SUPER FLAT 2

非ファルス的にもっこりするものを肯定せよ!(神の性的不器用あるいはその性的悪戯に由来するもの達について)

養老天命反転地20

2008年09月09日 | Weblog
 この藝大モギケン教室での荒川修作の話を聴いていると「静かな苦悩にひたされているという感覚」がいきなり高まってくる。ここで教室は、東浩紀氏の言葉を借りれば「沈鬱で悲劇的なムード」に覆われている。東氏は『ゲーム的リアリズムの誕生』の第二章B8(208ページ)で「永遠の世界」について書いているが、これを読んで思うことは、荒川もまた「死なない」という「設定」をおこなったのであり、その意味ではなく機能について考えなければならないということだ。では荒川のこの「設定」に隠されたアクロバティックな戦略とはどのようなものだろうか? 環境分析的に読解していきたい。

図書館ホームレス問題

2008年09月09日 | Weblog
 ホームレスは全てを失った人達だ。しかし、ひとつだけ失っていないものがある。それは記憶であり、その記憶のうちにかろうじて繋ぎ止められている人間の尊厳である。もちろんホームレスが駅や公園や図書館に集まるのも他に行く場所がないからだろうが、それだけではない。駅は彼らの故郷に繋がった場所であり、公園や図書館は希望や目的を持っていた頃の自分に繋がった場所である。現実にはその繋がりはすでに断たれているにせよ、記憶のうちでは繋がっているのである。この記憶への配慮なくしては、どんなホームレス対策も「人間の尊厳」を無視したものになるだろう。