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スト、デモ、スト。でも・・・

2007-11-23 05:17:51 | パリ
パリは、相変わらずのストの中。しかも、ストだけではなく、デモも。



20日に行なわれた、公務員を中心としたデモ(22日付のル・モンド紙)。いかにもデモといった写真ですね。サルコジ改革に反対する交通、学校、病院、郵便、電気、ガスなどの労組を中心に、各地でデモが行われました。参加したのは、37万人(警察発表)とも70万人(主催者発表)とも言われています。


21日には、司法改革に反対する司法関係者に社会党などが合流して、パリでデモが行なわれました(22日のマタン・プリュス紙)。左前方で指をさしているのがオランド第一書記(セゴレーヌ・ロワイヤル女史の前パートナー)ですね。


同じく21日に行なわれたカフェ・タバコ店関係者のデモ(22日のマタン・プリュス紙)。こちらは来年1月1日から施行される公共の場での禁煙への協力を呼びかけるデモのようです。そうです、来年からカフェやレストランでも室内は禁煙。


こうした趨勢を見越して、この夏には、禁煙ガム(ニコレット)の広告も、メトロに貼られていました。紫煙に煙るカフェでの政治談議、スポーツ談義・・・もうなくなります。ひとつの「パリ」が煙とともに消えていくようで、寂しくもあります。

イギリス人に、街頭に繰り出すしか意思表示や反対運動ができないフランス人、と嫌味を言われようと、ここはフランス、大革命のDNAがしっかり残っているようで、何かあると街頭デモ。ただ、どんなに寒かろうと参加する人は多く、これだけ堂々と自らの意見を主張できるのは、それはそれで立派なことだと思います。

で、肝心のスト。21日から、労組・企業・国の三者による交渉が始まっています(下の写真の左側、22日のフィガロ紙)。

国鉄(SNCF)はスト収束に向けて動き始めたようで、数日で通常ダイヤに戻るそうです。一方のパリ市交通公団(RATP)は動く本数が増えてはきましたが、26日の第2回交渉まで続きそうな気配です。

こうしたストのお陰で、通勤通学が大変になっている人が多いようです。カフェの隣のテーブルに座っていた学生たちは、「家を7時に出て学校へようやくたどり着いたのが9時。普通なら40分くらいなのに」とか、「私は8時に出たら10時。授業に遅れちゃったわ」とか、話していました。それでも、休むことなく、授業に出ているのは、立派。さすが、授業も、進級も、卒業も厳しいフランスの大学です。

また、公共交通機関を諦めて、クルマで、あるいはバイクや自転車で通う人も増えています。そのため交通量が増え、それに伴い事故も増えています。特に、二輪車の事故が急増。クルマの陰から飛び出す二輪車や歩行者の絡んだ事故が多発し、21日のフィガロ紙によると、スト期間中のパリ市内での人身事故は対前年比で70%も増えているそうです。


セーヌ河畔の道路の渋滞です。確かに普段よりもひどく、しかも早い時間から渋滞が始まっています。こうして、四輪にしろ、二輪にしろ、クルマが増えれば排出ガスも増える。22日のフィガロ紙によると、二酸化炭素だけでもスト期間中に16万トン余分に排出された計算だそうで、この量はフランス人2万人が年間に排出する量に匹敵するとか。

今回のストは、23日で10日目。いい加減うんざりしそうですが、大きな騒ぎも起きずに、続いています。決して改革案を引っ込めようとしないサルコジ政権。その強気の背景は、国民の支持。


21日のフィガロ紙ですが、68%の人が今回のストは正当化できるものではない、69%が政府は譲歩すべきではないと言っているようです。でも、お互いが一歩も引かないと、『出口なし』・・・サルトルの戯曲のタイトルになってしまいますね。しかし、第1回の交渉で、企業・政府側が給与の引き上げなどを提案した甲斐があって、特別年金制度の改革などは政府案どおりで収束に向かい始めたようです。

そして、このブログでもしつこいストの話題・・・火に油を注ぎたくないのか、この件では珍しく発言を控えているサルコジ大統領。25日からは、中国公式訪問です。でも安心して出発するようですから、このブログでも、次回は、スト完全収束のお知らせができるのではと期待しています。もうすぐ、通常の生活に戻れそうです!

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