米国株、ダウ小幅反発 金融株高が支えも地政学リスクの高まりは重荷 ナスダックは続落
米国・欧州株概況
2023年10月14日 5:09 (2023年10月14日 5:25更新)
【NQNニューヨーク=稲場三奈】13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に反発し、前日比39ドル15セント高の3万3670ドル29セント(速報値)で終えた。朝発表の四半期決算が好感された金融株などを中心に買いが入った。一方、中東情勢を巡る地政学リスクが一段と高まっており、株式相場全体の重荷となった。
金融のJPモルガン・チェースが上昇した。朝に発表した2023年7~9月期決算では1株利益などが市場予想を上回り、買いを誘った。ダウ平均の構成銘柄ではないが、同業のシティグループとウェルズ・ファーゴも同日に決算を発表し、市場の想定を上回る内容が評価され、買いが入った。医療保険のユナイテッドヘルス・グループも買われ、指数を支えた。朝発表した7~9月期決算は増収増益となり、売上高と1株利益がいずれも市場予想を上回ったことが好感された。
ダウ平均は下落に転じる場面があった。イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突が激化することへの懸念は根強い。積極的な運用するリスクを回避しようと、相対的に安全資産とされる米国債や金に資金を移す動きもみられた。
原油価格の大幅な上昇で、インフレが再燃するとの懸念も株売りを誘った。ミシガン大が13日発表した消費者態度指数(速報値)は63.0と前月(68.1)から悪化。1年先の予想インフレ率は3.8%と前月(3.2%)から上昇し、5カ月ぶりの高水準となった。「様々な不安が市場を取り巻いている」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との声が聞かれた。
JPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は13日の決算資料内で、インフレ高止まりのリスクや米金融引き締めの影響、ロシアのウクライナ侵攻の長期化や中東情勢の悪化といった地政学リスクに言及。「世界は過去数十年で最も危険な時期にあるかもしれない」との見解を示し、投資家心理が悪化した面もあった。
個別では、医薬品・医療機器のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)やスポーツ用品のナイキ、クレジットカードのビザなどが上昇。石油のシェブロンも高かった。半面、航空機のボーイングや半導体のインテル、化学のダウが下落。ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルといったハイテク株も売られた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続落し、前日比166.985ポイント安の1万3407.234(速報値)で終えた。
米国・欧州株概況
2023年10月14日 5:09 (2023年10月14日 5:25更新)
【NQNニューヨーク=稲場三奈】13日の米株式市場でダウ工業株30種平均は小幅に反発し、前日比39ドル15セント高の3万3670ドル29セント(速報値)で終えた。朝発表の四半期決算が好感された金融株などを中心に買いが入った。一方、中東情勢を巡る地政学リスクが一段と高まっており、株式相場全体の重荷となった。
金融のJPモルガン・チェースが上昇した。朝に発表した2023年7~9月期決算では1株利益などが市場予想を上回り、買いを誘った。ダウ平均の構成銘柄ではないが、同業のシティグループとウェルズ・ファーゴも同日に決算を発表し、市場の想定を上回る内容が評価され、買いが入った。医療保険のユナイテッドヘルス・グループも買われ、指数を支えた。朝発表した7~9月期決算は増収増益となり、売上高と1株利益がいずれも市場予想を上回ったことが好感された。
ダウ平均は下落に転じる場面があった。イスラエルとイスラム組織ハマスの衝突が激化することへの懸念は根強い。積極的な運用するリスクを回避しようと、相対的に安全資産とされる米国債や金に資金を移す動きもみられた。
原油価格の大幅な上昇で、インフレが再燃するとの懸念も株売りを誘った。ミシガン大が13日発表した消費者態度指数(速報値)は63.0と前月(68.1)から悪化。1年先の予想インフレ率は3.8%と前月(3.2%)から上昇し、5カ月ぶりの高水準となった。「様々な不安が市場を取り巻いている」(ミラー・タバックのマシュー・マリー氏)との声が聞かれた。
JPモルガンのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)は13日の決算資料内で、インフレ高止まりのリスクや米金融引き締めの影響、ロシアのウクライナ侵攻の長期化や中東情勢の悪化といった地政学リスクに言及。「世界は過去数十年で最も危険な時期にあるかもしれない」との見解を示し、投資家心理が悪化した面もあった。
個別では、医薬品・医療機器のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)やスポーツ用品のナイキ、クレジットカードのビザなどが上昇。石油のシェブロンも高かった。半面、航空機のボーイングや半導体のインテル、化学のダウが下落。ソフトウエアのマイクロソフトやスマートフォンのアップルといったハイテク株も売られた。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は続落し、前日比166.985ポイント安の1万3407.234(速報値)で終えた。