明るいときに見えないものが暗闇では見える。

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【ドライヴ(2012)】

2012年07月12日 | 映画


逃がし屋だっていうし、おハナシとしては『トランスポーター』なのかと思って観たのですがだいぶ違いました。

往年のフィルム・ノワールな雰囲気を現代風にアレンジって感じでしょうか。男臭さと哀愁と暴力。でも観終わってみると確かな純愛映画だったのだと実感させてくれる後味があります。

人妻と子どもとのほのかな幸せ場面から一転しての、猛烈に激しいバイオレンス描写は少しヤリ過ぎ感ありですが、口数少なく表情に乏しい主人公の感情の「緩急」というか「明暗」をうまく表わしています。エレベーターでの描写はその表と裏の彼が一つにつながり昇華する素晴らしいシーンで、あのスローモーは特に往年のノワールさが出ていて、監督の好きさ加減が想像できて微笑ましかったです。

でその主人公はと言えば最近噂らしいライアン・ゴズリングなんですが、あとで作品リスト調べてみるまで『ラースとその彼女』『きみに読む物語』の彼だったとは全然気づきませんでした。この2作も口数少ない役でしたが、全く違う役柄がこなせるいい俳優さんなんですねぇ。。。それとも大根なのでセリフ少なく、観客の勝手な想像で補完させるという作戦。。。。そこは『ブルーバレンタイン』を観てから考えることにしますw

童顔のキャリー・マリガンは少しミスキャストだったかもしれません。彼が命を張るだけの説得力が不足。そこだけ残念です。ボクは好みですが。

個人的には冒頭の逃がし屋部分10分間がサスペンスフルでスゴく面白かったので、そこだけ広げた作品が観てみたかったです。


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