東京メトロ日比谷線の小伝馬町駅から地上にあがると、すぐ近くの複合施設に十思湯がある。
公共施設のテナントということで、無機質ながら設備の質が高い銭湯だった。
【十思湯】をザックリいうと
◎サウナ、水風呂あり
・元処刑場で、元小学校跡地
・公共施設的な作り
・人でごった返していた
▲小伝馬町駅構内
▲改札口
▲地図を見ると、こんな感じ。右上に見える十思スクエアが目的地
▲今回は、出口4に出る
▲ここは歴史的な遺構が目立つ。隣駅が秋葉原であることを考えると、そのギャップが面白い
▲小伝馬町駅の入り口
▲十思湯は、ちょうど真後ろにあるので、右からでも左からでも行けるのだが、今回は左回りに進む(特に理由はない)
▲左にグルッと回り
▲ここも左に曲がる
▲処刑場だったことを示す石碑
▲右に見える建物が十思湯の入る十思スクエア
▲右手前に公園
▲子ども達が遊んでいた
▲十思スクエア
▲かつては十思小学校だったことを示す案内板
▲校是が紹介されていた
▲入り口
▲中に自動扉
▲入ると左にミニチュア模型
▲小学校の前は処刑場だったことを紹介している。ここも色んな物語を積み重ねてきた場所なのだ
▲牢獄されていた有名人たち。
吉田松陰が筆頭格だが、高野長英はここで処刑されたのではなく、脱獄して逮捕された時に撲殺されている(ということを吉村昭の本で知った)。
当時は似顔絵だけで逃亡先を特定できたというのだから驚きだ。しかも、昔の絵は写実的でもなかったのに…
▲鼠小僧まで収監されてた。そもそも八百屋のお七は実在した人物だったのだろうか?
▲階段かエレベーターであがる
▲右が小ホールで
▲左が十思湯
▲開店前の写真
▲こちらが開店時
金属製の下足箱に靴を預けると、目の前にフロントがある。フロントもいかにも公共施設らしいシンプルな作り。
座るのは、70代ぐらいの男性。
「こんにちは」と挨拶すると、「アン?」と怪訝そうに反応される。
一見さんには少しハードルの高い店主かもしれない。
「貸しタオルありますか?」と尋ねると、横にあるビニール袋からフェイスタオルとバスタオルの組み合わせを出して「(タオルのレンタル料金100円を合わせて)560円ね…違った570円だ」と言われる。
10月1日から料金が改訂され、東京の銭湯は460円から470円に値上げされたのだった。
貸しタオルをかりる際は「下駄箱の鍵を出してください」と言われ、鍵の番号をメモすると「これ(メモ用紙)と一緒に持ってきてね」と言われる。
フロントの奥に進むと、休憩所があるが、ものすごくガランとしている。良く言えば空間を贅沢に使っているが、寂しいほど何も無い。
縦長の空間に椅子が少しあって、手前に自販機とマッサージチェア。正面に洗面台があるぐらい。
出典:東京銭湯ホームページ引用
男湯は右側で、のれんくぐると横長の作り。右手前にロッカーが並び、奥に洗面台がある。トイレと体重計が左側。それぐらいか。
ロッカーは二段式で縦長なので、ハンガーが入っており、夏は乾かせるので助かる。なおロッカーはコインリターン式だから、100円を用意しておく必要がある。
クーラー(空調)は天井に設置。むかしの銭湯にありがちなタワータイプではないので、そのあたりも新しいビルならではのデザインだ。
左奥にある浴室の扉を開けると、これまたシンプルな作り。
縦長になっていて、手前左に立ちシャワーが2つ。
真ん中右と右側壁に通常のカランが並ぶ。真ん中の左側は手すりがあるのみ。
カランは全て仕切り壁があるので、スーパー銭湯と同じだ。
シャワーは、手前右2つだけがハンドシャワーで、あとは固定シャワー。手動だから、自分のタイミングで止められるのは嬉しい(ただし、節水を奨励してある)。
ハンドシャワーのカランには手すりも付いていたので、こちらは高齢者向けだろう。
右壁が7つで、真ん中が5つ。合計で12。
入った直後は、それほどでもなかったのだが、途中でかなりの入浴客がやってくると、きれいに埋まった。キャパシティとしては少し不足気味かもしれない。
浴槽は奥にあって、左が広く、右が狭い。どちらも白湯。狭いほうが熱湯かな?と思いつつ入ると、やはり結構な熱さ。45℃だった。
左の広い方は、42℃で左端にジェットバスがついている。
奥の浴槽とは別に左奥にサウナ。そのサウナの隣に水風呂がある。
水風呂は25℃で、個人的には超最適温度。つい長く入ってしまった。
壁絵は間仕切りにあって、橋が描かれた浮世絵。
こうして全体を見渡すと、思い出すのが、横浜の翁湯や港区のふれあいの湯である。雰囲気がかなり似ていて、いかにも最大公約数的な作り。このように没個性なのは公共施設に入る銭湯の宿命か。
出典:東京銭湯ホームページ引用
▲こちらは女湯
出典:東京銭湯ホームページ引用
▲こっちが男湯
客層はやはり高齢者が多いが、意外にも若い人や親子もおり、思ったより偏っていない。
それと十思湯を出て、階下の自販機前で小休憩をしていたところ、突如として十数人ほどの老若男女がワーとやってきた。身なりを見るとウォーキングの集まりだったみたいなのだが、どうやらその帰りに汗を流すため十思湯を訪れたようだった。
このようにイレギュラーな団体のお客さんもいるため、タイミングによってはかなり窮屈を強いられる銭湯かもしれない。
【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 小伝馬町
経路 駅の裏側
周辺の環境 寺や飲食店
●空間演出
建物外観 処刑場と小学校跡地
壁画・眺望 浮世絵
統一感 あり
置物 なし
照明 すこし薄暗い
★設備
休憩所 フロント奥
脱衣所 狭いがきれい
シャワーの出 素晴らしい。特に立ちシャワー(LIXIL製)は最高だった
浴槽の種類 あつ湯、ジェットバス、水風呂
サウナ あり
温度 42℃、45℃
棚 あり
男女入れ替え なし
■サービス
接客 一見さんには無愛想(息子さんなのか比較的若い男性は対応が良かった)
清潔さ きれい
貸しタオル あり(100円)
備え付け あり
◆人
受付 70代男性
客層 高齢者メインで若い人たちも
【案内】
住所
〒103-0001
中央区日本橋小伝馬町5−19
電話番号
03-6264-9920
アクセス
東京メトロ日比谷線「小伝馬町」駅下車、徒歩1分
休日
日曜
営業時間
15:00−23:00
※東京銭湯ホームページ転載
お湯も江戸っ子気質な激熱設定だったら面白そうだったんですけどね(笑)
たしかに造りは万人受けを狙った、今どきの銭湯に見えますが、これで正解だと思います。銭湯好きには個性が無くて面白味がなく感じるかもしれませんが、普通の客はそんなの求めてないですもんね。まぁ、個性的で使い勝手が良い銭湯も沢山あるので、どうしても比べちゃいますけど。
たしかに日常で使うのに個性的であることは求められてないですよね。
自分のような余所から来る人間は、つい他にない個性を求めてしまうのですが…。
浮き世はやっぱり東京の銭湯と親和性が高いですね。その題材となったのが江戸に多くみられますからね!
それと思うのは、良い悪いは別して最近はリニューアルする銭湯にほとんど油(ペンキ)絵が見られないなぁと感じます。
それだけ現代の銭湯に多様性が見られるということと、ペンキ絵は浮世絵と一緒で一つの時代の産物として衰退していく運命なのかな?と感じました。
浮世絵も今は江戸時代の芸術としてみられますが、あくまでも遺産であって新しくはほとんど生み出されないですからね。
しばらくそのエリアに人がいないと止まるので、そういった場合はジェットの付近に体を寄せると、センサーが反応してゴボゴボが再開します。
ありがとうございます!
ここは新しい銭湯ということで、ずっと行きたかった所です。
この近くに用事があってやっと行くことができました。
とてもよかったです。お店の人の対応もこの記事を読んで予習(?)していたので全然平気でした笑。
帰りにいた人はとても愛想がよかったです。
新しいのでとにかく気持ちがよかったです。
洗い場の仕切りの壁、スーパー銭湯的ですね。これはノンストレスでとてもいいです。
お風呂は、半身浴派の自分的には、段差がぐるり一周しているのはいいなと思いました。お湯も普通なんだけど、とても温まりました。
天井のセンサーでジェットが動くのは気がつきませんでした。次回行ったら確認してみよう。
女湯には水風呂がなかったのは残念でした…。男湯にはあるのですね。まさか見落としてないよな笑。
この感じ、私もふれあいの湯を思い出しました。あちらは狭くてびっくりしましたけど。
ここはとても気に入ったのでまた行こうと思います。
おはようございます。
十思湯は自分も設備がいいところと思いました。やっぱり新しいところは気持ちいいですよね。
年配男性は基本的に無愛想だから、銭湯あるあるという感じです笑
自分も半身浴をよくやるので、段差がある湯船のポイントは高いです。
女湯は水風呂がなかったんですね。銭湯ってなんで男女で設備が違うんだろといつも不思議に思ってます。女湯で露天風呂がないのは仕方ないとしても(覗き見被害の可能性があるので)、水風呂はせめて付けるべきでしょうね。