少し前に上水道発展の本を読んだが、本書は上下水道両方をカバーしている。上下どちらを先に整備するべきか、工期や費用の問題もだが、大きな要因は伝染病予防(特にコレラ)への効果と言うのが、言われれば当たり前だが興味深い。
京都に関して書かれているのはタイトルに反して2/5程度か。京都の地下水供給事情は、北東が良く南西に向かって悪くなってゆく。地形図に歴史的名井をプロットし、さらに近代の都市化や地下鉄掘削後の状況を反映させた図には唸らされた。そして琵琶湖疏水。この歴史も読み応えがあった。
今はビルが無秩序に立ち並び、地下水脈も分断され、京都はつまらない町になってしまったと言う著者の手厳しい主張は、過去の豊かな水事情の価値を認めているが故だろうか。こういう本を思い出しながら、インクライン跡から疎水に沿った散策をするのも楽しそうだ。
2018年3月7日 通勤電車にて読了
京都に関して書かれているのはタイトルに反して2/5程度か。京都の地下水供給事情は、北東が良く南西に向かって悪くなってゆく。地形図に歴史的名井をプロットし、さらに近代の都市化や地下鉄掘削後の状況を反映させた図には唸らされた。そして琵琶湖疏水。この歴史も読み応えがあった。
今はビルが無秩序に立ち並び、地下水脈も分断され、京都はつまらない町になってしまったと言う著者の手厳しい主張は、過去の豊かな水事情の価値を認めているが故だろうか。こういう本を思い出しながら、インクライン跡から疎水に沿った散策をするのも楽しそうだ。
2018年3月7日 通勤電車にて読了