(番外)東ドイツ製特急型気動車「VT18.16」("https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E5%9B%BD%E9%89%84VT18.16%E5%9E%8B%E6%B0%97%E5%8B%95%E8%BB%8A">wikipedia)(写真上左)
きょう最初の見学地へ、Zoo駅まで歩き、朝食を摂ってからSバーンで向かった。Lichtenberg駅で下車したところ、見慣れない、しかし明らかに古く華のある列車が留置されており、下車してホームを移動したり、外に出て歩道から写真を撮った。車体に「DR」と書かれている通り、旧東ドイツ鉄道の車両で、同国の威信をかけて1964年から製作されたと言う。長いノーズ、高い運転台は、日本の新幹線0系とも、151系に始まるボンネット型特急電車とも相通じるデザイントレンドを感じさせる。後刻いろいろ調べたが、同駅自体が東ドイツ時代はターミナル駅だったとのこと。今は近郊電車の発着駅にしか見えないが、確かに地下のS/Uバーン駅のホームは、極めて歴史がありそうな雰囲気が漂っていた。
(13)"https://www.stasimuseum.de/en/enindex.htm">シュタージ博物館(10.00EUR)
ナチ統治時代のいわゆる秘密警察が「ゲシュタポ」なら、分割後の東ドイツに設置された似たような機関が「シュタージ」で、本館はそこに関する内容を、当時の建物の一部に展示する。秘密警察などと言うものは時代や国を問わずやることは似たようなもので、言論統制や反動者の抑圧、拷問など。創設に関ったり組織拡大に「尽力」した人物群や組織構成などについて詳しく、監視の方法とくにカメラや録音、盗聴装置などの実物展示は興味深かった。一方で取り調べや拷問に関する展示は少なく、さすがにバツが悪いのか人道上の背後なのか或いは資料として残されていない闇の部分なのか、ちょっと疑問が残った。
(14)"https://www.ddr-museum.de/en">DDR博物館(13.50EUR)
ベルリンと言うとどうしても歴史的、政治的な部分に興味が多く、その手の博物館が多いものだから見学先が偏ってしまう。本館は文字通り、東西対立の時代の資料館。ユニークかつ面白いと思ったのは、東西を比較する形での展示が徹底されていたこと。同じころ、東側西側ではそれぞれどうだったかを、ほんの少し目線を動かすだけで理解できる。映像が多かったのも、理解が早くて助かった。そのためか、入館料は少し高めか。
(番外)"https://www.topographie.de/en/">テロのトポグラフィー(無料)
友人の希望で追加訪問。もとはナチス政権時代の重要機関が入居するビルだった一角で、さすがに建物は取り壊されたが敷地の一辺に沿った基礎部分だけが遺構として残され、その前と新たに建てられた近代的な平屋の建物内にナチスの興亡と犠牲者や抵抗者たちの記録がぎっしり収められている。展示は写真パネルがメインだが、追悼のため個人名の検索システムもあり、日本でも原爆犠牲者や戦没者の検索ルームがあるのと同じ。今回あれこれ施設を訪ねており既に見た写真も多かったが、謀反失敗から10年と経たずにドイツの頂点に立ち、世界を大混乱に陥れたヒトラーとその時代を思うと、その勢いや熱狂し追随した人々のエネルギーに驚きおののくばかり。
(番外)首相官邸跡地
本日の最期は、これもまた友人の希望で追加訪問した首相官邸跡地。当然ヒトラー時代のである。建物は取り壊されて久しく跡地にはコンクリートのアパートが建てられているが、その敷地内の一角、公園となっているエリアあたりの地下まで壕が伸び、ヒトラーが拳銃自殺による最期を遂げた場所と推定されるとか。かつてはそのことを記した案内板が建てられていたのだが、ネオナチとかの「聖地」として集会が行われたりしたのか、それも撤去されてしまったとこと。先人のブログを辿り恐らくここかなぁと呟けど、爽やかな風に公園の木々が枝葉を揺らすだけだった。
今日は多くの博物館を訪ねただけでなくブランデンブルグ門(写真下左)、ポツダム広場の「壁」(写真下右)などベルリン名所にも寄り、連日とは違った意味で充実した1日となった。
InterContinental Berlin 泊