銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

小杉湯原宿(東京・原宿)

2024-05-25 08:02:00 | スーパー銭湯
#小杉湯原宿




JR山手線
#原宿駅
▲原宿駅


▲改札口


▲改札口を抜けてそのまま直進

▲出たところ

▲右に進み

▲左の横断歩道をわたる

▲あとは真っ直ぐ行くだけ

▲奥に表参道がみえる

▲坂道をひたすら下り




 
▲ここでストップ

▲右を向くと目的地のハラカド(東急プラザ原宿)がみえる

▲この時は開店前に来た


▲2022年5月中旬。ちょうど二年前の建設途中の写真






▲完成予想図はこんな感じだった。2023年にはオープン予定だったようだが、少し遅れてしまった

▲2023年9月初旬。ほぼ完成した頃だ




▲屋上テラスからの眺め


▲開放感がすばらしい


▲開店の11時。新規オープンした頃と比べるとだいぶ落ち着いてきたけど、まだ人が沢山きている

▲11時過ぎにようやく動きはじめ


▲中に入ったところ。目の前のエスカレーターは上にのぼるので、裏側にまわる



ここでエスカレーターに乗ろうとしたら警備員さんが立っており、「下の銭湯はやってないのですか?」と聞くと「銭湯はやってるのですが、エスカレーターの通過の準備をしているので数分だけお待ちください」と言われる。
エレベーターもあるので、そちらを利用してくださいと言われたが…。

▲エレベーターはすごい行列


エレベーターを乗るかエスカレーターをしばらく待つか(エレベーターを乗るにしても結局待つのだが)逡巡していると、先ほどの警備員さんが気にしてくれてたようで、通れるようになったと声を掛けてくれた。

▲ありがとうございます

▲もう一つ降りて

▲ようやく小杉湯がみえてきた


▲入り口の横にはビールを提供するカウンターもある。こちらはサッポロビールらしい


▲反対の奥側から撮影。すだれが入り口を覆い、和風の装いだ

▲到着


出典:東急プラザホームページ引用


小杉湯原宿は、東京プラザ原宿「ハラカド」が2024年4月17日にオープンした時から営業しているのだが、この時点では原宿在住か原宿で働いている人などを限定としていた。
本家である小杉湯(高円寺)の人気ぶりを考えるとどれぐらいの人が押し寄せるのか未知数のため制限したと思うが、2024年5月13日から11:00~18:00までは原宿に関係のない人でも利用できるようになっていた。
解禁してから初めての日曜日ということで、さぞかし混雑してるだろうなと思いきや、ほぼ客は見あたらず。受付の人も手持ち無沙汰という感じで、なんだか拍子抜けだった。
フロントで対応してくれたのは、20代前半ぐらいの女性。
「貸しタオルありますか?」とたずねると、「レンタルでフェイスタオルは100円でバスタオルは200円です」と案内される。ちょっと高いなと思いつつフェイスタオルをお願いして、入浴料と合わせて620円(この時の入浴料は、520円)。
受付は後ろ側にもあり、「タオルは後ろで受け取ってください」と言われる。下駄箱はフロントの左側にあって、上がりかまちから靴を脱ぐと、レンタルした人は靴箱の木札を後ろ側にいた女性に渡す。この女性も20代半ばぐらいで、可愛らしい顔立ちをしていた。
終始にこやかに対応してくれて、花王の新商品であるメルトという商品のサンプル(とろシュワ生炭酸シャンプー)を渡してくれた。「水に浸けて使うとさらさらになるんですよ!」と最初はなにを言ってるのか分からなかったが、笑顔で楽しそうに話してくれたので銭湯に入る前から癒された。
ちなみに帰りのときは別の女性だったけれども(たぶん)、これまた美人。これだけ小町揃いなのは、原宿が持つ磁力なのだろうか。
男湯は左側で、女湯は右側だった。


のれんをくぐると、脱衣場に入ればやはり想像通りというか、かなり狭いなというのが第一印象だった。
真四角ではなく、奥が三角形になっているので先細りしている。手前の右側にロッカーが並び、奥の左右はドレッサーが据えられていた。
ドレッサー周りには複数の化粧水のようなものがいくつかあるが、このテの商品は日頃から無縁なので覚えられなかった。ほかにはティッシュや綿棒がある。綿棒は個装で、個装じゃないと誰が手を付けたか分からないので、こうした気配りはさすがだ。
天井を仰ぎ見ると、スケルトンでダクトやコードなどがむき出しで丸見えだった。これはビル全体がそうなっており、いかにも今時らしいデザイン。
真ん中の長いすは畳のゴザが敷かれ、ロッカーも木で作られていたりと、テーマの統一感はしっかりしている。


浴室の扉をあけると、やはり浴室も狭い。地下にあるので仕方ないが、目の前にある洗い場のカランは島カランがひとつと右壁にもカランがあるものの、合計で9しかない。超一等地で営業するには、このキャパシティは無謀すぎる。


シャワーの出はかなり勢いがあって、すこぶる快適だった。固定シャワーである点も好感度が高い。さらに驚いたのは、備え付けの豪華さだ。
ここは花王とタイアップをしているところなので、花王が新発売したメルトという商品のシャンプーとコンディショナーが置いてある。


出典:花王ホームページ引用


日頃は、ワンプッシュだと物足りないので二回ほどプッシュして洗っているが、こちらはワンプッシュで十分。泡立ちが濃密で、香りは主張しすぎずややクラシカルな匂いもその上品さを際だたせていた。仕上がりはシットリとした感じ。今までいろんな銭湯で備え付けを使ってきたが、こんなに豪華な備え付けは初めてだった。
さっそく自宅でも使ってみよと思い、帰りに販売店に立ち寄ってみたら、1760円と値段の高さに愕然。サンプルで貰ったものは、240円ぐらいで売っていた。ずいぶんと大判振る舞いである。
ボディシャンプーや洗顔がビオレで、シェービングジェルや弱酸性の子ども用シャンプーまである。なぜか化粧おとしの洗顔まで置いてあった。
椅子や桶は木できていて、狭いけれどもそれぞれのアイテムへのこだわりは半端ない。

▲新商品のメルト。ハンズで売ってた


▲左はじっこにあるのがサンプルとしてもらえた。手のひらに水をためて、そこに生炭酸シャンプーをかけて、しゅわしゅわと溶けるので、さらにメルトのシャンプーを混ぜるものらしい。この面倒な手続きだと売れるのか少し疑問に感じた


面白いと思ったのが、浴室の左隅にある立ちシャワーだ。ミストによって育肌できるシャワーと宣伝してある。
三段階に変更できて、普通のシャワーもすごく気持ちいいが、ミストはかなりの新感覚。圧力がほとんどなくて肌にとても優しい。これも自宅にほしいと思ってしまった。


浴槽は、左壁と奥にある。
メインになるのは左側で、手前(向かって左)にあるのが小杉湯名物のミルク風呂だ。独特の匂いがした。
温度は41~42℃程度なのか、最初はちょっと熱いと感じるけどすぐに慣れたらずっと入れる気分。
奥(向かって右)の湯船は白湯で、あつ湯だった。足を入れたら、半端なく熱くて驚いた。最近の銭湯だとあつ湯を名乗ってもせいぜい44℃程度なのだが、こちらはそれ以上あったと思う。
そして奥にある浴槽が水風呂。
水温は15℃ぐらいとかなり冷たい。
これで温冷交互浴するのが小杉湯のならわしであり、醍醐味だ。
こんな感じで浴槽は合計で3つあり、一つひとつが4人ぐらい入ればほぼいっぱいになる。
このへんをふまえると、10人前後までが快適なパーソナルスペースを確保できる限界か実際は、脱衣場まで見渡すと倍以上の人がいたかもしれない。



出典:東急プラザホームページ引用


壁絵は富士山の絵で、このあたりはみんながイメージする銭湯をしっかりと踏襲している。描いたのは中島盛夫さん。御年79歳。そろそろ現役引退も視野に入ってくる年齢である。
浴槽の横には、小杉湯原宿新聞なるものが張ってあって、自分が来たときは二号まで掲示してあった。手書きで一見すると拙い感じであるが、文章はちゃんと推敲された面白い内容だった。


客層は幅広く、日本人だけでなく外国人もいた。ほとんど会話がなくて静か。
自分が入ったときは数人しかいなくて、快適でいいなと思ったが、15分ぐらい過ぎたあたりからやはり徐々に人が増え始め、キャパシティの限界突破まで近づいていた。入るなら早い時間帯に来ることをお勧めする。


原宿のど真ん中にできたビルに銭湯が入ったということで多くのメディアに取り上げられていたが、銭湯が今後も生き抜くうえでおもしろい試みだと思う。
ここが成功すれば、ほかの商業施設やテナントビルでも銭湯の入る流れが生まれるかもしれない。
花王とのタイアップも最高だった。
高級シャンプーなどが使えるのはこうした場所ならではであり、個人的にはいっそうのこと花王が新商品を宣伝できる銭湯を作ってほしいとさえ思った。
ただ、ここで問題なのはやはり人が集まる原宿にも関わらず浴室が極端に狭いことだろう。東京の中でも指折りの狭さ。実験的な試みであることから仕方ないと思うのが…。
それに関して休憩所や受付の広さと浴室の広さのバランスが偏っていたのが気になった。休憩所を狭くすれば浴室は確保できたはずだ。


▲アンダーアーマとコラボしたランニングロッカーとストレッチができるペース


▲畳敷きで寝っ転がることができる


ここは銭湯として許可された公衆浴場ではないので、法的にはスーパー銭湯のような扱い。自治体から補助金が出ていないから銭湯よりも高い値段設定をしていいはず(すべき)だが、経営者は銭湯としてこだわり、同じ値段設定で続けている。これはなかなか勇気ある判断ではないかと思う。
しばらくは色々とあるだろうけれども、今後どういう形に変わるにせよ、銭湯の可能性が広がってくれることを切に願う。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 原宿
経路 表参道方面へ歩く
周辺の環境 テナントビル

●空間演出
建物外観 奇抜なビル
壁画・眺望 富士山のペンキ絵
統一感 あり
置物 なし
照明 明るい

★設備
休憩所 畳の寝転がれるスペース
脱衣所 狭いが綺麗
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 ミルク風呂、熱湯、水風呂
サウナ なし
温度 41~46℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 丁寧
清潔さ きれい
貸しタオル あり(100円)
備え付け あり

◆人
受付 若い女性たち
客層 多様な年齢層


【案内】

料金
大人520円 [12才以上]
中人200円[6才以上12才未満(小学生)]
小人100円[6才未満(未就学児)]

営業時間・営業期間
7:00~23:00

休業日
木曜日

住所

東京都渋谷区神宮前六丁目31番21号 東急プラザ原宿「ハラカド」地下1階

交通アクセス
JR 山手線「原宿」駅 徒歩4分
東京メトロ千代田線・ 副都心線「明治神宮前」駅 徒歩1分
東京メトロ千代田線・半蔵門線・銀座線「表参道」駅 徒歩8分

※ニフティ温泉ホームページ転載


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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ナベオ)
2024-05-25 15:02:02
「公衆浴場ではない」そうなんですか!知らなかった
「自宅にほしいと思ってしまった」思うつぼw

まぁ、狭いとは聞いてましたが、熱湯とは攻めましたね

※噂ですが、川崎の丸子温泉?がココと同じように
再開発で商業施設に入ると聞いた覚えが…
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Unknown (southandnorthface)
2024-05-25 18:32:07
ナベオさんへ

浴室は、激狭でした。ビルの地下でやるにしてもこれはちょっとないんじゃないかと思いました。銀座の金春湯とほぼ同じでした。昔の銭湯は回転率をあげるために熱湯にしたこともあるらしく、それを狙った部分もあるかもしれません。

シャンプーは思うつぼですね。実際に使ってみると、かなり好感触だったので欲しくなっちゃいました。

丸子温泉って、高齢者向けの銭湯というイメージだったので、それが本当なら驚きです。でも実際にそうなったら面白いですね。駅前のビルで銭湯が出来るとすごい便利だし、こうした流れが出来るといいなと思います。
ただ、銭湯として認められる条件は色々あるらしく、商業施設となると軒並みスーパー銭湯扱いになるかもしれません。そうしたら1000円近くの入浴料がほとんどかなと思います。
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Unknown (ナベオ)
2024-05-25 22:59:54
「銭湯として認められる条件は色々あるらしく」
よくご存じで!東京は補助などが手厚い為
余計なことをするなら、ご自由にと言うスタイルです。
大企業は加入出来ないとの噂もありましたが?
でも、雑色のcocoフロ以外は協会加入です?
要は余計な事をすんな!と言うことらしです。
朝湯&サウナ無料が逆鱗に?ただ雑色のcocoフロは近隣の銭湯を潰しにいってるのでわ?とも

昔のお話の銭湯を女将さんや親方・次世代の方とお話しします。楽しいですよ!

southandnorthface
にも、そんな方々がいる事を願いますW

次は川崎温泉通りのはなしでもW
または政の湯道りの話でも?
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Unknown (southandnorthface)
2024-05-26 08:07:42
ナベオさんへ

税金が投入されるものなので、様々な縛りがあるのは仕方ないですよね。
しかし、かつてのような家風呂のない時代であれば市民の衛生環境を守る公共的施設と認められましたが、昨今の銭湯はサウナや豪華設備など充実していて、もはやミニスーパー銭湯化した中で、そうした施設にも税金を投入するのは疑問を感じます。
ココフロは、自分の知る限りだと後継者がいない銭湯を引き継いでいるので個人的には銭湯文化を残してくれてるところという認識です。

自分は、基本的に経営者とは仲良くならない方針ですね。やはり仲良くなると都合の悪いことは書けなくなりますので。
あくまでも読者ファーストで、ありのまま書きたいと思ってます。
なので、ナベオさんのような方からいろんな話を教えてもらえるのは大変ありがたいです。いつもありがとうございます。
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Unknown (rose-tky)
2024-06-15 10:02:05
🐼ユーさーん❤️

ユーさんの記事読んで 行ってきましたわあ!記事書く時 引用してもよろしいでしょうか? いつもタメになる記事を書いて頂きありがとうございます♪
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Unknown (southandnorthface)
2024-06-15 13:34:23
モンモンさんへ

こちらに行かれたんでね。是非とも引用してください!
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Unknown (sun-sun)
2024-06-23 22:40:11
こんばんは。

行ってきました!
よかったです。私は気に入りました。
混んでいるのを覚悟していて、休憩室には人がいっぱいだったけど、浴室はすいていてよかったです。
設備はこのくらいで十分だな〜。
薬湯(ミルク風呂)、あつ湯、水風呂があれば満足です。
サウナがないのがよい!
サウナがあったら大変なことになっていたと思います。
ミルク風呂は本家の小杉湯以来久しぶりで気持ちよかったです。

ここの近くに第二桜湯という銭湯が2002年まであったんですよ。
明治通りとキャットストリートの中間くらいの場所にあったんです。
レトロでした。
原宿に銭湯が戻ってきて嬉しいです。
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Unknown (southandnorthface)
2024-06-24 07:23:30
sun-sunさんへ

おはようございます。

さっそく行って来られたんですね!
時間帯にもよるでしょうけど、浴室が空いてるのは意外でした。
設備はたしかに少ないですが、逆に言うと一軍しか揃ってない質の高さを濃縮した空間だったので、こういうコンパクトな銭湯もありかなとも思いました。
サウナがなかったのは自分も良かったも思います。元々、スペースの制約から作れなかったでしょうが、作っていたらカオスになってたでしょうし、値段も別途料金だけでなく銭湯価格も維持できなかったのではないかと思います。

原宿にも、2000年代まで銭湯があったのは驚きでした。しかも明治通りとキャットストリートの間! 行ってみたかったなぁ。原宿のような若い人が集まる場所に銭湯があると銭湯の存在感を示すうえでも有意義なので、これからもこのような場所にどんどん銭湯が増えてほしいと願っています。
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