SUPER FLAT 2

非ファルス的にもっこりするものを肯定せよ!(神の性的不器用あるいはその性的悪戯に由来するもの達について)

神話無き時代の脳科学1

2006年12月18日 | Weblog
 いま、人々が芸術成立の根拠を神話にではなく脳みそに直接尋ねようとしているのは、それだけ象徴や想像の力が衰えているからなのである。あわただしくも要請された脳みそ学者達の言葉は、しかし芸術の状態ついては何も見ようとはせず、その芸術の向こう側にある真実だけをいきなり語ろうとするだけだ。歴史も文脈も理論も一切抜きで、裸一貫の脳みそ反応だけで、生き生きとした生命の躍動を語りきろうとするのである。そんな脳みそ学者達の言葉は、この象徴的貧困の時代にだからこそ求められるべき悲しき必然なのだろう。神話無き時代の脳科学が提唱するクオリア原理主義も、おそらくはマイナスイオン等とおなじく不可解な活性効果でしかない。そんなクオリアが芸術をいくら愛しても、芸術がクオリアを愛することは決してないだろう。(続く)