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むさしの墨友会

現代書道の父、比田井天来先生の門流である桑原翆邦先生の門人の吉野大巨先生を師として、書を愛好する仲間の会です。

ある新聞記事より「そこはかとなく心が整う」

2013-11-08 | 書道

数日前のA紙です。

教育「学校モノがたり」のタイトルで、「書道」とは「書の道」。と紹介されていました。

サブタイトルは「墨滴 時間の節約の声を受け誕生」です。

 

 

硯に向かって墨をすれば、そこはかとなく心が整います・・・。

墨メーカーの呉竹(奈良市)の会長さん(63歳)*同世代だぁ~。がそう言ってから、残念そうにつぶやいた。と書かれていました。

「学校の授業や街の書道教室で、墨をする光景はほとんど見かけなくなった」

墨の代わりに使われているのは墨滴だ。

「学校の現場で墨をする時間を惜しむ傾向がある」(昭和28年頃)*私が幼稚園の頃

当時は、まず水に溶かして使うチューブ状の「練り墨」でその後、液状の墨滴を売り出したとか・・・。

当初は「邪道だ」と返品されることもあったようだ。

 

 

墨をする機会は、学校以外でも減っていった。

現在の「書道セット」に墨が入っていない場合もあるという。

「墨は液体だと思っている子も多い」

私の経験でもキャンプなどをしても、火を起こせない子がほとんどである。

まして、マッチなどは使ったことが無い。

更に火を燃やし続けることも知らない。

当然と言えば当然で、今では電気釜のスイッチを入れればコメが炊ける。

すべて、便利な生活や道具に囲まれている。

私もほとんどが墨液を使っている。

半切を何枚も書くには、大量の墨をすらなければならなりません。

墨をするのは日記を書くときくらいになっています。

先輩の先生方は全て墨をすっているとも聞きます。

私にとって、やはり時間の節約も大きな要因なのでしょう。

現在の墨液もかなり研究されて、すった墨と同じような味わい?になっているのでしょう。

まだ、本物の味わいに浸っていない自分です。

今回の記事を読んで、「墨をすって、そこはかとなく心が整う」よう心がけて行きたい。

行きたい・・・。


萬 鶴