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50歳のフランス滞在記

早期退職してパリへ。さまざまなフランス、そこに写る日本・・・日々新たな出会い。

花も実もある一年・・・でしたか。

2007-11-20 05:14:54 | パリ
今年も残すところ、あとひと月とちょっと。どんな年でしたか。まだ過去形で言うには早いのですが、すでに気の早い忘年会も始まっているようなので、許していただくことにしましょう。

年の初めに立てた今年の目標、達成できましたか。あるいは、目標は立てなくても、振り返ってみて、いいことがたくさんあった年でしたか。多くの人にとって、実り多い2007年であったなら、嬉しいと思います。

ということで・・・というほどの脈絡もないのですが、実り多い、ということからパリの花屋さんの店頭に飾られている「実」をご紹介しようと思います。ストのお陰で、普段メトロで通過してしまうところも、歩かざるをえませんでした。そんな道々、はじめての花屋さんにもいくつか出会いました。そして、その店頭で色とりどりな花に混じって見かけた、「実」のある観葉植物たち。



かんきつ類ですね。日本と同じように、こうしたかんきつ類を部屋に飾るのですね。これに「福」の字の飾りがあれば、まるで中国の旧正月にもなってしまいそうです。


こうした実、フランスの人たちは食べるのでしょうか。それとも、単に観賞用で、花と同じように眺めているだけなのでしょうか・・・この木が75ユーロで、植木鉢が35ユーロ。ということは、併せておよそ18,000円です!


これは以前もご紹介したことのある、ほおずき。日本のより、一枝についている実が多いのでしょうか。見慣れたほおずきも、こうして改めて見てみるとフランスのインテリアにも合いそうですね。


これは、何の実でしょうか。なんとなく、クリスマス用かなと思えてしまいますが・・・寒い季節なればこそ、赤い実が気分を華やいだものにしてくれますね。


そして、唐辛子の一種でしょうか、赤と黄色の実。緑の葉とのコントラストがきれいですね。それに、実自体つやつやと輝いて、新鮮な感じで、気分まで生き生きさせてくれそうです。

昔「実になる花が美しい」というような意味の広告キャンペーンがあったように記憶しているのですが、花だけでなく、実もきれいで美しい。食べるだけでなく、観賞用としても、「実」だけにいい味を出していますね。

2007年が実り多かった方も、いまいちだったな~という方も、2008年はぜひとも、より実りある年になりますように!

でも、まだ今年が終わっていません。風邪など引かないように、有終の美を飾るひと月ちょっとにしてくださいね。
(植物の名前、詳しい方にご教授いいただければと思います。)

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21世紀のジャン・ヴァルジャンは、面白半分。

2007-11-19 05:02:55 | パリ
以前、パリ東郊のハイパー「カルフール」では、デイパックなどのカバンは、チャックというチャック全てプラスチックの止め具で開かないようにされてから出ないと入店できない様子をお伝えしました。全て万引き防止のため。しかし、こうした防衛策にもかかわらず、万引きは増え続けているようです。



14日のフィガロ紙、経済面のトップニュースです。フランス国内での万引きによる損失は、年間およそ45億ユーロ。より正確には46.4億ユーロで、約7,600億円。これは小売業全体の年間売り上げの1.34%に達するそうです。しかも、対前年で3.9%の伸び。万引き被害が増えていることが、数字の上でも証明されてしまっています。

しかも、1.34%という被害の大きさから、フランスはヨーロッパ内で万引きの多い国のトップグループに入っています。バルト諸国、チェコ、スロバキア、ギリシャと並んで多いそうです。一方ヨーロッパで万引きが少ないのは、オーストリア、スイス、アイスランドなど。世界で見ると、フランスは多いほうから14番目。多いトップスリーは、インド、タイ、アメリカだそうです。

では、誰が万引きするのでしょうか。



中面の詳しい記事によると、48.5%と、半数近くが客によるもの。万引きというわけですから、客による店頭での盗難ということで、当然といえば当然ですよね。では、残りの半数は・・・従業員によるものが全体の28.6%。日本の流通でも、従業員が個人的持ち物を透明なバッグに入れて持っていたりしますよね。でも、3割近くとは、多いですね。そして、納入業者によるものが、8.9%。これじゃ、納品したかどうか分かったものじゃないですね。客の万引き対策は目に見える形でやっていますが、従業員や納入業者対策はしっかりやっているのでしょうか。



気付かれた方も多いと思いますが、多くの店の出入り口にはこうした万引き防止の装置が設置されています。これなどまだ色を周囲に合わせるなど配慮をしていますが、スーパーなどでは、はっきりと目立つように白い色で、万引きに対する心理的抑制も狙っているようです。しかも、こうした装置は1日平均50回ほども作動して、大きな警報音を出すそうです。それでも、後を絶たない万引き。

万引きされる商品は、小さくて、値が張るものが多いといわれていますが、具体的には、アルコール、化粧品、女性用ファション、香水類、髭剃り、DVD・CD、子供服、アクセサリーなどで、こうした製品の中でも、特に有名ブランド、話題の商品が狙われるそうです。

こうした傾向からもうかがえるように、生活に困って盗むというよりは、衝動的に、あるいは面白半分で盗む万引き犯が多いそうです。19世紀には、本当に困窮してパンを1本盗んだだけで19年も牢獄に入れられた男の話があります。ご存知『レ・ミゼラブル』の主人公、ジャン・ヴァルジャンですが、21世紀のジャン・ヴァルジャンは、ちょっとした出来心で万引きをしているようです。だからでしょう、食品の万引きは少ないそうです。

でも、面白半分が、商品の値を引き上げている・・・店側は万引きによる被害額を、なんと価格に上乗せしているそうです。だから、万引きがなくなれば、価格が下がる! 実際、売り上げの0.5%ほどの万引き被害があるという流通グループでは、万引きがなくなれば価格は0.5%下がると断言しています。ということは、フランス全体で見れば、1.34%下がる。面白半分のつけが、結局は消費者に跳ね返ってくる。それも、万引きなどしていない正直者の消費者が負担することになる。正直者ほど損をする・・・でも、万引きなどするよりは、少々損をしても、正直者でいたいものですね。そして、数年前、メディアがよく万引き特集をしていた日本、その現状はどうなっているのでしょう・・・

ストは解決せず、その上どんより曇った寒空、最高気温3度という日曜日のパリ。メトロはほぼ完全にストップ。白い息を吐きながら、みんな歩いていました。これでは、昔ダミアが歌った“Sombre Dimanche”(『暗い日曜日』)っていった感じですね。何か、楽しい話題はないのか? と思うのですが、結局、万引きの話題・・・明日は、ぜひいい一日に、と願いながらのブログ更新です。

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青年はアメリカをめざす。

2007-11-18 05:10:29 | マスコミ報道
五木寛之の作品に『青年は荒野をめざす』という小説があります。覚えていますか・・・と言うと、対象が一定年齢以上になってしまいますね。では、ご存知ですか。文庫本で、今でも出ているようですから、若い人でも読んだことがあるかもしれないですね。また同じタイトルで、五木寛之作詞、加藤和彦作曲のフォークソングにもなっていますので、ご存知の方、意外に多いかもしれません。人生の意味を探して、日本人青年のヨーロッパ冒険の旅―――。

では、今のフランス人青年たちはどこをめざしているのでしょうか。



親米路線を取るサルコジ大統領が若者にも人気があることで分かるように、フランス人青年たちにとって、アメリカは憧れの対象でもあるようです。そしてその傾向は、研究者たちの間でも顕著なようです。上の写真は、13日のフィガロ紙、経済面のトップ記事。「大学:どうしてフランス人はアメリカへ行くのか」という見出しです。

学位を取ったフランス人がさらに研究を続けるためにアメリカへ渡るケースが増えている。実際、学位取得後に海外へ出るフランス人の行き先では、アメリカが最も多く、続いてカナダ、イギリス。研究分野では、経済学と生物学の研究者に特にアメリカへ行く、いわゆる頭脳流出が顕著になっている。しかもその行き先は、主にハーバードとマサチューセッツ工科大学(MIT)。どうしてアメリカへ、どうしてその2校へ・・・



主な理由は二つあるそうです。まずは、研究環境。それぞれの大学とも、財団、卒業生、企業、政府からの援助に恵まれていて、研究費用のみならず、奨学金・給与など十分なサポートがあり、安心して研究に専念できる。もう一つは、学際研究が認められていること。従来の垣根を越えた新しい研究対象であっても、積極的にサポートが受けられるそうで、そうした学際研究から、新たな成果が生まれやすくなっているそうです。

こうした環境で、のびのびと研究にいそしむフランス人若者たち・・・しかし、良いところがあれば、大変なところもある。世の常ですね。アメリカの大学も決して桃源郷ではない。大変なところとは・・・

研究を続けるためには、その成果を発表し、資金援助を受けられるようにしなくてはならない。黙っていては援助は来ない・・・いいテーマだ、いい成果が期待できそうだ、ということを援助する人たちに認知させる必要があり、そのためには研究成果を専門誌などに頻繁に発表する必要があるそうです。しかも、大学で講義をすることも必要で、研究、発表、講義という生活を6~7年やって、その成果が認められれば大学にポストが得られるが、認められないと大学を去らねばならないそうです。従って、成果が期待できるかどうかを研究者自身が素早く見極めなくてはいけないため、成果が早く出るテーマに研究が集中してしまうことが弊害としてはあるそうです。

しかし、それにもかかわらず、アメリカへ。大学に残って研究生活を、あるいはビジネスの世界へ。高給という高待遇が魅力の一つになっているようです。ただ、もちろん全員が全員うまく行くわけではなく、失意の内にフランスへ戻る人もいるそうです。競争社会。厳しいものですね。

そうした競争原理を大学にも導入しようという動きが、今フランスにもあります。サルコジ大統領が推進する「改革」の一環として、大学の自治拡大ということが言われています。各大学の裁量権を拡大する。その代わり産学協同などを通して、大学自らがさらに稼ぐように。もっと働いて、もっと稼ごう、というサルコジ流改革の大学版です。

しかし、大学はあくまで研究の場で、こうした動きには反対だ、という学生たちが、今行われている公共交通機関のストと連動して、大学封鎖などを行なっています。14日には、全国85大学の内、政府発表で30ほど、学生側発表で60ほどの大学で、封鎖やデモ、授業ボイコットなどが行なわれたそうです。しかし・・・



15日のフィガロ紙に出ていた写真ですが、こうして労働組合のデモに合流した学生はわずかで、インタビューで紹介されているように、政治より、復習や宿題のほうが心配だ、という学生が多いそうです。産学協同にしても、その企業に就職でき易くなるのなら賛成、という学生の声も紹介されていました。右傾化して、政府支持の学生も多いとか。68年の五月革命の再現など、とても望めるような状態ではないようです。

フランスの青年は今、政治より現実の生活に目を向けて、アメリカをめざす・・・時代が変わり、めざすところも変わりましたが、でも、何かをめざしているのは同じ。何かをめざす熱意が若さの証明でしょうか。『青年は荒野をめざす』にも「人生は何度でも新しくなる。青春は、その人の気持ちの持ちようで、何回でも訪れてくれるんだよ」という一説があります。さて、私たちも、何かをめざして新たな一歩を踏み出してみましょうか、遅すぎるなんて言わずに。

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ばら色の人生~ラ・ヴィ・アン・ローズ

2007-11-17 05:19:48 | パリ
『ばら色の人生』といえば、エディット・ピアフ。映画『エディット・ピアフ~愛の讃歌』はご覧になりましたか・・・といっても、今日の話題はシャンソンでも映画でもありません。ばら色の人生を謳歌しているのは・・・



15日(木)のフィガロ紙です。すぐお分かりですね、11月の第三木曜日、ボージョレ・ヌーヴォーの解禁日。フランス以上に日本でのほうが大きな話題になっているのではないでしょうか。



ボージョレ・ヌーヴォーがどうしてばら色の人生かというと、今年「ロゼ」が発売になったから・・・間違いではありません、去年ではなく、今年。去年飲んだという方もいらっしゃるのではないでしょうか。でも去年のロゼはテストマーケティング。日本とフランスのそれぞれ一部で出してみて、売れるようなら大量に生産しようということで出してみたら、うまく行った。そこで今年正式にお目見えとなったということのようです(でも40万本で、全体の5,000万本に比べれば、まだ少数ですが)。

ロゼのターゲットは、女性。本格的なワインを好み、薀蓄を傾ける男性とは一線を画して、ワインを楽しく飲もうという女性へ向けて出したそうですが、それがテストマーケティングでは当たったようです。もともとボージョレ・ヌーヴォーは楽しく気軽に飲むワイン。個人主義のフランスでも、コミュニケーションを図るために、たまには職場などでみんなで飲んだりするそうです。言ってみれば、笑顔の真ん中にはいつもボージョレ・ヌーヴォーがある!(広告費はもらっていません、念のため)

記事が紹介するように、このワインの輸出先は、日本が1位。860万リットル、ボトルにして1,200万本。日本人10人に一人が一本飲んでいることになります。2位はドイツで240万リットルですから、ダントツの1位ですね。でも、もちろん、本国でもよく飲まれています。



こうして、ワイン専門店やレストランなどが、11月の第三木曜日を待ちかねて一斉にキャンペーンを始めています(今年は、ストの影響で、影が薄いですが・・・)。売り上げのほうも、まずまず、ということで、業界としても「ばら色の人生」のようです。


(スーパーでもボージョレ・ヌーヴォーのセールです、ボトル1本4.10ユーロ(約680円)です)

しかし、将来もばら色かというと「?」がついてしまうようです。ワイン新興国の躍進、若い人を中心としたワイン離れ、そしてフランス国内の他のワイン産地の動き。特に他の地域の動きで注目されているのが、ボージョレ・ヌーヴォーと同じように、その年、遅くてもボトリングしてから6ヶ月以内に飲んだほうがいいワインを造っている産地が、今、政府に働きかけているそうです。何を働きかけているかというと、ボージョレが11月の第三木曜日解禁なら、うちのワインは10月の第三木曜日に解禁してほしい! 1ヶ月先取りしてしまおうというアイディアです。どうなるでしょうか・・・でも、ボージョレのワインメーカー、ロビー活動が上手なようですから、他の産地の一ヶ月前倒しは難しいかもしれないですね。

どうロビー活動が上手かというと、昔はワインが市場に出る日は特に決まっていなかった。それが1951年、突如、官報でその年にできたワインは12月15日以前に売り出してはいけない、と政府発表されてしまったそうです。そこで、いろいろな手を使って、一定の条件を満たしたワインは12月15日まで待たなくてもいいと、11月13日に政府に認めさせて誕生したのが、ボージョレ・ヌーヴォー。その後は解禁日が年によって異なっていたそうですが、1967年に11月15日と固定された。それが聖人の日の関係とか、15日が店も休みの日曜日になってしまうこともあるとかの理由で、1985年、11月の第三木曜日になったそうです。このちょっとした薀蓄、フィガロ紙からの受け売りです。日本の酒造メーカーのサイトなどにはちょっと違った説明もあります。ワイン通の方々にこれが真実という背景を教えていただければと思います。

公共交通機関のストも3日目、少しは改善されるかと思ったら、メトロに関しては、逆に悪化。人生、とてもばら色とはいきません・・・とは言うものの、暗い顔していても始まりません。たまにはワインでも飲んで、ひと時、ばら色気分に浸ってみましょう。でも、ボージョレ好きにして風呂好きの日本人だと、ボージョレ風呂になりますか・・・ネット上で見かけましたが、ま~、これもご愛嬌と思いましょう。せっかくのばら色気分が消えないように。

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ストにも負けず、寒さにも負けず。

2007-11-16 05:17:29 | パリ
15日は、公共交通機関のスト二日目。少しだけよくなったとはいえ、かなりの間引き運転だったり、運休のままだったり。そこに本格的な寒さも加わり、大変です。きれいに晴れましたが、そのぶん冷え込んで、朝の予想では最低気温3度、最高気温5度。

私は家にいれば何も大変なことはないのですが、大変なのは、例えば、旅行者。


普段は多くの環境客でにぎわう凱旋門近くのシャンゼリゼも人通りが少なく、閑散とした雰囲気です。そうした中でも、しっかり観光しているのがアジアからの旅行者たち。中国語が圧倒的でしたが、韓国語や日本語も混じっていました。アジアパワーですね。14日からストなのは前から分かっていたのだから、避ければいいのに、というフランス人もいますが、なんていったって、遠い極東から極西への旅ですから、そう簡単に、では来週にしましょうというわけにもいかない。まして団体旅行では、かなり前からスケジュールも決まっていて、変更は難しい。仕方ないですよね。ストにも負けず、寒さにも負けず、記念撮影に励んでいました。ボン・ヴォワヤージュ、よいご旅行を!

ところで、組合が今回のストに参加しているパリ市交通公団が、先週広告を非常に多く出稿していました。

こうした広告なのですが、言いたいのは、公共交通機関なら、クルマよりも温室効果ガスは十分の一、消費エネルギーは五分の一で済む。だから、クルマより公共交通機関を・・・ということなのですが、でも、利用したくてもストでは利用できない! どうしてくれるんだ、と思わず文句の一つも言いたくなってしまいます。ちょっとタイミングがまずかったのでは・・・あるいは、公共交通機関がストップしてしまうと環境にも悪影響が出るのだから、政府は労組の言い分を受け入れて特別年金改革を諦めよ、というストの事前メッセージになっていたのでしょうか。でも広告主は公団。公団が組合の応援をするとも思えず、やはり、単にタイミングが悪かっただけなのではないか、と思いますが・・・

また、ニュースでもやっていましたが、通勤にはみんな知恵を絞っているようです。自転車で通う、ローラースケートで行く、ネット上で探して知らない同士クルマの相乗りで行く、オフィスの近くに泊まる、いつも以上に混み合う交通機関に備えてラフなかっこうで通勤する・・・結構楽しんでいる様子もありましたが、本心やいかに、といった感じです。

中には、家を早く出てきたのでしょう、寝不足なのか、朝のマクドナルドで、コックリコックリしている人も見かけました(左端のシルエット)。ご苦労様です。

市民の支持の少なさに加え、組合員のスト参加率も思っていたほどではないようで、初日の61.5%が二日目には50%程度に下がるだろうということで、運行状況は少し良くなったようですが、それでも例えばメトロの場合、新聞予想の3車両に1車両の割合で運転が、駅の案内表示では5車両に1車両になっており、実際は駅構内放送にあったように10号線や8号線をはじめ完全にストップしたままの線も。しかも、同じ路線でも時間帯によって大きな差があったようです。実態は誰にも分からない・・・よくあることです。

ただ、こういうストライキとか故障など、交通公団側の問題で間引き運転になった際には、メトロは無料開放になります。

観光客の利用の多い駅などでは、このように自動改札機に、アクセス自由と書かれた紙が貼られています。英語併記ならさらにいいのでしょうが、でも、このへんは優しい対応ですね。いい加減さと、優しさと・・・

なんとなくパリのスト雑感になってしまいましたが、家にいればいいものを、私も普段とはちょっと違うパリの姿を見に、うろうろとしてしまいました。それにしても、寒かった~。エッフェル塔まで寒さで傾いてしまったようです・・・カメラを持つ手がかじかんだだけでした!

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「ジュンちゃん」と「サルコ」。

2007-11-15 05:14:28 | パリ
13日夜から国鉄(SNCF)がストに突入。14日朝には、パリ市交通公団(RATP)や電気公社、ガス公社などもストに合流。市民生活に混乱が起きているのは、日本でも伝えられていますね。ただ、多くの企業や商店は普通どおりに営業していますし、通勤などに混乱は見られますが、パニックになっているわけではありません。ただ、マタン・プリュス紙などメトロ駅周辺で配っている無料の朝刊が配布されていないとか、学食が休みみたいだとか、パリ日本文化会館の図書室が休館だとか、ちょっとした個人的影響は出ていますが・・・大勢に影響はありませんね。

ストの理由は前回の10月のときと同じで、公務員の一部などに長年認められている特別年金制度を見直し、一律40年間の支払い期間としようという政府の改革案に労組が反撥しているわけです。年金を払う人より受給する人が多くなってしまい、財政上大きな負担になっているという背景もあり、このあたり、日本をはじめ多くの国が同じ問題を抱えているのかもしれないですね。

さて、14日は朝から多くの公共交通機関がストップ。TGVは700本のうち90本しか運転されないなど、日本でも伝えられている通りです。しかし心配していたメトロは、それなりに動いていました。もちろん完全にストップしている線もありますが、間引き運転で動いている線もあります。

東西に横切る1号線、

南北に走る4号線、東西を北周りに結ぶ2号線、

東西を南回りに結ぶ6号線など。5~6分間隔から15分間隔などで運転されていました。しかし、6号線は、昼から完全ストップ路線の仲間入り。

プラットホームへ向かう通路にはこんなテープが張られてしまいました。

ところで、こうしたストについて、フランス国民はどう思っているのでしょうか。


13日のメトロ紙です。当然だとする回答は37%に過ぎず、61%の人が行なうべきではないと答えています。また無期限と労組が言っている今回のストも、51%の人は数日で収束するだろうと判断しているようで、1週間と答えて人も加えると76%。ま~、長くて1週間という判断のようです。でも、1週間も公共交通機関がストップしたら、大変ですね。一方、政府の対応ですが、一定の譲歩をするだろうという人が51%で、一切譲歩しないだろうという人が44%と拮抗しています。


こちらは14日のフィガロ紙。「スト、世論に直面」という見出しです。これからも分かるように、調査結果はメトロ紙のものとほぼ同じです。68%の人が労組の要求を支持しない。公務員の間では支持・不支持が拮抗するものの、民間企業勤務者には不支持が圧倒的に多い。公務員が既得権益にしがみついていると見えるのでしょうか、働くのが大変なのは、民間だって同じなのに、ということでしょうか・・・政府は譲歩しないだろうと予想する人が84%、譲歩すべきでないと考える人は71%。今回のストには、一般市民の後押しは期待できないようです。それだけに、政府も強気で、サルコジ大統領はもちろんのこと、13日夜のニュースに出演したフィヨン首相も、断じて妥協しない、改革を断行する、と強調しています。

この、「改革を断行する」って、ちょっと前に日本でもよく聞きましたよね。歯切れのいい演説、マスコミ受けを狙った言動、そして「改革」の連呼・・・やはり、サルコジ大統領、日本の元首相に似てますね。国民の間の人気の面でも・・・


サルコジ大統領が10月26日に国鉄の保線区を突然訪問した模様を伝える13日付のフィガロ紙ですが、携帯で写真を撮る国鉄職員の多いこと。前回の衆院選挙の街頭演説を思い出させる光景ですね。「ジュンちゃ~ん」の代わりに「サルコ~」という掛け声が聞こえてきそうなくらいです。サルコジ大統領は、略してSarkoと呼ばれたり、書かれています。

サルコジ大統領の支持率は10月よりは下がったとはいうものの、まだ58%あります。こうした人気があるからでしょう、改革は断行する、なぜなら改革を行なうという選挙公約で当選したのだから、ときっぱりと言っています。また、公共交通機関のストは、利用者をまるで人質にしたような戦法で、行なうべきでない、という声も市民の間で高まってきているそうです(こうした意見は、メディアを通しての世論誘導という見方もできないわけではないのですが・・・何しろメディアのトップたちと親しいサルコジ大統領ですから)。

さて、今回のスト、いつまで続いて、結果はどうなるのでしょうか。そして、サルコ人気はどこまで続くのでしょうか・・・。

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オリンピックを、歩きながら見よう!?

2007-11-14 05:40:04 | マスコミ報道
今、ソウルでは、歩行者同士の衝突に気をつけなくてはいけない! そんな記事が、こちらの新聞に出ていました。それとオリンピックと、どういう関係が・・・?



11-12日付のル・モンド紙に挟み込まれていた週間テレビガイドの表紙です。ハロー、テレビ!・・・そうです、モバイルテレビが間もなく始まるというニュースです。

中面の記事によると、今フランスでは地上波デジタル放送が携帯で見れるようですが、来年には多くのチャンネル(16局)が見れるようになる。すごい! 外出先でも歩きながらでも見たい・・・そんな番組の筆頭は、なんといってもスポーツ。そして、来年のスポーツの目玉といえば、北京オリンピック。オリンピックを携帯で見よう。フランス選手、フランスチームをいつでもどこでも応援しよう、となるわけですね。

でも、ソウルは・・・今、モバイルテレビで先行しているのが、韓国。外出先ではもちろん、歩きながらでもモバイルテレビを見ている人が多い。そこで、歩行者同士の衝突も起きてしまう。フランスでも、気をつけよう。と、まあ、こうなるわけですね。

このル・モンド紙の記事によると、モバイルテレビが見れるようになるのは、2008年8月8日午後8時8分・・・北京オリンピックの開会式に合わせてだといっています。でも、時差は? 夏ですから6時間。ということは、8月8日の午後2時8分のはずですが・・・今ごろ来年の夏のことをいえば、鬼も笑う・・・で、アバウトな話のようです。

実はそのアバウトさ加減を、別の記事が証明してくれています。



9日付のフィガロ紙なのですが、モバイルテレビが来年末には実現・・・!? 来年8月なのか、来年末なのか・・・

この記事によると、携帯電話や携帯テレビなどで受信できるテレビ番組の放送事業者をここ3ヶ月で募集し、来春に選定。夏には試験放送にこぎつけられそうだ。この時期に行なわれる北京オリンピックは、加入者を勧誘するには絶好のチャンス。そして、本放送は、来年のクリスマス・プレゼントとして間に合うか、2009年初頭になるだろうということです。つまり、来年夏は試験放送で、どれだけの局が始められるかは、まだ不確定のようです。従って、フィガロ紙の経済面の記事は慎重に来年末という本放送の時期を取り上げていますが、いかにル・モンド紙といえども週間テレビガイド面ですから、オリンピックをモバイルテレビで見よう、と煽っているようです。編集の立場により、同じひとつの事でもスポットを当てる場所が異なると、内容まで異なって見えてしまう、という見本みたいな報道ですね。

といううるさいことは措いておいて、来年にはフランスでもモバイルテレビが見れるようになるそうです。

そして、モバイルテレビに関係するニュースをもう一つ。



12日付のマタン・プリュス紙ですが、最近、タクシー内でテレビが見れるようになったそうです。今は120台、来年1月には350~400台に受信装置が取り付けられる! さらにモバイルテレビが始まるとタクシーに乗っていても多くのチャンネルが見れそうですね。でも、運転手までテレビに夢中になってしまうと・・・タクシー同士の衝突に気をつけよう、などという記事が登場しないことを願っています! 

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パリのエキナカ。

2007-11-13 05:21:24 | パリ
日本では、エキナカ、ますます欠かせない業態になっているようですね。企業として見ると、売り上げでコンビニを抜いたところもあるとか。業種も広がり、確か保険会社がオフィスを構えたというニュースを以前読んだ記憶もあります。エキナカ・・・もはや暮らしに欠かせなくなってきているようですね。

さて、では、パリでは・・・

もちろん、あります。多くのエキナカがあります。新聞やスナックなどを売っているキオスクも多いのですが、それはちょっとありきたり。そこで、それ以外のエキナカをご紹介しましょう。いうまでもなく、改札を入った中にある店です。

まずは、上の写真にも出ている、フルーツ屋さんから。

この商売は、特に立地の影響が大きいようで、買い物客の多い店とほとんど店じまい状態の店、大きな差があるようです。品揃えは豊富で、マンゴや秋にはカキも売られています。


“Bonne journee”(いい一日を)という名前の、パンのチェーン店。日本で言えば、立ち食いそば屋さん的な感覚でしょうか。もちろん、ここで食べるのではなく、歩きながら、あるいはメトロの中で食べる人が多いわけですが。


こちらは靴屋さん。扱っているのはカジュアルシューズですが、通常価格25ユーロ(約4,000円)が、セールで15ユーロ(約2,500円)や5ユーロ(約800円)に。円安でなければ、さらに割安感に。品質は、どうでしょう・・・


セールといえば、年2回デパートなどが行なうセールの時期に、エキナカの店もセールを行なっています。試着のできる店もあり、場所が改札口の中というだけで、他の店と同じですね。


夏休みをしっかり取るエキナカの店もあります。この店、初めて気付いたときは閉まっていました。名前が、“JUS D'ORANGE”(オレンジジュース)というので、てっきり飲料の店かと思っていましたが、開店したら、ファッションの店で、ビックリしたのを覚えています。


こちらはアクセサリーの店。仮設風の店作りで、なんとなく品質が・・・と思うのですが、一見怖そうなおやじさんがやっているので、確かめようがありませんでした。


これはきれいに並んだパッケージ。シャンプー、リンス、クリームなどです。家のシャンプーが切れそうだ、なんていうことを思い出したときには便利ですね。でも残念ながら、こうした店、モンパルナス駅でしかまだ見かけていません。


もちろん、紳士用の店もあります。ネクタイからバッグや小物までを揃えた店です。チェーン店ですので、ご存知の方も多いかと思います。こちらではノー・ネクタイの人もけっこういますので、急にネクタイが必要になったときなど、便利でしょうね。


やはりありますね、携帯電話の専門店。故障、プリペイドの購入・・・万一のときに重宝ですね。買い替えなんて人もいるのでしょうか・・・


変わったところでは、パリとその近郊で、列車・メトロ・バスの運行を行なっているRATP(Regie Autonome des Transports Parisiens:パリ市交通公団)のオフィシャルグッズ・ショップ。RATPのロゴとマークが入ったTシャツ、コップ、ステーショナリーなどを売っています。観光客相手のお土産屋さんといったところでしょうか。シャトレの駅構内でだけ見たことがあるエキナカです。

いかがでしたか。日本とは店構え、品揃えなども違っているかもしれませんが、潰れずにやっているところが多いわけですから、人々の暮らしにしっかり根づいているのでしょうね。パリのエキナカ、そのさまざまな表情のご紹介でした。

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ゴスペル in パリ。

2007-11-12 05:08:11 | 美術・音楽


こうしたポスターやチラシをパリの街角でよく見かけます。“Gospel Dream”・・・1990年にパリで結成されたグループ。歌手13人と、キーボード、サックス。出身は、アフリカ、アメリカ、カリブ海のアンティル諸島などだそうです。歌うのはもちろん、黒人霊歌、ゴスペル。



11日、サン・ジェルマン・デ・プレ教会でのコンサートに行ってきました。歌手たちと一緒になって盛り上がるには、会場がちょっと広すぎるような気もしますが、そこは、アメリカの影響から脱して、フランスならではのゴスペルを追求するグループのコンサートだけに、そういうものと納得して聴いてきました。自由と希望のシンボル、尊厳と忍耐の普遍的価値を有するというフレンチ・ニグロ・スピリチュアル―――。



フランスには、第二次大戦末、パリを解放したアメリカ兵たちによってもたらされたというゴスペル。1947年にはじめてのグループができたそうですが、一般に広まったのは1990年代になってから。この日、聴きに来ていた人たちは、年配の人が多かったのですが、ちょっと違和感があるのか、『聖者の行進』を一緒に歌うところでも、それほどの歌声は聞こえてきませんでした。



他には『アメイジング・グレイス』などどこかで聴いたことのある曲も多く、楽しい1時間でした。休みなく歌って、終了。聴衆も半分ほどは席を立ってしまったのですが、残った聴衆がしっかり拍手を続けると、戻ってきてアンコールに応えてくれました。演奏中は撮影厳禁なのですが、この時ばかりはあちこちでカメラを構える人が多くいました。


でも、フランシュなしでは、きれいに撮れませんでした。そこで、サイトからの写真を。


すっかり枯葉の季節になったパリ。アンコールも終わって外に出ると、曇り空に、サン・ジェルマン・デ・プレ教会の尖塔が、寒そうにそびえていました。

しかし、寒い季節ですが、文化イベントは花盛り。屋外でも・・・

教会脇では、ジャズの演奏が。多くの通行人が、立ち止まって聴き入っていました。CDも15ユーロで売っていました。さらにその脇には、文化イベントではないですが、季節の風物詩、おなじみの焼き栗売りも。


今、そしてこれからが、もしかすると、パリが最もパリらしい表情を見せてくれる季節かもしれません。

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カード40周年。50周年は祝えるか?

2007-11-11 04:46:24 | パリ
11月6日は、フランスでクレジットカードが誕生して40周年の日だったそうです。



その40周年を伝えていた7日付のマタン・プリュス紙です。主要銀行6行(BNP、CCF、Credit du Nord、CIC、Credit lyonnais、Societe generale)が1967年11月6日にカードによる支払いをはじめたそうです。ご存知ですね、写真にも写っているカルト・ブルー(la carte Bleue)。1974年からは海外でも使用できるようになり、今やフランス国内で3,200万枚以上が使われ、支払いの80%がこのカードによるものだそうです。

確かに、スーパーやデパート、店などでの支払いはもちろん、多くの場で活用されています。例えば・・・


公共交通機関の定期(Navigo)へのリチャージ、


パリ市の行なっているレンタサイクル(Velib')の支払い、


学食カード(carte crous)へのリチャージ・・・

ということで、今や暮らしに欠かせないカード。

(アップにすると)

このようにキャッシュ・ディスペンサーの表示にも、一番上に大きく出ています。ますます多くの人に使われ、活躍の場も広がるのではと思うのですが、実はここに来て、強敵の出現なのです。



9日付のメトロ紙なのですが、皮肉にもカードがその40周年を祝ってすぐ、11月9日から携帯による支払いが始まりました。カードに替わって携帯があれば支払いができるようになる! この記事も言っているように、携帯による支払いでは日本が先行(記事中の写真は、日本のスーパーで支払いを携帯で行なっている主婦)。多くの場で携帯による支払いができるようになっていますが、フランスでもついに携帯による支払いが始まったわけです。

この記事によると、日本では2004年に携帯による支払いが開始され、今では3,000万人以上の人が支払い機能付きの携帯をもっている。流通の店頭での支払いはもちろん、交通機関での運賃支払い、コンサートなどのチケット購入、キャッシュ・ディスペンサーからの引き出し・・・こうしたことができるようになっている。フランスでももうすぐこうした携帯による支払いが主流になってくるに違いない。でも、日本では、すでにその先を行っていて、指紋による支払いの研究が始まっている。

このように、この記事は結ばれています。確かに、以前からフランスのメディアは日本の携帯活用状況を良く取り上げて紹介していましたが、ついにフランスでも支払いのできる携帯が登場したわけですね。因みに、現在フランス人の76%が携帯を所有し、そのうち53%の人がカメラ付き携帯をもっている。また27%が携帯でビデオ撮影を行い、9%がネット接続を行なっているそうです。一気に携帯による支払いも普及するかもしれませんね。でも、新しいことを始めると、何かと現場が混乱するのがこの国の特長。混乱が一段落して、使用が軌道に乗ってから使い始めるのが安心かもしれないですね。

ということで、携帯による支払いが普及すると・・・カードは50周年を祝えるのでしょうか。古いものを大切にするフランスでも、時代はどんどん変わって行っているようです。

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