ＥＵ、ＳＷＩＦＴから20行超のロシア銀行排除検討－新たな対ロ制裁で
Alberto Nardelli、Ewa Krukowska
2025年5月24日 16:49 JST
ロシア産原油の価格上限引き下げやノルドストリーム使用禁止も含む
欧州委員会が加盟国と協議中、実施時期などは未定
欧州連合（ＥＵ）は、ウクライナ戦争終結に向け、ロシアへの圧力を強化するために新たな制裁パッケージを検討している。この制裁案には、国際銀行間通信協会（ＳＷＩＦＴ）の国際決済ネットワークから20行余りのロシアの銀行を排除することや、ロシア産原油の価格上限の引き下げ、天然ガスパイプライン「ノルドストリーム」の使用禁止が含まれている。
非公開協議であることを理由に匿名を条件に語った事情に詳しい関係者によると、新たな対ロ制裁を巡り、欧州委員会が加盟国と協議中で、実施時期などはまだ決定されていない。ＥＵの制裁は全加盟国の支持が必要で、正式な提案と採択の前に内容が変更される可能性がある。
制裁パッケージの一環として、ＥＵは20行余りの銀行に対する追加の取引禁止措置と、約25億ユーロ（約4000億円）相当の新たな貿易制限を検討している。ロシアの歳入をさらに削減し、兵器製造に必要な技術の入手を制限することが狙い。
また、主要７カ国（Ｇ７）によるロシア産原油の価格上限を現在の１バレル60ドルから約45ドルに引き下げる案も検討されている。
ただ、この動きには米国の支持が必要になる可能性が高い。カナダのアルバータ州バンフで今週開催されたＧ７財務相・中央銀行総裁会議では、ロシア産原油の価格上限引き下げといった具体策への言及はなかった。
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さらにＥＵは対ロ制裁に違反し原油・石油商品を運ぶタンカー「シャドーフリート（影の船団）」に対する制裁拡大や、ロシアの戦争に向けた取り組みを支援しているとみなされる金融機関やロシアの対外直接投資基金に対する追加制裁も検討しているという。
原題：EU Weighs Cutting 20 Banks From SWIFT in New Russia Sanctions（抜粋）
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