米国株、ダウ大幅反落し1063ドル安 2年ぶり下げ幅 インフレ懸念再燃 ナスダックも大幅安
米国・欧州株概況2022年5月6日 5:42 (2022年5月6日 6:26更新)
【NQNニューヨーク=川上純平】5日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落し、前日比1063ドル09セント(3.1%)安の3万2997ドル97セントで終えた。下落幅は2020年6月以来ほぼ2年ぶりの大きさ。米国のインフレ懸念が高まり、米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを続けるとの見方が再燃した。米長期金利が3年半ぶりの水準に上昇し、ハイテク株を中心に売りが膨らんだ。
5日はインフレ懸念を強める材料が相次いだ。米原油先物相場は朝方に1バレル=111ドル台と3月以来の水準に上昇。5日朝発表の22年1~3月期の米労働生産性が前期比年率7.5%低下し、低下率は1947年以来の大きさだった。労働生産性の低下はインフレを加速させる。また、英中央銀行のイングランド銀行は5日、10~12月期の物価上昇率が10%を超えるとの見通しを示した。
FRBのパウエル議長は前日の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で0.75%の大幅な利上げに消極的な姿勢を示した。急激な利上げ観測が後退し、前日のダウ平均は932ドル高と急伸した。だが、米国野村証券の雨宮愛知氏は「議長会見は全体的にはインフレを強く警戒するなどタカ派色が強かった。0.75%利上げへの消極的発言のみに市場が強く反応したのはFRBにとっても誤算だったのではないか」と指摘する。
通常の2倍にあたる0.5%の利上げは当面続くうえ、インフレが落ち着かない限り金融引き締めは続くとの見方が市場で再燃した。米債券市場では長期金利が一時3.10%と18年11月以来の高水準を付けた。
長期金利が上昇すると相対的な割高感が意識されやすい高PER(株価収益率)のハイテク株が売られた。顧客情報管理のセールスフォースが7%下落した。スマートフォンのアップルとソフトウエアのマイクロソフトの下げも目立った。
インフレが消費意欲を冷やすとの見方から消費関連株にも売りが膨らんだ。スポーツ用品のナイキやホームセンターのホーム・デポ、クレジットカードのビザが安い。
ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は4営業日ぶりに急反落した。前日比647.165ポイント(5.0%)安の1万2317.691で終え、4月29日に付けた年初来安値を更新した。下落率は20年6月以来の大きさ。電気自動車のテスラやネット通販のアマゾン・ドット・コム、半導体のエヌビディアなど主力株が軒並み下げた。
NYダウの6カ月チャートです。
※ここからは個人的な意見です。
予想外の大きな下げになりました。アメリカという国の考え方に、長期の
予想は間違いが多くなるというものがあり、それならば短期的に誤差修正
分を含めて変動を容認するという考え方が主流です。
ここまでは個人的な意見です。※