旅にしあれば

人生の長い旅、お気に入りの歌でも口ずさみながら、
気ままに歩くとしましょうか…

はやく人間になりたい!~妖怪人間べム漫画版

2010-03-04 20:52:02 | ライカはローリングストーン


アニメ『妖怪人間べム』繰り返し再放映されたこともありますが、これまで何度も
見ています。実際関西では今また民放で深夜に放映中です(私は見ていないけど)。

ホラー系アニメで子供(今見ても?)には怖いストーリーでしたが、ほろりとさせられる
場面も多々あって、異国情緒あふれる…というかむしろ無国籍といってよい設定、
低音を響かせた独特のBGM 、妖しい月が印象に残る背景描写…そしてなりより
「はやく人間になりたい!」の強烈なキャッチフレーズ! それらに魅せられ、
我々世代は夢中になって何度も見てきた思い出深いアニメのひとつです。


ところで上の写真ですが、先日、本屋さんのコミックコーナーでたまたま目にして
衝動買いしてしまった妖怪~の「漫画版」です。当時雑誌『ぼくら』で同時連載されて
いたらしいのですが、単行本化されるのは今回が初めてみたいで「幻のコミック」と
なっていたみたいです。最初漫画化が検討された時点ではアニメは未完成だった
ようで、設定資料など情報が乏しい中で描かれた絵は開始直後はアニメ版とは違う
描写もありますが、アニメ放映開始とともに徐々に修正されていったようです。

一番興味深いのは妖怪人間たちの「誕生の秘密」が克明に描かれているところ。
アニメ版では設定はされていたものの結局描かれず、むしろ「謎のまま」の方がいい
となったようで、オープニングでべロが試験管(フラスコ)のようなものを壊すシーンが
ありますが、それが科学の力で人造的に作られたという設定の名残なのでしょうか? 
しかし、だとすると「妖怪人間」よりも「人造人間べム」の方がピッタシくる感じですし、
そもそも正義の血が流れ、人間の悪の心と戦う彼らの使命、存在理由が正当化
されるとすれば、「人間になりたい」旨の望みはいささか矛盾があるようです。
だからこそ、それをあいまいにして伏せたままのTV版が正解、成功したとも言えます。


まあ、いまさらそんな細かいことはどうでもいいですね。彼らが人間に近い存在で
ありながら人間とはみなされない悲壮なムードが番組全体を通して覆い、このアニメの
物悲しげなテーマ&魅力となり、見るものをより引き込んだことは事実でしょうからね。
アニメ版の最終話ではようやく人間になるための方法を見つけるものの、それには
人間の犠牲者を出すことが必要とわかり断念、退治した別の妖怪のとばっちりで警察
に包囲され建物に火を放たれ、三人とも死んでしまったような悲しいラストを迎えます。
ただ私は彼らが焼け死んだのを信じてはいません。だって彼らにはテレポーテーション
能力があり、そんな包囲網なんてピンチのうちには入らないでしょうから…

だからなのかどうか? 続編(リメイク?)が検討されたらしいんですが、結局お蔵入り
になってしまったようです。とても残念ですよね~ぜひ見たかったなあ。



*なんて書いているうちにやっぱり見たくなって、民放で深夜に再放送されている
  アニメ版を録画して久しぶりに見直しました。まさかデジタルリマスターされている
  のではないでしょうが、画質がいいのに驚きました。地デジだからかなあ?
  それと最近の再放映の際は省かれることの多かったエンドロール(終わりの歌)が
  きちんと流されているのがうれしかったです。残念だったのが、二話同時放送
  なんですが、二話とも「妖怪」に変身しない話だったこと。当時からべムが
  「う~ガンダー」の掛け声とともに変身して活躍してくれる回が私は好きだった
  のでね。乗りかかった船、こうなれば最終回まで付き合うしかないですね!
  もうかなり回が進んでいると思われますが、次回もしっかり予約しておきましたよ。




コメント
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