すぎなみ民営化反対通信

東京・杉並発。「一人が万人のために、万人がひとりのために」をモットーに本当のことを伝え、共に歩んでいきたいと思います

いま杉並の児童館が危ない!あんさんぶる⇔荻窪税務署交換で! 7・9『覚書』で何が合意されたか?

2014年11月09日 | 児童館なくすな!あんさんぶる⇔税務署交換
区が住民と地域にわからないように進めている「あんさんぶる荻窪」⇔「荻窪税務署」の交換と施設再編整備。児童館廃止が前提、私たちを無視・除外したとんでもない“密約”(「覚書」)があった!
 
特報★杉並版(地域・児童館) わかりやすい具体的解説(1)  
 さっそくですが今回から始めます。相当長いですが、お付き合いいただくこと、どうかご容赦ください。

【1】 何がいま問題になっているのか?
 今年(2014年)7月9日、国と杉並区の間で、あんさんぶる荻窪にある最大の施設である荻窪北児童館の問題に蓋をして、「あんさんぶる荻窪」と「荻窪税務署」の交換契約に係る「覚書」は取り交わされていました。「覚書」の情報開示請求と開示によって、私たちの知らないところで、荻窪北児童館の廃止を前提に、「あんさんぶる荻窪」と「荻窪税務署」の交換が合意されていること、その詳細がわかりました。


 ★ 先日(11月1日)の旧若杉小学校体育館で開かれた区の住民説明会で、「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換のためには、たとえあんさんぶる荻窪にあり評価が高い児童館であろうと、その荻窪北児童館を、小学校の改築・建て替え計画の急改定によって桃井第二小学校に、それも新校舎完成後ではなく、新校舎建設工事中の仮設校舎に移転し子どもたちをその仮設校舎で二年間も過ごさせるというのが、区の計画と方針であることを知りました。
  荻窪北児童館は、平成25年度(2013年度)の統計によれば、児童館総利用者数は年間5万7675名、学童クラブ利用児童数は年間1万4785名を数え、区内最大の児童館です。職員の皆さんと住民・地域の協力で、児童館を中心に地域福祉拠点、地域コミュニティ拠点として育て築いてきた「あんさんぶる荻窪」。にもかかわらず、なぜ今回の交換でその中心・柱であり、利用者と住民・地域に喜ばれ、子どもたちの遊び場・居場所、多世代の交流の場となっている荻窪北児童館をなくそうとするのか?区の「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換の結論ありきの頑なな強行姿勢、何ゆえにそのような計画・方針に固執するのか、その理由も示さないことに、私たちは危機感をおさえることができなくなりました。

 ★ その不安と危機感の中で、この「覚書」の存在と内容を知りました。これは地域・職場のみんなで知り、共有すべき!―やはり、ぜひとも周知すべきであると思いました。「覚書」を読み、難しくわかりにくい用語で「覚書」に書いてあるその具体的内容・意味が理解できたとき、ハッキリ見えてきたものがあります。

 ★ 結論から申し上げれば、前記の11月1日の説明会でなぜ区は「結論ありき」の頑なな姿勢を区がとり続けているのか、その理由も「覚書」でわかりました。区は「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換の計画と方針に関しては、当初からずっと一貫して、あんさんぶる荻窪にある児童館の問題は軽視・看過し、無視し、きりすて、放置し忘却していた。それで済む、それで片付く、どうせ施設として廃止するのだから、とタカをくくっていたに相違ありません。そのことが「覚書」を通してハッキリしました。
  では、このかんの経過―唐突に、11月1日の桃井第二小学校改築工事の説明会を告知し、区がその説明会の場で説明した桃井第二小学校改築とそこへの児童館の移転は、児童館の問題に対して区が認識を新たにし重視する姿勢に変ったからでしょうか?違います。この児童館問題を何とかしないと、区が田中区政・二期目の最大課題として実現すべき「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換そのものが頓挫しかねない、区としては何としてもそれを回避したい、そのために、これまでここ数年間の学校の再編整備計画にも入っていなかった桃井第二小学校の改築を急きょトップダウンで決定し、荻窪北児童館の移転先として建替を進めようとしているだけです。荻窪北児童館の意義や役割、その大きさを区があらためて理解し直したから当初の計画・方針が変わったのではないのです。
  区が認識を改め姿勢を変えたのであれば、校庭もなく、粉じん・騒音・震動、重機作業、搬出入車両の頻回な出入りの工事現場のまっただ中にある、それも仮設校舎で二年間も子どもたちを過ごさせるという常識では考えられない計画・方針を住民説明会で平気で説明できるはずがありません。児童館の子どもたち、その保護者(利用者)、住民、地域のことなどまったく眼中になく、「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換をすべてに優先して進めるという、この区の姿勢・考え方は、当初から一貫しており、今も何ら変わっていないということです。

 ★ このまま手をこまねいて、区の計画・方針で進めさせていいわけがありません。何とかしなければなりません。区は、住民と有識者を交えた桃井第二小学校改築に関する懇談会で改築コンセプトを策定していくと言っています。しかし、違うのではないでしょうか?荻窪北児童館の移転先としての「桃井第二小学校改築」を既定の前提にすることはできません。たとえ7月9日の「覚書」で「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換が、国と区の間で「合意」されていたとしても、区と住民の間での合意などまったく行われていないからです。
  田中区長は昨年(2013年)11月19日の杉並区議会全員協議会で、麻生財務相と区長で「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換は「最終合意」したと報告しています。
「・・・・・・当初は11月初旬の公表、説明を予定しておりましたが、先日マスコミ報道がありましたとおり、この間、国との財産交換の協議が進行しており、去る11月13日に私が麻生財務大臣とお会いして最終合意に至ったため、公表、説明がこの時期にずれ込んだという経緯がございます。」(全員協議会記録 http://www.gikai.city.suginami.tokyo.jp/kaigiroku/zenkyou/zenkyou251119.pdf)。
 これはマスコミにも流し、広報すぎなみにもそのことを掲載させていますが、これが「既定」だとか、「合意」の「周知」などと言えないのは当たり前です。「最終合意」って何ですか?「最終合意」というとあたかも「全部決まった」かのように聞こえ、またそういうアナウンス効果を狙って区長も意図的に「最終合意」と発表したのでしょうが、単に田中区長が麻生財務相に繰り返し執拗に懇願し頼みこんでやっと「合意」こぎつけた、それをこれまで説明もせず意見を聞いても来なかった議会や住民に対して、「決まった」と一方的に「報告」し、宣伝しているだけの話です。
 人の口には戸は立てられません。区役所庁舎であろうと、地域であろうと、どこであろうとそこで行われたことで区にとって都合が悪いことであればなおさらでしょう。事実というものはその事実が現にあった以上は、たとえ誰にも伝わらないだろうと関係者が思っていても、いずれは表面化するものです。以下に明らかにすることも決して些細な出来事に関する単なる風評として無視して片づけることはできないものです。
 11月1日の説明会の場では、今年7月に七町会から「桃井第二小学校の早期改築を求める要望書」が区長にたいして提出されたので、区として桃井第二小学校改築を決定し計画を改定したと、あたかも区と七町会の合意の上で計画を改定したかのように区は報告しています。しかし、広く漏れ伝わっている事実というのはそんなものではないようです。要望書の内容に関する七町会長の事前の協議・合意もないのに、既に出来上がっていて町会長記名(署名)まで印刷されている、後は捺印するだけの「要望書」に対して、区長の前で既に捺印されている筆頭者以外の6人の町会長全員に否や応やもない、問答無用、有無を言わせず捺印させたというのが実際あったことだと言われています。あらかじめ印刷され筆頭者の捺印が既にあり、他の6人の町会長が捺印するだけだったと言われているその「要望書」なるものについては区が作成した自作自演だという話まで出ておりその疑いも十分に推測される、そのあたりが実際のところでしょう。そもそも仮に七町会長と区との「合意」があったとしても、また町会長の町会への影響力が大きかったとしても、町会長と町会、町会と住民はイコールではありません。「要望書」と区の「桃井第二学校改築」決定(計画改定)をめぐる事実経過がこのようなものである以上、なおのこと、こんなものは区の「桃井第二小学校改築」の「決定」を正当化するものには到底なりません。
  また、今年8月には、田中区長は区議会与党、自民党・民主党・公明党の会派幹事長クラスと桃井第二小学校改築・児童館移転、「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換は区の既定方針通り推進ということで合意したとのことですが、それが計画・方針のゴーサインになっていいはずがありません。通常使われている政治用語で言えば、区長が与党会派に根回ししたというだけの話です。

 ★ このような裏話の事実をめぐるああだこうだの議論以上に、私たちにとって大事で、ここで明らかにしなければならないのは次の問題です。何よりも、「桃井第二小学校改築」問題の前提には「(あんさんぶる荻窪にある)荻窪北児童館の桃井第二小学校移転」問題があり、その前提には「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換問題があるということです。この一切の大本であり、入口にある「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換問題については、しかも、住民に対する説明会はいまだ一度も行われていないのです。私たちを抜きにしてこんなに重大な問題が、すべて「既定の計画・方針」であるかのように既成事実化されていくことには到底納得できません。まして児童館の職員はじめあんさんぶる荻窪で働いている人々、児童館はじめあんさんぶる荻窪の利用者は、みんな、あんさんぶる荻窪がなくなり、荻窪北児童館がなくなることに対して、存続を願い、訴えている以上なおさらです。

【2】 あんさんぶる荻窪の児童館に関する周知と7・9「覚書」の内容の周知が必要です! 


  私たちにとって、いま、一番必要なことは、児童館、荻窪北児童館をなくしていいのか、なくなってもいいのか、という問題、荻窪北児童館の存在、意義、役割、その大きさについて、抽象的にではなく、具体的に地域、区内に周知し、話し合うことであり、実際に進められている区の計画・方針について、区は児童館をどうしようとしているのかをハッキリさせ、私たちの態度を明確にすることではないでしょうか。
  区が言う「児童館という施設にとらわれることなく機能を充実させ発展させていく」とか「児童館は施設としては廃止されるが、その機能は小学校に移転して継承され充実をはかる」などという言葉をもてあそぶ詭弁に等しい抽象的なコトバによる説明に対して、ああだこうだの解釈議論を行うことではなく、具体的に現実を知ることです。
皆さんに知っていただきたい「覚書」、そこに書かれていることは、区が児童館をどう考えているか、それがわかる重要な判断の手掛かりになります。
  そういう「覚書」だからこそ、「あんさんぶる荻窪」⇔「荻窪税務署」交換契約の基本方針合意書、素案に当たるものとして、本来なら区の側から住民に対して積極的に発表し周知をはかり理解を得る努力を払うべきものでありながら、そうしないで、伏せられてきたのではないでしょうか。区は、計画の意図、全貌と核心を隠して進めて来た、区にとってはそうする必要があったということです。

  そのために、ここでは、まず、① あんさんぶる荻窪にある荻窪北児童館について周知する、紹介することから始めます。② そのうえで「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換に関する区と国が締結したこの7・9「覚書」で、あんさんぶる荻窪二階の荻窪北児童館はどのように位置づけられているか(どれほど無視され切り捨てられ、位置づけられていないか)を具体的に検証しながら一緒に考えてみたいと思います。
「覚書」は、「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換契約に係る基本方針の合意・契約文書の形式で締結されている確認書ですが、具体的に現にあんさんぶる荻窪の中にある荻窪北児童館をはじめとした個別の施設がどうなるかという問題、区が施設をどうしようとしているかという問題として整理するとハッキリします。

【 次回の特報★杉並(地域・児童館)版の「わかりやすい解説(2)」では、2014年7月9日付けのこの「覚書」の全文をそのまま転記して掲載し、その骨子の解説も添えて皆さんとともに考えてみたいと思います。今回の「わかりやすい解説(1)」では、最大の問題となっているあんさんぶる荻窪の児童館(荻窪北児童館)について周知をはかりたいと思います。】


【3】あんさんぶる荻窪には、児童館利用者総数・年間5万7675名、学童クラブ利用児童総数・年間1万4585名の荻窪北児童館があるということをあなたはご存知ですか?
                 
  区の公式ホームページの施設コーナーに載っている、このあんさんぶる荻窪の写真は夜間にとったものらしく紹介には、何となくスッキリしませんが、前掲した日中の写真でや地図、これからお伝えすることで、あんさんぶる荻窪やその二階にある荻窪北児童館について知らない方は、イメージを持ってください。
 JR荻窪駅西南口徒歩3分、地下鉄丸ノ内線荻窪駅西口徒歩3分、荻窪駅南口バス停徒歩4分という交通に便利な位置にあります。

  杉並は全国の学童保育でも最も熱心で先端モデルといわれるくらい、児童館は地域に根ざして施設の質量、内容でぬきんでた評価を受けていますから、区内の他の児童館関係者にもあんさんぶるの荻窪北児童館のことはよく知られているはずですが、それでも、地域の施設であり、とりわけ荻窪北児童館はあんさんぶる荻窪の建物の中にある施設ということもあって、荻窪5丁目や桃井第二小学校、当該地元地域や利用者以外には、意外と知らない方の方が多いのではないかと思います。ここでは、当該利用者や地元地域以外の区内の方や区外・全国の人々にも今回起きている「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換問題、荻窪北児童館の存続・廃止問題、荻窪北児童館の桃井第二小学校への移転問題について考えていただくために、できるだけ具体的にお伝えしたいと思います。

  ● あんさんぶる荻窪の二階に、今回最大の焦点になっている荻窪北児童館があります。一階には福祉事務所、三階には消費者センター、四階には環境情報館、五階には社会福祉協議会、成年後見センター、ボランティア・地域福祉事業支援センターの各施設・事務所があるほか、集会室・図工室・教室・遊戯室(体育室・レクリエーション室)、情報コーナーが配されている多目的複合施設ビルです。地下一階が荻窪南第二自転車駐車場、地下二階が管理者用駐車場となっており、ビル最上部は、屋上庭園と外階段のスロープが備わっています。このあんさんぶる荻窪については、計画段階から住民参加の建設が重視され、建物・設備のデザイン・意匠・配置にも施設を利用する利用者、地域の意向と希望が反映した形でつくられ、そこで働く職員や各施設の利用者、計画段階から住民意見を提出してきた人々は、「全国ピカ一」と言っています。

  ● 特に重要な点は、荻窪北児童館を中心に据えていることから、子どもたちと保護者の安全・安心と子どもたちの居場所・遊び場のスペース確保に最大のウエイトを傾けたつくりかたと建物構造・配置の使い方に心を砕いていることです。この地域は西は環状8号線、北はJR線沿いの一方通行の道路規制がされているとはいえバス、車の通行で混雑する駅前道路に面しており、近くには幼い子どもたちが安全に行き来して遊べる公園はありません。近くに公園等の遊び場がないこの地域の特殊性をあんさんぶる荻窪内の体育室と屋上庭園、二階から屋上まで外階段で行けるスロープにすることでカバーして、子どもたちの遊び場やイベントも体育室と屋上を使って解決してきたこと、そのように、児童館と利用者と地域が連携して創意と工夫を凝らして子どもたちの遊び場問題を解決してきたことは非常に大きいと思います。

(児童館の見取り図)

(体育室)

(あんさんぶる荻窪・屋上庭園)

(あんさんぶる荻窪、2階から屋上への外階段のスロープ、横にはベンチ、夏には横にビニールプールが置かれ、格好の子どもの水遊びの場になっています。)
 4階のすぎなみ環境情報館のビオトープは、池を中心に屋上や壁面などのみどりと合せて様々な生き物が生息できる空間をつくりました。

(環境情報館のビオトープは、池を中心に屋上や壁面などのみどりと合せて様々な生き物が生息できる空間をつくって、生物やその幼虫、水生植物が観察でき子どもの自然学習の場になっています。)
 
 体育館や遊戯室は子どもたちがのびのび思いっきり遊べる遊び場とともに地域の行事や若者の交流の場としても有効に活用されてきました。


(中高生企画によるイベント)
 
 ● 職員の皆さんと利用者(保護者)や地域住民の協力と意見交換をベースにした運営の工夫、たえざる改善には、正月を除きほとんど無休という点も含めて、とても大きな熱意と努力が払われてきたことと思います。

  それは児童館で過ごす子どもたちの楽しさいっぱい、元気いっぱいの溌剌とした様子、親御さんの安堵・安心感をみればだれにもよくわかります。

(エントランスホール。おやつの場所やボードゲームの遊び場にもなります。)
  それだけではありません。貧困で食事もままならない小中学生に対しては5階で無料の弁当サービスがボランティア団体の方々によって行われ、塾に通う余裕がない家庭にはボランティアで無料学習塾が持たれています。駅前の塾に通う子どもたちは、学校帰りに児童館で時間を調整しています。児童館にあるゆうキッズ(乳幼児親子居場所事業)は午前中のプログラムを終えた後、弁当を児童館や屋上庭園やスロープベンチで親子でひろげ、児童館は親子の憩いの場と親子同士の相互交流の場所となっています。

(ゆうキッズ)

(乳幼児図書室)
  駅から至近であることから障害のあるお子さんたちも通うことができています。

 これらの営々たる取り組みとその集積、その結果が、児童館年間利用者総数5万7675名、学童クラブ年間利用児童数1万4585名(いずれも2013年度統計)という数字、区内最大の児童館となっているのです。
 またこのような児童館の存在、子どもたちの充実、保護者の信頼、親子相互の交流、地域の協力、すべてを担いきっている職員のがんばりと誇りの中でつくられてきた気風ともいうべきものが、あんさんぶる荻窪にある各施設や集会室等を気軽に利用できるものとし、たくさんの区民の集い交流する福祉拠点、地域コミュニティ拠点として、あんさんぶる荻窪全体をつくりだしてきたのです。

  ● 区長はじめ、区経営の中枢にいて「あんさんぶる荻窪⇔荻窪税務署」交換を推進している人々は、コトバでは「子どもの未来」「子どもの将来」「明日への希望」「子育て支援」「地域コミュニティ」ということをさかんに多用します。
  しかし、一度でも、いまここで記したような児童館で行われていること、そこでの子どもたちの様子、親御さんの安心、地域の交流、その場面に居合わせたことがあるでしょうか?そういう実際の児童館の現場、あんさんぶる荻窪の地域コミュニティ空間を覗いてみたことが一度でもあるでしょうか?それを懸命に支え、てんてこ舞いの忙しさの中でも笑顔を忘れず、子どもたちの自由で健やかな成長を手伝い、責任を持って頑張っている職員のみなさんの姿に一度でも接したことがあるでしょうか?この児童館に子どもを通わせている親御さんや親子でゆうキッズに通っている親御さんの、確かな「居場所」に対する安心感や信頼の大きさに一度でもむきあったことがあるでしょうか?
  ● この児童館とあんさんぶる荻窪を2018年度には廃止し、ゆうキッズについては保健所に移し、学童クラブと放課後居場所については、桃井第二小学校に「機能移転」すると称していることが、何なのか、どうなるのか、ぜひ皆さん、想像してみて下さい。ここでいま紹介した児童館とあんさんぶる荻窪がまるごとなくなってしまうのです。
  「児童館はなくなるわけではない。その役割も機能も継承し、拡充する」「児童館という施設にとらわれることなく、機能を充実させ発展する」というのが区の説明です。
  荻窪北児童館の実際の姿、あんさんぶる荻窪の実際の姿と、このように説明している区があんさんぶる荻窪を廃止し、荻窪北児童館を桃井第二小学校に移転し、それも改築工事中の二年間、仮設校舎に移転するとしている、そこで直面する慄然とするような現実の姿を思い浮かべ、見比べて下さい。子どもたちのことを考えても見てください。このまま区の進めるままに手をこまねいていたら、その慄然たる現実は、想像ではなく本当に現実になってしまうのです。あんさんぶる荻窪・荻窪北児童館がなくなったときには、それからではもう取り返しがつかないのです。しかし、条例にもなっていない、どんなに「覚書」で国と区は合意したと言っても、まだ何も具体的には詰められていない今なら、まだ間にあいます。本当のことを知り、伝えあい、いま進められていることを何とかできるとすれば、流行りの若者の言葉でいえば、まさに「今でしょ!」、今なのです。これは私たち大人の責任です。

 7月9日の「覚書」はこの慄然とするあんさんぶる荻窪廃止、荻窪北児童館廃止を取り決めた合意締結書にほかなりません。「覚書」は、直接具体的に「荻窪北児童館」を名指した記載こそしていないが、2018年(平成30年)3月までに荻窪北児童館はいまのあんさんぶる荻窪から出ていかねばならない、子どもの居場所としての施設である児童館はなくなる、ということを田中良杉並区長と国の関東財務局長、東京国税局長の署名・捺印の合意締結文書として、確認しているのです。



特報・杉並版(地域・児童館版)の次回(2)ではこの「覚書」全文を紹介し、解説します
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