海上自衛隊 こんごう型護衛艦 「ちょうかい」
所属:第2護衛隊群第6護衛隊
母港:佐世保
起工:1995年
就役:1998年
製造:石川島播磨重工業東京第1工場
全長:161m
排水量:7250トン
一般公開日時:2011年10月15日~16日 午前9時~午後4時
公開場所:堺泉北港大浜ふ頭第5岸壁
■あわてるな
前部甲板を堪能した後は、見学順路に従って後部甲板へと移動開始。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/d3/d0666ba81e38ef3bb7ae3444528f2215.jpg)
画像を見て戴ければお分かりいただけるだろうが、この一般公開で
びっくりしたのが、見学客における女性比率の多さ。
通常、こうしたイベントではミリタリーマニアの男性が過半を占め
ているようなイメージがあったのだが、今回のイベントでは家族
連れや女性の単身参加も結構目立っている。
たまさか、このイベントがそうなのか。
それとも、最近は総じてこうしたトレンドなのか。
いずれにせよ。
自分の固定観念が時代とはズレている不明を恥じつつ、艦内を
移動していく。
艦橋下部の通路(というよりも、構造物の隙間といった方が
より的確だと思う)を抜けると、中部デッキである。
そこに鎮座在(ましま)していたのは、ハープーン艦対艦ミサイル
(SSM)のキャニスター(格納庫兼発射装置)の、迫力あるバック
アングルである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/f7/63c3ca195996465ce37f94764d357cfb.jpg)
先にあったファランクスが対艦ミサイル防衛をその任としている
ことに対して、ハーブーンは対艦船用の防御システムである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/b1/b6680de9fbd659f48395ad81358df8df.jpg)
ファランクスの文字通り弾幕を作って迎撃する動きに対して、
ハーブーンはホーミング機能を持つミサイルによって、ターゲット
となる艦船を攻撃する。
ハーブーンは、1975年には既に兵器として完成されており、
その安定感から今なお多くの国々の様々な艦船や航空機、
あるいは陸戦用兵器として採用されている。
結局。
兵器というものは、最新式のものよりも過酷な条件下で安定
した運用が行えるものこそが必要という、宇宙機と同じ要件を
持つものなのだということを、改めて実感した次第である。
上に上げた視線をそのままずらせると、そこには緊急脱出用の
救命いかだがアーチを作っているフレームに固定されている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/96/b0161e48e1d3072251fe10ad1fbb321e.jpg)
この救命いかだは、食料三日分と食料調達用キット(いわゆる
釣竿)等がセットされており、海中に投じられれば自動的に
膨張展開する仕様となっている。
あまりにコンパクトなので、近くにいた乗組員の方に
「これって人数分あるんですよね?」
と言わずもがなの質問をする。
600人からの乗組員がいると先ほど別の方から聞いたのに、
それを充足できるだけの筏の面積があるとは思えなかったが
ためである(失礼!)。
なお、こちらにこの筏を実際に展開している画像がある。
ガノタで軍オタのSD大将と801腐女子のSS少将が営んでいるHP
「第弐拾六艦隊」中の「おたくファミリーのミリタリー旅日記」
から。
2007年に呉を訪れた時の日記の中に、その写真はあった。
※ 真ん中よりやや下に、件の救命いかだの展開写真が!
しかし、このご夫婦。
凄い!のヒトコトである。
ここまで趣味が合一しているご夫婦も珍しいのではないか?
是非今後も、精力的に更新願いたいHPではある。
さて。
この筏に関心をもったのは、ちょうど最近、ヨットが転覆して
救命いかだで大西洋を漂流した人の手記を読み直していたから。
その手記によると、いかだの定員設定は実にいい加減なものが
多く、6人用のもので2名の居住空間の確保が限界とのことで
ある。
彼は、そのことを知っていたために、自分のヨット(最大2名。
通常は単独航海用として1名)に、6名用の救命いかだを積載
していた。
それが奏功して、そのいかだのお世話になる(=ヨットが転覆
した)際にもある程度余裕を持った漂流が可能だったのだが、
その6人用のいかだでさえ、全長は160cmに満たなかった
という。
体を伸ばして寝ることすらできないという状況は、いつ終わりを
迎えるかもわからないままに漂流するハメになった人からすれば
非常に辛いものとなるだろう。
このことが脳裏に有ったがゆえに、いずれは展開したいかだの
実物をぜひ見てみたいと思っている。
ちなみに、先に紹介した展開実物写真から想像すると、こちらの
いかだは差し渡しは有に2.5~3mはありそうである。
こちらもまた、実際に使われる日がないに越したことはないが、
ひとまずはそこそこの大きさがあることに一安心である。
さて。
万が一、こうした救命いかだが使われるような羽目になった
時には、何に注意すれば良いのか?
辺りを見渡すと、やはり有ったのである。
そう。
総員離艦安全守則である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/5d/1319cc17335ad1d66fd20c2a5334e357.jpg)
どれも大切なことが書かれてあるが、何よりもまず第1項に
「あわてるな」とあるのが切実である。
もっとも、艦が沈もうというときに、これを読んで「そうだ!
落ち着け!」と思える人がどれほどいるのかは…。
いや、いかん。
日頃からメンタル、フィジカルともに鍛えている乗組員の
方々の精神力を、我々一般市民と同レベルに考えては失礼と
いうものだろう。
すみません、すみませんと一人で謝りながら、更に歩を進める。
(この稿、続く)
(付記)
しかし。
何にでも、道を極めている方々は凄い、と思う。
先に紹介したおたくファミリーさんも然りだが、ハーブーン
ミサイルについて検索しているうちに、Ichinohe_Takao氏の
「大砲と装甲の研究」に行き着いた。
色々と濃い情報が満載のHPであるが、この中にある「戦艦大和を
護衛艦の対艦ミサイルで撃沈できるか?」というページは
圧巻!であった。
興味が有る方は、是非ご覧頂きたい。
所属:第2護衛隊群第6護衛隊
母港:佐世保
起工:1995年
就役:1998年
製造:石川島播磨重工業東京第1工場
全長:161m
排水量:7250トン
一般公開日時:2011年10月15日~16日 午前9時~午後4時
公開場所:堺泉北港大浜ふ頭第5岸壁
■あわてるな
前部甲板を堪能した後は、見学順路に従って後部甲板へと移動開始。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0b/d3/d0666ba81e38ef3bb7ae3444528f2215.jpg)
画像を見て戴ければお分かりいただけるだろうが、この一般公開で
びっくりしたのが、見学客における女性比率の多さ。
通常、こうしたイベントではミリタリーマニアの男性が過半を占め
ているようなイメージがあったのだが、今回のイベントでは家族
連れや女性の単身参加も結構目立っている。
たまさか、このイベントがそうなのか。
それとも、最近は総じてこうしたトレンドなのか。
いずれにせよ。
自分の固定観念が時代とはズレている不明を恥じつつ、艦内を
移動していく。
艦橋下部の通路(というよりも、構造物の隙間といった方が
より的確だと思う)を抜けると、中部デッキである。
そこに鎮座在(ましま)していたのは、ハープーン艦対艦ミサイル
(SSM)のキャニスター(格納庫兼発射装置)の、迫力あるバック
アングルである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/41/f7/63c3ca195996465ce37f94764d357cfb.jpg)
先にあったファランクスが対艦ミサイル防衛をその任としている
ことに対して、ハーブーンは対艦船用の防御システムである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/b1/b6680de9fbd659f48395ad81358df8df.jpg)
ファランクスの文字通り弾幕を作って迎撃する動きに対して、
ハーブーンはホーミング機能を持つミサイルによって、ターゲット
となる艦船を攻撃する。
ハーブーンは、1975年には既に兵器として完成されており、
その安定感から今なお多くの国々の様々な艦船や航空機、
あるいは陸戦用兵器として採用されている。
結局。
兵器というものは、最新式のものよりも過酷な条件下で安定
した運用が行えるものこそが必要という、宇宙機と同じ要件を
持つものなのだということを、改めて実感した次第である。
上に上げた視線をそのままずらせると、そこには緊急脱出用の
救命いかだがアーチを作っているフレームに固定されている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/25/96/b0161e48e1d3072251fe10ad1fbb321e.jpg)
この救命いかだは、食料三日分と食料調達用キット(いわゆる
釣竿)等がセットされており、海中に投じられれば自動的に
膨張展開する仕様となっている。
あまりにコンパクトなので、近くにいた乗組員の方に
「これって人数分あるんですよね?」
と言わずもがなの質問をする。
600人からの乗組員がいると先ほど別の方から聞いたのに、
それを充足できるだけの筏の面積があるとは思えなかったが
ためである(失礼!)。
なお、こちらにこの筏を実際に展開している画像がある。
ガノタで軍オタのSD大将と801腐女子のSS少将が営んでいるHP
「第弐拾六艦隊」中の「おたくファミリーのミリタリー旅日記」
から。
2007年に呉を訪れた時の日記の中に、その写真はあった。
※ 真ん中よりやや下に、件の救命いかだの展開写真が!
しかし、このご夫婦。
凄い!のヒトコトである。
ここまで趣味が合一しているご夫婦も珍しいのではないか?
是非今後も、精力的に更新願いたいHPではある。
さて。
この筏に関心をもったのは、ちょうど最近、ヨットが転覆して
救命いかだで大西洋を漂流した人の手記を読み直していたから。
その手記によると、いかだの定員設定は実にいい加減なものが
多く、6人用のもので2名の居住空間の確保が限界とのことで
ある。
彼は、そのことを知っていたために、自分のヨット(最大2名。
通常は単独航海用として1名)に、6名用の救命いかだを積載
していた。
それが奏功して、そのいかだのお世話になる(=ヨットが転覆
した)際にもある程度余裕を持った漂流が可能だったのだが、
その6人用のいかだでさえ、全長は160cmに満たなかった
という。
体を伸ばして寝ることすらできないという状況は、いつ終わりを
迎えるかもわからないままに漂流するハメになった人からすれば
非常に辛いものとなるだろう。
このことが脳裏に有ったがゆえに、いずれは展開したいかだの
実物をぜひ見てみたいと思っている。
ちなみに、先に紹介した展開実物写真から想像すると、こちらの
いかだは差し渡しは有に2.5~3mはありそうである。
こちらもまた、実際に使われる日がないに越したことはないが、
ひとまずはそこそこの大きさがあることに一安心である。
さて。
万が一、こうした救命いかだが使われるような羽目になった
時には、何に注意すれば良いのか?
辺りを見渡すと、やはり有ったのである。
そう。
総員離艦安全守則である。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/16/5d/1319cc17335ad1d66fd20c2a5334e357.jpg)
どれも大切なことが書かれてあるが、何よりもまず第1項に
「あわてるな」とあるのが切実である。
もっとも、艦が沈もうというときに、これを読んで「そうだ!
落ち着け!」と思える人がどれほどいるのかは…。
いや、いかん。
日頃からメンタル、フィジカルともに鍛えている乗組員の
方々の精神力を、我々一般市民と同レベルに考えては失礼と
いうものだろう。
すみません、すみませんと一人で謝りながら、更に歩を進める。
(この稿、続く)
(付記)
しかし。
何にでも、道を極めている方々は凄い、と思う。
先に紹介したおたくファミリーさんも然りだが、ハーブーン
ミサイルについて検索しているうちに、Ichinohe_Takao氏の
「大砲と装甲の研究」に行き着いた。
色々と濃い情報が満載のHPであるが、この中にある「戦艦大和を
護衛艦の対艦ミサイルで撃沈できるか?」というページは
圧巻!であった。
興味が有る方は、是非ご覧頂きたい。
![]() | 亡国のイージス 上 (講談社文庫) |
クリエーター情報なし | |
講談社 |
最初に「あわてるな」、ひらがなでかいてあるのもいい。
以前、職場の非常時フローチャートの最初に、「まず、深呼吸」と書いてあったのをおもいだしました。
確かに、緊急時、どれだけそれを守れるか、落ち着けるか、わかりませんが、ふだんから意識しておきたい、第一項目ですね。
通りすがりのものですが私も先日、観てまいりました。マニアでもなんでもありませんので、ハープーンミサイルを「魚雷かな~」などと子供にしゃべっていました。極めつけは救命筏を見ながら「これは機雷やな~」と云うしまつです。
建物の上からメインマストが見えたときは流石に大きいものだなと思いました。
いろいろとご存知なので一つお聞きしたいのですが、ハープーンミサイルの上部に見えている2本一組×2の細い砲身のようなものは何なんでしょうか?
突然の書き込み申し訳ございません。
様々なシチュエーションで役に立つ、もって肝に銘じたい言葉だと思います。
もちろん、実践できるかどうかは…w
ありがとうございます。
私も、全くマニアでもなんでもなく、ただの
メカの横好き人間ですw
で、ご指摘の砲身状のものの正体は、実は私もよくわかりません。
少なくとも、その外観とは裏腹に兵装ではなさそうです。
一般見学の時にもらった「ちょうかい」のパンフレットを見ても、兵装一覧にそれらしきものはありませんし、写真の上に武器の名称がコメントで点けられている図でも、あの二本の棒は無視されています。
となれば、アンテナか?とも思うのですが、あまりにも砲身ライクな外観のため、それも素直に納得できていません。
また分かったら、ここででも回答させていただきます。
それでは、失礼します。
何なんでしょうね。実際見たときには先に蓋がついていたように見えました(127mm砲のように)それにしても根元のほうが、あまりにもシンプルに出来ているので武器ではないようですね。
私も判りましたら書き込みさせていただきます。
お騒がせいたしました。