みなさん、こんにちは!
前回まで巨大動脈瘤や、深い場所にある動脈瘤に対して、「バイパスをして血管自体を止めてしまう」、という方法を紹介しました。
しかし、実際には単に脳の血管を止めてしまうだけでも問題ないことがあるのです(図)。
その場合、治療はとても簡単です。頭を全く切らずに、血管をコイルで止めるだけで良いのです。
このようなことが可能となる理由を、説明します。
脳に向かう血管は首のレベルでは4本あるのですが、頭の中に入るとくっついたり、分かれたりしています。そのうち、左右の頚動脈だけを抜き出して模式的に示しました。
脳の血管は左右、前後で繋がりがあるので、根元の方なら血管が1本ぐらいなら詰まっても大丈夫なようになっているのです。
ただし、全員が大丈夫ではありませんし、止める血管や場所によっても安全度は違います。
このため、一旦風船で血管を止めてみて、それによって何か症状が出るかどうかを確認するのです(図)。
この閉塞テストの結果、症状が全く出ず、しかも脳の血流が低下しない場合にはバイパスをしなくても安全に血管を止めることが可能です。
実際、このようにバイパスをしないで血管を止める治療も行ってきて、比較的良い結果が得られています。ただし、脳の血流がどの程度低下したらどのようなバイパスをするのかについては科学的な結論が出ていません。このため、各施設の経験によって選ばれているのが実情です。
以上、治療が難しい脳動脈瘤の開頭手術について紹介してきました。
次回からは血管内治療をテーマとして進めていきます。最新情報も紹介していきますので、ご期待ください。
前回まで巨大動脈瘤や、深い場所にある動脈瘤に対して、「バイパスをして血管自体を止めてしまう」、という方法を紹介しました。
しかし、実際には単に脳の血管を止めてしまうだけでも問題ないことがあるのです(図)。
その場合、治療はとても簡単です。頭を全く切らずに、血管をコイルで止めるだけで良いのです。
このようなことが可能となる理由を、説明します。
脳に向かう血管は首のレベルでは4本あるのですが、頭の中に入るとくっついたり、分かれたりしています。そのうち、左右の頚動脈だけを抜き出して模式的に示しました。
脳の血管は左右、前後で繋がりがあるので、根元の方なら血管が1本ぐらいなら詰まっても大丈夫なようになっているのです。
ただし、全員が大丈夫ではありませんし、止める血管や場所によっても安全度は違います。
このため、一旦風船で血管を止めてみて、それによって何か症状が出るかどうかを確認するのです(図)。
この閉塞テストの結果、症状が全く出ず、しかも脳の血流が低下しない場合にはバイパスをしなくても安全に血管を止めることが可能です。
実際、このようにバイパスをしないで血管を止める治療も行ってきて、比較的良い結果が得られています。ただし、脳の血流がどの程度低下したらどのようなバイパスをするのかについては科学的な結論が出ていません。このため、各施設の経験によって選ばれているのが実情です。
以上、治療が難しい脳動脈瘤の開頭手術について紹介してきました。
次回からは血管内治療をテーマとして進めていきます。最新情報も紹介していきますので、ご期待ください。