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壺中日月

空っぽな頭で、感じたこと、気づいたことを、気ままに……

えいさらえい

2011年10月14日 20時04分35秒 | Weblog
        松なれや霧えいさらえいとひくほどに     桃 青

 「えいさらえい」は、謡曲『岩船』の「引けや岩船……吹きよせよ、えいさ、えいさらえいさとおすや唐櫓の」とか、『百万』の「重くともひけやえいさらえいさと」、「牛の車のとことはに、何処(いずく)をさして引かるらん、えいさらえいさ」などをとり入れ、「ひく」に「引く」と「退(ひ)く」とを掛けたもの。謡曲的口調による発想である。
 
 「松なれや」は、さすがに松だと感嘆する意。
 「えいさらえい」は、物を引くときの掛け声。

 季語は「霧」で秋。

    「磯馴れた松にかかっていた霧が晴れてゆくにつれて、あたかも霧が
     えいさらえいと掛け声でもかけて、松を引いているように感じられる。
     しかし、さすがに松はどっしりとして動きそうにもない」


      秋ふかし大日如来の厨子ひらき     季 己