世界の株高に警鐘、中国リスクの「リアリティーチェック」が必要か
Andreea Papuc、Eric Lam 2021年10月29日 15:16 JST ブルームバーグ
- 中国のゼロコロナ戦略、人流抑制や供給難招くとマニュライフ
- 中国の景気減速は「不確定要素」、世界的な影響与えるとアクサ
世界の市場は中国発のリスクを適切に把握していない可能性がある。各株価指数が過去最高値近い水準となっているのがその証拠だ。
主な問題の1つは新型コロナウイルスの感染を完全に封じ込めようとする中国の「ゼロコロナ」戦略で、人流抑制やサプライチェーンの行き詰まり、貿易の混乱を招いているとマニュライフ・アセット・マネジメントのマクロ戦略グローバル責任者フランシス・ドナルド氏は分析した。
同氏は28日のブルームバーグラジオとのインタビューで、「中国のゼロコロナ戦略が世界経済に与える影響に対し市場は敏感に反応できていない」と指摘。中国がそうした政策を続ければ、「購買担当者指数(PMI)は減速し、貿易活動が鈍化し、モノの動きも遅くなるだろう」と予想した。
先進国と新興国の中・大型株で構成するMSCI・ACWI指数は年初来で16%近く上昇しており、現在は過去最高値近くで推移している。多額の債務を抱える不動産セクターなどの業界に対する政府の締め付けが響き、MSCI中国指数が14%下げたのとは対照的だ。
最近の企業決算は中国のコロナ封じ込め策から生じた問題を浮き彫りにした。米スターバックスとマクドナルドの7-9月期決算で、中国の既存店売上高はいずれも減少。コロナ対策の移動制限が響いた。
アクサ・インベストメント・マネジャーズのアジア債券責任者ジム・ベノー氏は、中国の不動産セクターからの逆風とより広範な景気減速が投資家にとって重要なリトマス試験になると指摘。中国の成長鈍化は「ワイルドカード(不確定要素)」であり、「世界的な影響を与えるだろう」と述べた。
中国経済、7~9月に減速-不動産低迷やエネルギー危機が打撃
原題:Global Markets Face Possible Reality Check From China Risks (2)(抜粋)
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