大好きだった夏は遠い昨日

耳鼻科への道中、通り雨に遭いました。
柏木といつもは帰りに入る喫茶店で雨宿り。
店を出たらすっかり晴れていました。
耳鼻科では運良く患者さんの切れ目で、待たずに診て貰えました。
雨がくれた怪我の功名でした。
午後からは、携帯電話ショップと、来月の上京の切符を買いに檜と駅へ。
今日のノルマは果たしたぞ！
そんな大袈裟な事ですか(笑)？
雨は最初、感じないくらい微かな降りで、やがて叩きつける様な大粒に変わりました。

湯上がりみたいに髪は濡れ、服も重くなったけど、久しぶりの感触が嬉しかったです。
生々しく賑やかな蝉時雨のアーチもくぐりました。
まだ体に纏い付く、雨上がりの分厚い風が緑の匂いを撒き散らすそれから、生きている確かさを掴みました。
ただ、容赦ない強い陽射しや足下からの照り返しに、前はあれほど好きだった夏とはもう仲良くできないと知らされました。
空から落ちて来る煌めく青い粒子が海を跳ね回る、
曳き波の優しい囁きと両肩を滑る潮風のヨットの夏はもう遠い昨日なんですね。