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マグニフィセント・セブン、株下落の流れ変えられるか-今週から決算 2024年4月22日 13:58 JST

2024-04-22 20:42:40 | 日記
マグニフィセント・セブン、株下落の流れ変えられるか-今週から決算
Jess Menton、Ryan Vlastelica2024年4月22日 13:58 JST
  • ナスダック100が先月ピーク付けた時点から時価総額約9300億ドル減
  • AIの人気銘柄、エヌビディア株ですら19日に10%急落
今週は米大手テクノロジー企業の決算がめじろ押しだ。S&P500種株価指数は19日終了週に約1年ぶりの大幅な下げとなり、人工知能(AI)関連銘柄による反発を期待する投資家にとっては絶妙のタイミングといえよう。
  マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、グーグルの親会社アルファベット、テスラ。いわゆる「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる大手テクノロジー企業の一角が今週決算を発表する。テクノロジー株はこのところ売られており、ナスダック100指数は週間ベースでは2022年12月以来最長となる4週連続の下落。先週の下落率は22年11月以来最大だった。
  AIの人気銘柄、エヌビディアでさえ例外ではなく、19日には終値ベースで10%急落し、時価総額が2120億ドル(約32兆8000億円)減少した。1日としては20年3月の新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)以来最大の下げだった。
  ただ希望は見えている。ブルームバーグ・インテリジェンス(BI)のデータによると、アップル、アマゾン・ドット・コム、エヌビディアも含むマグニフィセント・セブンの1-3月期の増益率は前年同期比38%と、S&P500種全体の2.4%を大きく上回ると予想されている。
  S&P500種の時価総額の40%以上に相当する約178社が今週決算を発表するが、最も期待されているのは大型のテクノロジー企業だ。問題は、エヌビディアを除くと同グループの純利益の伸び予想は23%にとどまると見られることで、AIストーリーで浮上を目指す算段はより厳しくなりそうなことだ。
  ゴールドマン・サックス・グループのトレーディング・デスクが「地球上で最も重要な銘柄」と呼ぶエヌビディアの決算発表はまだ1カ月先だ。


Profit Growth for Seven Biggest Firms Narrows Without Nvidia



Source: Bloomberg Intelligence

  アメリプライズ・ファイナンシャルのチーフ市場ストラテジスト、アンソニー・サグリンビーン氏は、「エヌビディアは実際に予想を上回り続けている企業だが、テクノロジー銘柄全体、特にAIをテーマにしている企業について、投資家は利益について少し目が肥えてきている。企業がAIによる成長を実際に目にし始めているか、少なくともAIによって成長する上で信頼できる計画を持っているかを見極めたいと投資家は思っている」と指摘する。
広がる懐疑心
  懐疑的な見方はこうした世界最大級のテクノロジー銘柄にも広がりつつある。今年の株式市場上昇の大部分を担ってきたものの、高水準の金利が長期化するとの見方が市場で強まる中、ナスダック10O指数が先月ピークを付けた時点から時価総額が9300億ドル以上減少している。

  テスラの決算は23日。メタが24日で、25日にマイクロソフトとアルファベットがそれぞれ発表する。アップルとアマゾンは来週の発表で、エヌビディアは5月22日。メタ株は年初来約36%高と、アルファベットの約10%、マイクロソフトの約6%のそれぞれ上昇と、テスラの約41%の下落に比べ、パフォーマンスが際立っている。

AI Concerns Weigh on Tech Stocks, Says Berry
スレッドニードル・ベンチャーズ創業者、アン・ベリー氏が大手テクノロジー企業の業績について見通しを語るSource: Bloomberg
  モルガン・スタンレーのウェルス・マネジメント・マーケット調査・戦略チーム責任者ダニエル・スケリー氏は、「クラウドコンピューティングの回復が見られ、オンライン広告サイクルが始まっている。年内の大きな政治イベントや夏季五輪を前面に打ち出した広告によって恩恵を受けるだろう。そしてもちろん、最も重要なのはAIの存在だ。テクノロジー業界の勢いが続いていることは否定しがたい」と語る。
逆転か
  マグニフィセント・セブンを除くと、S&P500種構成企業の利益は3.9%減少が見込まれている。しかし、市場はこうした傾向が逆転すると予想。BIのデータによれば、25年1-3月期には、マグニフィセント・セブンの増益率17.5%に対し、S&P500種構成銘柄の残りの企業は18%近い数字となる見通しだ。

Profit Lead for Seven Largest US Stocks Set to Shrink in 2024

The gap in earnings growth for those shares versus the rest is forecast to narrow

Source: Bloomberg Intelligence
Note: 1Q 2024 values and forward are estimates
  ただ、前年比での比較はいわゆるベース効果によってゆがめられる。つまり、大手テクノロジー企業の利益成長は今後鈍化するように見えるが、それは前年との厳しい比較によるところが大きいということだ。過去1年の積極的なコスト削減努力の結果、大手テクノロジー企業は依然として力強い成長を続け、健全な利益率を生み出している。
  今年に入ってからの上昇でバリュエーションは上昇。ブルームバーグがまとめたデータによると、先週の下落を考慮しても、マグニフィセント・セブン全体では予想株価収益率(PER)31倍で取引されている。
  ジャナス・ヘンダーソン・インベスターズのソリューション世界責任者、マット・ペロン氏は「ハードルは極めて高い」とした上で、「問題は、株価を上昇させ続けるためには予想を上回る非常に素晴らしい業績以外にないというところまで来ているのかということだ。予想に反して期待外れとなる可能性もあるが、業績見通しがよほど悪くない限り、業績ストーリーが株式市場を大きく下げることはないだろう」と分析した。
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原題:Magnificent Seven Earnings Arrive With Stocks at Critical Moment(抜粋)
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