銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

松の湯(東京・落合)(リニューアル)

2024-01-13 09:09:00 | 銭湯
#松の湯

2023年12月23日
リニューアル




東京メトロ東西線
#落合駅
▲東西線の落合駅

▲高田馬場と中野に挟まれた駅だ。下には新宿。ちょっと足をのばせば高円寺。イベントが盛んで野心と夢を追いかける若者たちが集まる地域である

▲階段をのぼり

▲改札口

▲地図をみると出口2aをめざす


▲地上にでたところ

▲外に出たら右に曲がる

▲茶色のマンションをグルッと回る

▲そのまま右にすすみ

▲茶色マンションの裏手に来たところ

▲そのまま進むと

▲ひだりに松の湯がみえてくる

▲デジタルサイネージまで備えてある


▲到着


中に入るとリニューアルする前とちがってずいぶんとスッキリしたというか洗練された空間に様変わりしていた。かつての面影は一切みられない。


▲リニューアル前の松の湯。街にとけ込んだ情報量の多すぎる風景はいずこへ…


玄関に立つと、左壁沿いに下足箱が並び、右側に受付がある。
受付の前に立つと「いらっしゃいませ」と声を掛けてくれたのは70代ぐらいの女性。けっして愛想のいい対応ではないけど自然体で親しみがもてる対応だった。こうしてリニューアルをすると人も変わってしまうことが多いのだが、ここはそのままのようだ。
帰りの時は年配の常連さんたちと井戸端会議に大盛り上がりだった。
貸しタオルがあるか訊ねると、貸しタオルは50円だったので、入浴料とあわせて合計で570円だった。
「シャンプーとかあります?」と聞かれたので「あ、結構です」と答えようと思ったら「暗くて分からないから、左がシャンプーで右がボディーシャンプーなんで」という説明を受けた。
見えないぐらい暗いというのはどういうこと??と思いつつ、脱衣場ののれんをくぐる。男湯は右側で女湯は左側。


脱衣場はシックな装いで無駄な装飾を完全に排除していた。いかにも今風のデザイナーズ銭湯を教科書通りに踏襲した空間。設計したのは、やはりデザイナーズ銭湯の旗振り役である今井健太郎設計事務所だった。こちらはほぼリニューアルする銭湯を手がけているところで、時代の感性を汲み取る名手である。
ロッカーは手前と左側にあって一つひとつが大きい。こういうリニューアルした銭湯は計算されたところなので快適に過ごすことができる。


出典:東京銭湯ホームページ引用


浴室の扉をあけると、受付の女性に言われたとおり、やや薄暗かった。ただ、見えないほどではなく想像してたよりは明るいかなと思った。
間接照明だけに照らされているとはいえ、重要な箇所はさすがにちゃんと見えている。
しかしカランに座ると、受付の女性に言われたことがすぐにガッテン承知の助だった。シャンプーやボディーシャンプーは壁に取り付けられた黒い容器に入れられてあるのだが、その視認性がきわめて悪かった。文字が同色系の灰色で書かれてるものだから、すぐに見分けがつかない。
言うなればええカッコしいを優先したデザインだった。統一性を細かく求める気持ちは分かるが、弱者に配慮したユニバーサルデザインとは真逆で、これはどうなの?と思ってしまった。受付の女性も初見さんに逐一説明しなければならないのは大変である。


カランは島カランと右壁に並ぶ。
スーパー銭湯同様に時間の経過で止まるもので温度調節もできるが、シャワーのヘッドが大きいので使い勝手は良好。このあたりは特に進化を感じる。
立ちシャワーは手前の左側にひとつ。これもヘッドが広いタイプだった。


出典:東京銭湯ホームページ引用


浴槽は左側に並び、手前が水風呂になっている。広くて詰めれば6人ぐらいは入れるだろう。外気温のせいかかなり冷たく感じたが、それでも16℃前後か。


出典:東京銭湯ホームページ引用


奥に続いて、こちらは主浴槽。
浅浴槽はかなり広く、8人ぐらいは入っても余裕ぐらいの広さだ。温度は41℃ぐらいと絶妙な温度だった。入れば肌がちょっとピリッとする程度の感覚。
この主浴槽にお湯を流しているのが一段上にそびえ立つ奥の深浴槽で、こちらも温度は41℃ぐらいで快適温度だった。

出典:東京銭湯ホームページ引用
▲左が浅浴槽で右が一段あがった深浴槽。写真だとミラーボールのように光ってるが、実際は薄暗い


これで終わりかと思ったら、ガラス張りの壁の奥に露天風呂があった。扉を明けて外に出ると室内露天風呂というか外気浴ができる空間になっており、屋根だけ外と通じている。左側には深浴槽とハイパージェットが2つあって、ボタン式だった。温度は高くて45℃近く。外気浴ができる場所だから熱めにしたと思われる。外気浴できる椅子がふたつあり、そこでまったりと過ごすことができる。


壁絵などの装飾性は一切皆無。と思ったら、あとで富士山の絵が紹介した画像に気がついた。とはいえ、あった記憶がまったくなし。ほとんどはシンプルに徹した空間になっていた。かつてリニューアル前の雑多感満載で物にあふれるのが正義という昭和の精神を継承した姿を知ってる身としては、やや寂しく感じるほどだった。


出典:東京銭湯ホームページ引用


客層は若い人もいなくはないけど、ほぼ高齢者だった。この手のリニューアルで期待するのは新しい客層の獲得だと思うが、これは想定外だった。一方で相変わらず常連客はしっかりとついてきてくれてるようである。そのためリニューアルしたことで常連客はどう思ってるんだろうと思った。とてもキレイになったけど、薄暗いせいで味気ないとなれば少し寂しく感じてるのではないか(と勝手に想像した。実際はどうかは知りません)。
立地は駅前で超好物件であるが、今のところサウナがないためか客層は相変わらず昔のまんまの銭湯だった。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 落合
経路 裏手
周辺の環境 飲食店

●空間演出
建物外観 テナントマンション
壁画・眺望 富士山の絵?
統一感 あり
置物 なし
照明 地球に優しい節電

★設備
休憩所 脱衣場
脱衣所 きれい
シャワーの出 勢いがある
浴槽の種類 ハイパージェット
サウナ なし
温度 41~45℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 気取らず自然体
清潔さ きれい
貸しタオル あり(50円)
備え付け あり

◆人
受付 70代の女性
客層 高齢者がメインに若い人や外国人が一部いた


【案内】

住所
〒161-0034
新宿区上落合3−9−10

電話番号
03-3368-2352

アクセス
東京メトロ東西線「落合」駅下車、徒歩1分

休日
土曜

営業時間
15:30−24:00(最終入場23:30)

※東京銭湯ホームページ転載