


JRもしくは東急の菊名駅を下車して、綱島方面へと歩くこと7~8分ほどで、福美湯に到着する。
少し古びた銭湯ながら色あせたところを感じさせない若者の多い銭湯だった。
【福美湯】をザックリいうと
◎サウナ、水風呂、露天風呂、炭酸泉あり
・趣味全開の銭湯
・壁画が迫力ある
・浴室は狭いながら全部揃っている
・若者が目立つ
※写真
上:福美湯入口
中:菊名駅
下:水槽テーブル

▲菊名駅の東口

▲綱島方面は左側だ

▲駅入口を振り返ったところ
菊名駅は東急東横線とJR横浜線が交錯するハブ駅になっており、横浜線沿いの住民は東京にでる時によく乗り換える駅である。

▲綱島方面へ歩こう

▲まっすぐ進めば到着する












▲中華料理屋さんがみえてきたところを左折する



▲到着
自動扉をあけると、左右に下足箱。
さらにその奥に進めば、まず目につくのが個性を放ったロビーだろう。

▲ベンチに座った視点だが、一番奥にドライフラワーに囲まれたマッサージチェア

▲真ん中は、水槽のテーブル(自分の汚い足が写ってしまってすみません)

▲とこんな感じである。
入り口の左にフロントがあって、座るのは60代ぐらいの女性。
対応はいたって普通であるが、「シャンプーとか(備え付けは)中にないのでないなら買ってください」と言われた。
じつはここの男性店主にも以前言われたのだが、奥さんなら大丈夫かな?と思ってたが考えが甘かった。
男性店主は笑って見逃してもらったが、奥さんにはキッパリ言われたので(こういうのは女性の方がキビシいかもしれない)石鹸を買わせて頂くことに。30円。
男湯は左ののれんをくぐると、ロビー同様にここでも趣味のオンパレードである。
山岳写真などが随所に飾られており、福美会とあったので、グループメンバーが撮影した写真なのかもしれない。
東京にある小杉湯などもそうしたギャラリースペースを形成しているが、ここはそうしたハシりと言うべき銭湯か。
ぐるっと回ると、途中左には外気浴スペース。なかなかオシャレである。

出典:神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ引用
もっと中に入ると、ロッカーが並ぶ。ロッカーは左右にあって、手前に常連客用のロッカー。
右側奥に、洗濯機が3つ並び、空気清浄機もある。きめ細かい配慮だ(ただ窓が開けっ放しだったので空気清浄機の意味があったのか疑問だけど)。
頭上には、大きな送風機。
それとここはだいぶ人気らしく、日曜日の夕方に訪れたということもあるが、入浴客でごったがえしていた。
浴室の扉を開けると、いやが上にも視界に入ってくるのが、1cm×1cmのミニタイルで作られた巨大なモザイク画である。
湖畔に西洋城が浮かび、背景には鋭く尖った山稜が肩を寄せ合っている。
銭湯ではよくみられるモチーフではあるが、足下から天井までモザイク画が覆ってるから迫力が違う。
それと近くに寄ってみると、そのタイルの細かさに驚かされる。完成するまでにかなりの根気と忍耐を必要としたことだろう。
ちなみに壁画の画像を探してみたがホームページにも一部しか掲載されておらず、見たければ実物を見に来るしかない。
浴室の入り口に戻るとカランは真ん中と左壁際にあって、島カランはそんなに長くはない。壁のカランは奥に掛けてL字型に並んでいる。
浴室全体は奥行きがあっても横幅は狭いので、かなり窮屈な感覚だ。
立ちシャワーはなく、手前左に水風呂。こちらは側面が透明のアクリル板になっており、脱衣場から丸見えである。
浴槽はすこし深めでかなり冷たい。温度は14℃ぐらいか。ガッツリ入りたい人向けの温度だろう。
その水風呂の左側に小さなサウナがある。
浴槽は、右側を全部を占めている。
手前から、薬湯の深浴槽で、隣が座湯、その隣が寝湯。そして電気風呂。
ここまでが直線で、その一番奥が半円を描いた浴槽。中身は炭酸泉だ。

出典:神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ引用
▲浴槽と島カランの間がかなり狭い
近年リニューアルした銭湯だと、もはや必ずといっていいほどある炭酸泉であるが、ここはなんと昔からある。
銭湯では、全国で2番目の早さだとか。
なので、現在の炭酸泉と比べると作りがユニークで、まさに炭酸泉の初期を知ることができる歴史的な設備でもある。
炭酸泉の濃度はというと、正直ほかと比べて低いかなという感じだ。
ただ、泡が細かいのにちゃんと炭酸泉
に入ってる感じがある。意外とこっちの方が体に吸収しやすく合理的なのかもしれない。
そして狭くても全部揃えてるのがここのスゴいところ。ちゃんと露天風呂もある。
サウナと左壁にあるカランの間に出入り口があり、中に入ると和風の装い。露天スペースにもカランが設置してあった。
中は勢いのあるバイブラで、温度も42℃ほどと適温。カラン部分には屋根があるが浴槽にはなし。そのため開放感は抜群だ。
客層はかなり若い人が多く、このあたりは大学などが近くにないため(少し離れたところに神奈川大学や慶応大学があるけど)、単に地理的な理由ではなく、実力をもってそうした若い人たちを引きつけているのだろう。
いまの銭湯業界全体をみると、独自色の追求やエビデンスのある機能的な設備(炭酸泉など)、芸術志向などが目に付くが、そうした流れにあって先駆けといえるのがこの福美湯なのかもしれない。
必ずしも洗練されてるとはいえない部分もあるが、その先見性には驚かされる。
【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 菊名
経路 東口を降りて綱島方面へ
周辺の環境 飲食店
●空間演出
建物外観 現代的な建物
壁画・眺望 西洋城と湖畔
統一感 なし
置物 色々
照明 ふつう
★設備
休憩所 ロビー
脱衣所 飾り物が多い
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 薬湯、ジェットバス、寝湯、炭酸泉、露天風呂
サウナ あり
温度 38℃~42℃
棚 あり
男女入れ替え なし
■サービス
接客 ふつう
清潔さ きれい
貸しタオル あり(一つのみ0円)
備え付け なし
◆人
受付 60代ぐらいの女性
客層 年齢のバランスが取れている
【案内】
住所
〒222-0011
横浜市港北区菊名6-13-43
電話
045-401-0678
営業時間
平日日曜祭日共 午後3時より
定休日
毎週月曜日(祭日の場合は15:00~営業)
※神奈川県公衆浴場業生活衛生同業組合ホームページ転載
最初来たときはなにも言われなかったのに、急に方針が変わったのか自分が言いやすい人間なのか(前、渋谷のスタバのお店で自撮りをしてた女の子はなにも言われなかったのにお店の外を撮影した自分はなぜか怒られました)。
福美湯ってけっこう有名なんですね。灯台もと暗しというのか、近くにあるのに全然知りませんでした。
壁画はみた瞬間に「おぉ」という感じです。いまだと町田にある大蔵湯も同じぐらい迫力がありますが、当時は随一だったと思います。
やっぱりどこか尖ったところがあると印象に残るし、こうやって知られる銭湯になるんでしょうね。