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くも膜下出血ー術後管理

2008年10月26日 | くも膜下出血
くも膜下出血の治療には3つの山があります。

一つ目は再出血の山
これまで説明したクリッピングやコイリングがこれにあたります。
もっとも命に関わる山です。

2つ目は脳血管攣縮(れんしゅく)の山
出血の4日後ぐらいから脳の血管が細くなり脳梗塞をおこすのです。
一つ目の山を越えた後に来る、この山も重要です。
2週間まで続きますがその後はまた自然に太くなります。
治療の結果次第では麻痺や失語(言語障害)が後遺症として残ります。
ですから出血の後、2週間は集中治療をしてこの山をなんとか超える。
これがくも膜下出血の術後、最も重要なことなのです。

3つ目は水頭症の山。
出血のために脳の中に水がたまってくるので、頭の水を細いチューブでおなかに流す手術を行います。
これは手術をすればなおります。

以上のようにくも膜下出血は発症してから3の山を超えなければいけない大変な病気なのです。
ただし治療がすべてうまく行くと、全く元通りに戻れる可能性がある病気でもあります。
長い間この病気について説明してきましたが今回で終了です。
次回からは別の話題に移りますね。
コメント (1)
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