鈴木財務相、為替は「場合によって適切な対応」求められる-円安けん制
藤岡徹
2023年10月14日 5:32 JST ブルームバーグ
円は今月再び下落、米国債利回りの上昇が影響
1ドル150円が防衛ラインか、昨年の介入水準
鈴木俊一財務相(右から2人目) Photographer: Hollie Adams/Bloomberg
鈴木俊一財務相は13日、為替市場では「場合によって適切な対応を求められることもある」との見解を20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で述べたことを明らかにした。投資家をけん制した格好。
財務相はG20会合が開かれたモロッコのマラケシュで記者団に対し、「為替相場の過度な変動は望ましくなく、場合によっては適切な対応を求められることもあることなどを発言した」と語った。
円は対ドル150円に迫っており、市場では日本当局が円買い介入に踏み切るかどうかが注目されている。米国債利回りの上昇から円安圧力が生じており、12日に発表された9月の米消費者物価指数(CPI)が予想を上回ったことが、足元の円安の引き金となった。
Dollar-Yen Climbing Again | Japan's currency is down more than 12% for this year
円スポット相場
出所:ブルームバーグ
市場参加者の多くは1ドル=150円が為替介入の引き金を引く防衛ラインだとみている。昨年10月の円買い介入は、円がこの水準を割り込んで下げた後に行われた。
円は日米金利差を背景に、今年に入り12%を超える値下がりとなっている。米連邦準備制度理事会(FRB)はインフレ抑制のための利上げを基本的に継続してきた一方、日本銀行は緩和政策を続けるとしている。
鈴木財務相は同日の会見で「世界的に金融引き締めが継続される中、為替市場を含め金融市場の変動が高まるリスクに留意すべきだ」と述べた。
財務省幹部は鈴木財務相の会見での発言について、市場への警告を意図したものではないと記者団に説明。財務相発言は昨今の市場変動に鑑み、為替市場に関する姿勢に変わりがないことの確認を意図していると述べた。
同幹部は一方で、円相場に過度な動きが見られれば当局は対応するとも述べた。
原題:Japan Finance Chief Sends Warning After Yen’s Renewed Weakening(抜粋)
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