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頑張れ、メテオ・フランス。

2007-09-27 00:44:07 | パリ
毎日の天気予報、気になりますね。フランスにも、もちろん天気予報はあって、フランス語では、la meteo(ラ・メテオ)。La meteorologie(ラ・メテオロロジー:気象学)から来ているのでしょうね。フランスのことですから、そんなには外れないだろうと思いますか? とんでもない! これが、外れまくり!!


(26日付のフィガロ紙です)

日本と同じように、夜のテレビで翌日とその先数日の予報、朝のテレビで当日の予報、新聞は当日とその後数日の予報。予報を伝えるシステムはきちんとできています。しかし、問題は、その当たる確率。これだけ外れると、当たり・外れ、という言葉を使うしかない、と思えてしまいます。

例えば、先週末、金曜の夜の天気予報も、週末は晴れて気温も24度まで上がる、来週は雨の日が多そうなので、この晴れ間を上手に活用してください、と言っていたのですが、土曜の午前中は、どんよりと曇り、風も冷たく、薄着で出かけたので、寒くて仕方がなかった。16~17度しかなかったのではないでしょうか。さすがに午後は晴れてきて、気温も少しは上がりましたが、とても24度とは言えない。

今週月曜の夜の予報では、火曜は曇り時々雨。火曜の朝でも同じ予報。でも、朝は快晴。テレビ局の窓を開けて空を見てから放送しろ、と思わず叫びたくなるような予報です。でも、夕方からは雨が降り出しだしましたが。気温も16度と言っていたので厚着していたら、汗ばむほど。20度を超えていたのでは・・・


(26日付(25日発売)のル・モンド紙です)

こんな外れっぷりは、いつものこと。もう、怒る気にもなれないのですが、多くのフランス人も一向に不満を口にしないようです。どうしてなのでしょうか。考えられるのは、端から100%は信じていない。あくまで目安。朝の空模様と空気から自分なりに着ていくものを考える。しかも調節しやすいように、羽織るものを重ね着する。例えば、この季節、革のジャケット着ている人が、食事の際室内でジャケットを脱ぐと、下はいきなり半袖ポロシャツ―――。

それにしても、これほど外れる天気予報をテレビで伝えている人は、嫌にならないか、と思うのですが・・・こちらでは、気象予報士ではなく、アナウンサーが伝えています。局ごとに、いつも同じ2~3人のローテーションで担当していますが、他のトーク番組なども担当しているアナウンサーたち。対応は、二つに分かれています。まったく、悪びれることなく、自信満々に伝える人。私の仕事は天気予報を伝えること。上手に伝えているかどうかが問題で、内容は関係ない・・・確かに。もう一方は、ちょっと気になるのか、メテオ・フランスはこう言っていますとか、メテオ・フランスによると、というフレーズを、毎日必ず1回は入れるアナウンサー。それぞれの個性というか、人柄がなんとなく出ていて、視ていて面白いです。


(26日のメトロ紙です)

上にご紹介した3紙、ご覧になったように、天気も最高気温の予測も微妙に違いますね。さすが個性の国。こんなところにまで、それぞれの違いが主張されています。最高気温は、メトロ紙が12度、フィガロ紙が14度、ル・モンド紙が15度。結局、いちばん近かったのは、前日に出ていたル・モンド紙。朝夕は雨でしたが、日中は曇り時々晴れ。太陽が出たため気温が上がり、テレビ局のTF1やメトロ紙が予測した12度ではなく、16~17度くらいはあったと思います。でも、いつもル・モンド紙が当たるわけではないのですが。

それにしても、どうして、フランスの天気予報はこれほど外れるのか。素人なりに考えてみました。

・高気圧や低気圧の複雑な動き
日本では、大体西から東へ動いて来ますよね。前線にしても、多くは東西に伸びている。だから、ある程度、読みやすい。でも、こちらの状況は複雑怪奇。前線は渦を巻いている。

(26日の天気配置図、フィガロ紙より)
高気圧や低気圧は基本的には西から移動してくる。でも、突然北へ進んだり、東から戻ってくることもある。天気図を見ていても、非常に複雑な動きをしています。予報官泣かせ・・・と、同情したいのですが、でも、こうした状況は、何も今年だけの異常気象ではない。昔から。ということは、経験則も踏まえ、もっと当たる天気予報ができてもよさそうなもの!

・現場のレベル
つぎに考えられるのは、階級社会。優秀なエリート層と、その日を楽しく過ごせればという庶民階級。たぶん、気象学者には優秀な人がいるのでしょう。新しい理論とか発表しているのかもしれません。でも、天気図を基に明日の天気を予想する、言ってみれば現場のレベルは・・・。

・狩猟民族
農耕民族の日本人と違って、こちらは基本的にはもともと狩猟民族。天候にそれほど影響を受けなかったのかもしれません。日本人ほどに日々の天気の変化、移ろいを気にしないのかもしれないですね。だから、どんなに予報が外れても、文句も言わない。外れたからといって、決してカタストロフではない。もちろん、農業従事者にとっては大きな関心事なのでしょうが、一般的には、目安で十分なのかもしれませんね。

さあ、こうした理由、当たっているのか、外れているのか。フランスの天気予報が当たる確率とどちらが上でしょうか―――。

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