃなカマキリだ。
キボシカミキリは、クワノキなどの食害昆虫として中国・台湾からやってきた害虫らしい。オスはクワノキでメスを待ち伏せするというから、きっとキボシちゃんはじっとその機会をうかがっていたのかもしれない。というのも、近づいてもすぐに逃げなかったからね。いや、待ちくたびれて元気がなかったのかもしれない。
いっぽう、夜のわが家では2cmくらいの小さな「ビロウドカミキリ」がやってきた。こちらも触角が長い。体長の2倍近くもある。同じように模様のないようなセンノカミキリ・ヤハズカミキリなどのシャレっ気のないカミキリも常連だ。ビロウドちゃんは個体数はあまり多くないというから邪険にしない方がいいようだ。
ビロードちゃんはクワノキ・イチジク・サクラなどの枯れ木・伐採木に集まる。体はビロード状の微毛があり角度により色が変わるというが、見た目には黒にしか見えない。胸部の横には三角状の尖ったもの・武器?がある。似た仲間に「ニセビロウドカミキリ」という輩もいるらしいが、違いはよく分からない。
畑の横にある大きなクワノキもこうした昆虫の生きがいになっていたのに気づく。生態系の多面性・複雑さ・生かし合う「共生」という、人類が失っている寛容さを考えさせられた桑とカミキリムシでもあった。