春野町の奥庭の「外山(ハズレヤマ)」を訪れる。地域名のイメージどおり、土砂崩れも少なくない急峻で最端の集落に住む梅沢さん・山下さんの茶畑だ。ゴールデンウィークの喧騒の中でもこの山間地の確かな静謐は変らない。
それは障害を持ちながらもこの急峻な山あいの茶畑を往復し、それも農薬も使わない有機農法を貫いてきた梅沢さんの生き方そのものが刻まれている風景でもあった。
その梅沢さんが、高齢のためお茶栽培をそろそろやめようと思っていたころ、本業の竹篭づくりの弟子ができたり、NPOとのつながりでお茶栽培のサポートも始まった。「山の楽市」に出店したことをきっかけに梅沢さんの世界が「コペルニクス」的に飛躍する。 最近は隣町の川根や浜松市街地に出かけてかご作り講習会の講師もやるようになり、商品も足らなくなるほどだ。
きょうは幼児連れで茶摘みの応援に来ていたお母さんも来ていた。一般的に親はつい子どもにサービスするのが子どものためと錯覚する。メディアも遊園地・テーマパーク・大公園などを宣伝して喧騒に拍車をかける。そんなときこそ、援農がおすすめだ。
山を見て、いい空気を吸い、緑に囲まれながら作物を育てる。労働力が足りない農家にはいい刺激・恵みとなる。オイラにとっても硬直しがちな指のリハビリにぴったしの茶摘みだった。