未破裂脳動脈瘤の患者さんによく質問を受ける事項に、
「どのぐらいの間隔でいつまで検査を受けなければならないのか?」というものがあります。
まず経過観察中に動脈瘤の増大や変形をきたすと破裂率が非常に高くなることが報告されており(年率4.3-18.5%)、そのために定期画像検査が行われています。
どのぐらいの間隔で受けるかについては、我が国のガイドラインでは半年から1年毎に画像検査を受けることが推奨されています。 ほとんどの場合MRIが選択されますが、閉所恐怖症や体内の金属留置、タトゥーなどにより受けられない患者さんもいます。そのような場合にはCT造影検査などを行いますが、被ばくを減らすため1年毎に実施することが多いです。
一方、いつまで検査を受けるかについてですが、未破裂脳動脈瘤は自然に小さくなったり、消失することはほとんどなく、また、年齢とともに破裂率は上昇することが知られているため、何歳になっても受けられることが多いです。ただ、実際には病院に通うのが困難になったり、別の病気が見つかったタイミングで検査を終了される方が多いです。
欧州脳卒中ガイドラインにおいては、フォローアップの頻度と期間については、動脈瘤と患者さんのリスク因子によって決定される、と記載されています(1)。
1. European Stroke Organisation (ESO) guidelines on management of unruptured intracranial aneurysms. Eur Stroke J. 2022 Sep; 7(3): V.