【ブリュッセル=宮下日出男】北朝鮮の非核化をめぐり、北大西洋条約機構(NATO)は11日、首脳会議が採択した共同宣言で「北朝鮮に対する断固とした圧力を維持することをすべての国に要請する」と強調し、国連制裁の完全な履行の継続などを求めた。

 宣言は6月にシンガポールで行われた米朝会談の合意について、「北朝鮮の完全かつ検証可能で不可逆的な非核化」の平和的な実現に向けた「貢献」と歓迎。北朝鮮の核・ミサイル実験を改めて非難し、日本や韓国、オーストラリアなど地域のパートナーへの「完全な連帯」も表明した。****************************************************************************************

米朝首脳会談から1か月経ちました。

では北朝鮮の非核化は進んだのかと言えば、

北朝鮮にまんまと騙されたような気がします。

 

米朝首脳会談の共同声明では

●米朝は平和と繁栄を求め、新たな関係の構築に取り組む

●朝鮮半島の恒久的で安定的な平和体制の構築に向け、協力する

朝鮮半島の完全な非核化に向け取り組む

●朝鮮戦争の米国人遺骨の回収、帰還に取り組む


昨日は米兵遺骨返還についての実務者協議で打ち合わせをする予定でしたが

北朝鮮側はドタキャンですから、不誠実極まりないです。

この様子だと、遺骨200柱返還したとの報道もどうだかわかりません。

遺骨返還協議、北が出席せず…米を揺さぶりか

 

これが北朝鮮です。

米朝首脳会談や南北首脳会談での金正恩の振る舞いは猫を被っていたのです。

上手く米国、韓国、そして国際社会を騙した金正恩。

中国の後ろ盾を得て、もう怖いもの知らずだとしたら、非核化は夢物語になるでしょう

 

北朝鮮は殆ど合意を守っていません。

発言や態度だけで、北朝鮮が改心したと判断したのは甘かったです。

北朝鮮は西側諸国の常識は通用しません。

騙し、誤魔化しはお手の物です。

 

それがわかってか、騙された振りをしたのか、米韓は早々と軍事演習の中止をし、

日本もそれに倣い、避難訓練を中止しました。

こんな日米韓の方針に北朝鮮はほくそ笑んでいる事でしょう。

 

ポンペオ国務長官は上手く北朝鮮に丸め込まれたというのではと危惧します。

ボルトン氏やマティス氏のような強硬派なら北朝鮮への圧力になるのにと思わずにはいられません。

 

この調子だと、日本の拉致問題進展も足踏み状態ではないでしょうか。

1か月前は大いに期待し、秋頃には具体的に決まり、今年中にはと期待していましたが、

それも望み薄になってきました。

そもそも米朝関係が上手くいかなければ、拉致問題が進展しないというのも情けない事です。

米朝関係がどうであろうと、日本の問題は日本で片を付けなければならないのです。

本来は。

 

北朝鮮は米国の斬首作戦や空爆を恐れて、首脳会談の場に出て来ました。

しかし、日本には北朝鮮を脅す材料は何もありません。

あるとしたら経済支援をチラつかせて、優位に事を運ぶことしかありません。

これも何十年も多くの日本人が拉致されているのに、経済支援をするのも癪ですが・・・。

 

北朝鮮を焦らせる軍事力とそれを行使できる法整備がされていたら、

もっと早く拉致被害者を取り戻せたのにと思うと悔しいです。

そしてこんな日本はおかしいです。

国民が北朝鮮に拉致されていると分かっているのに、取り戻せない日本はおかしいです。

自国民が拉致されていると分かっているのに、助け出せない国って情けないです。

 

トランプ大統領は北朝鮮の非核化には興味が失せたのでしょうか。

あの核廃棄をしなければ、軍事力を見せつけると言っていたあの勢いはどこへ行ったのでしょう。

 

アメリカに振り回されず、日本独自の制裁強化と共に、日本の積極的な行動、

つまり武力攻撃も辞さないぐらいの本気度を示し、早期の拉致被害者奪還を実現してもらいたいです。

 

しかし、今から憲法改正をし、武力で自国民を取り戻すには時間がありません。

憲法解釈を変えて、なんとか武力で北朝鮮に圧力を掛けられないのか、

一日も早く解決する為の妙案はないのかと、思います。

 

国会議員は真剣にこの問題に取り組んでもらいたいです。

被害者もそのご家族も高齢になっています。

一日も長く親御さんたちと、穏やかな日々を暮らせるように何とか政府に動いてもらいたい、

そう願わずにはいられません。

拉致被害者を独裁国家から取り戻せない国は異常です。

こんな状態の国の存在を許す国連も国際社会も異常です。

 

NATOの北朝鮮非核化の声明発表は心強いです。

北朝鮮の核問題は米国と韓国、日本だけの問題ではありません。

国際社会の問題として捉えるべきですし、拉致問題も国際社会に認知され、

北朝鮮の異常さを認識してもらいたいものです。