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<「漢字の学習の大禁忌は作輟なり」・・・「作輟(サクテツ)」:やったりやらなかったりすること・・・>
・長らく中断しておりました「熟語の読み・一字訓読」シリーズを再開しています。
・223回からは、漢検漢字辞典第2版の内容を加味したり、調べる辞典の範囲を大字源・漢字源などまで拡大した内容にて、整理していきますので、初期のこのシリーズの記載内容とは濃淡・精粗があります・・・この回からのほうが内容が濃いと思います。お含み置きください・・・追って、初期の内容についても、内容を拡充していきたいとは考えています。
・なお、別の記事などにて、漢検2記載内容を踏まえた「熟語の読み・一字訓読、音訓整理」を案内したものもあり、一部重複しているかもしれません・・・この点もお含み置きください。
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●熟語の読み・一字訓読(その256)です。 ゴチック・太字は漢検2にも記載あり。
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<衒:ゲン、う(る)、てら(う)、ひけ(らかす)>
・う(る)、てら(う):
衒売=物をてらいうる、衒鬻(ゲンイク)=自分をてらいうる(自らうりこむ)、衒士=才能をてらいほこる者、
衒燿=自分の才学をほこる・ほこりてらう、
衒気、誇衒、衒学=学者ぶる・学識をてらう
・ひけ(らかす:衒術=技術を自慢する、衒巧=わざ自慢、衒世=世の中に自分の偉いことをみせびらかす・世間に自慢する、衒張=大袈裟に人にみせる・みかけをかざる
・その他:衒妻=衒婦=淫売婦、よたか、辻君、他人の妻を悪くいう語
<衙:ガ、つかさ、あつ(まる)、まい(る)>
・つかさ:
衙内、衙府、衙門、衙兵、国衙、公衙、衙署、衙職、衙退=退職、役所をひく、衙蠹(ガト)=役所の悪者、悪吏
・あつ(まる)、まい(る):(参内する意)
衙参=朝夕、官吏が衙門に参集すること、衙日=衙参の日
(参考)
「衙衙(ギョギョ)」=行くさま、また、疎遠なさま。「飛廉(*人名?)の衙衙(ギョギョ)たるを通ず」(はるかに遠いさま)
*大漢和・大字源・漢字源ともに“ギョ”音あり。(大字源)①行くさま ②まばらに遠いさま (漢字源)障害物をはねのけながら進むさま、孜孜と仕えるさま。
<衢:ク、みち、ちまた、よつつじ、わかれみち>*漢検2:「よつつじ」訓読み掲載ナシ(意味欄にはあり)。
・みち、ちまた、よつつじ:
衢巷、街衢、九衢、広衢、交衢、康衢、衢肆(クシ)=ちまたの肆、市肆、街肆、衢閭=まちのちまたやむらざと、衢樽(クソン)=酒樽をちまたに置いて自由にのませる(字通)諸人が自由にのむに便利なように、ちまたに設け置く酒樽・転じて人望を得る喩え(大漢和)、*「聖人の道は、猶、中衢にして、尊(樽)を致すが如きか、過ぐる者斟酌し、多少同じからざるも、各々、其の宜しき所を得。」(淮南子)
・わかれみち:衢道=えだみち、わかれみち *「衢道を行く者は至らず」、衢路=えだみち、わかれみち、四方に通じる道、衢塗=岐路、衢地=四通八達の地
*衢柯(クカ)=四方に張った木のえだ、衢国(クコク)=四面に敵を受ける地勢にある国、「衢室之問」=堯が政を聴く所で下民のいうことを聴いた故事という。転じて、遍く民衆の意見を聴く喩え。 衢室=政を聴く所、明堂。
<衫:サン、ころも、ひとえ、はだぎ>
・ころも:
衫裙(サンクン)=衣服。白衫(ハクサン)、青衫(セイサン)、襴衫・・・衫子=婦人の服の一つ(衣と裳を相連ねてつくったもの)
・ひとえ、はだぎ:衫衣=襦袢、
汗衫(カンサン)、裙衫=はだぎとひとえ。衣衫
<衾:キン、ふすま、よぎ、かけぶとん>*漢検2:「かけぶとん」訓読み掲載ナシ。
・ふすま、よぎ:
衾褥=ふすまとしとね、夜具。
同衾、衾衣、衾枕=ふすまとまくら、夜具。衾簟(キンテン)=ふすまとたかむしろ *「西風に衾簟冷やかなり」、衾被(キンピ)=ねまき、寝衣。
衾雪(ふすまゆき)
・かけぶとん:衾幬(キンチュウ)=衾裯(キンチュウ)=かけ布団と夜着(字通)・ふすまとひとえの寝間着、又、衾と牀帳(大漢和)*幬、裯は対象外。
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