銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

十思湯(東京・小伝馬町)

2019-11-09 07:07:22 | 銭湯





東京メトロ日比谷線の小伝馬町駅から地上にあがると、すぐ近くの複合施設に十思湯がある。
公共施設のテナントということで、無機質ながら設備の質が高い銭湯だった。

【十思湯】をザックリいうと
◎サウナ、水風呂あり
・元処刑場で、元小学校跡地
・公共施設的な作り
・人でごった返していた



▲小伝馬町駅構内


▲改札口


▲地図を見ると、こんな感じ。右上に見える十思スクエアが目的地


▲今回は、出口4に出る








▲ここは歴史的な遺構が目立つ。隣駅が秋葉原であることを考えると、そのギャップが面白い


▲小伝馬町駅の入り口


▲十思湯は、ちょうど真後ろにあるので、右からでも左からでも行けるのだが、今回は左回りに進む(特に理由はない)


▲左にグルッと回り






▲ここも左に曲がる


▲処刑場だったことを示す石碑


▲右に見える建物が十思湯の入る十思スクエア


▲右手前に公園


▲子ども達が遊んでいた

 


▲十思スクエア


▲かつては十思小学校だったことを示す案内板




▲校是が紹介されていた






▲入り口


▲中に自動扉


▲入ると左にミニチュア模型


▲小学校の前は処刑場だったことを紹介している。ここも色んな物語を積み重ねてきた場所なのだ




▲牢獄されていた有名人たち。
吉田松陰が筆頭格だが、高野長英はここで処刑されたのではなく、脱獄して逮捕された時に撲殺されている(ということを吉村昭の本で知った)。
当時は似顔絵だけで逃亡先を特定できたというのだから驚きだ。しかも、昔の絵は写実的でもなかったのに…


▲鼠小僧まで収監されてた。そもそも八百屋のお七は実在した人物だったのだろうか?


▲階段かエレベーターであがる




▲右が小ホールで


▲左が十思湯


▲開店前の写真


▲こちらが開店時


金属製の下足箱に靴を預けると、目の前にフロントがある。フロントもいかにも公共施設らしいシンプルな作り。
座るのは、70代ぐらいの男性。
「こんにちは」と挨拶すると、「アン?」と怪訝そうに反応される。
一見さんには少しハードルの高い店主かもしれない。
「貸しタオルありますか?」と尋ねると、横にあるビニール袋からフェイスタオルとバスタオルの組み合わせを出して「(タオルのレンタル料金100円を合わせて)560円ね…違った570円だ」と言われる。
10月1日から料金が改訂され、東京の銭湯は460円から470円に値上げされたのだった。
貸しタオルをかりる際は「下駄箱の鍵を出してください」と言われ、鍵の番号をメモすると「これ(メモ用紙)と一緒に持ってきてね」と言われる。


フロントの奥に進むと、休憩所があるが、ものすごくガランとしている。良く言えば空間を贅沢に使っているが、寂しいほど何も無い。
縦長の空間に椅子が少しあって、手前に自販機とマッサージチェア。正面に洗面台があるぐらい。


出典:東京銭湯ホームページ引用


男湯は右側で、のれんくぐると横長の作り。右手前にロッカーが並び、奥に洗面台がある。トイレと体重計が左側。それぐらいか。
ロッカーは二段式で縦長なので、ハンガーが入っており、夏は乾かせるので助かる。なおロッカーはコインリターン式だから、100円を用意しておく必要がある。
クーラー(空調)は天井に設置。むかしの銭湯にありがちなタワータイプではないので、そのあたりも新しいビルならではのデザインだ。


左奥にある浴室の扉を開けると、これまたシンプルな作り。
縦長になっていて、手前左に立ちシャワーが2つ。
真ん中右と右側壁に通常のカランが並ぶ。真ん中の左側は手すりがあるのみ。
カランは全て仕切り壁があるので、スーパー銭湯と同じだ。
シャワーは、手前右2つだけがハンドシャワーで、あとは固定シャワー。手動だから、自分のタイミングで止められるのは嬉しい(ただし、節水を奨励してある)。
ハンドシャワーのカランには手すりも付いていたので、こちらは高齢者向けだろう。
右壁が7つで、真ん中が5つ。合計で12。
入った直後は、それほどでもなかったのだが、途中でかなりの入浴客がやってくると、きれいに埋まった。キャパシティとしては少し不足気味かもしれない。


浴槽は奥にあって、左が広く、右が狭い。どちらも白湯。狭いほうが熱湯かな?と思いつつ入ると、やはり結構な熱さ。45℃だった。
左の広い方は、42℃で左端にジェットバスがついている。
奥の浴槽とは別に左奥にサウナ。そのサウナの隣に水風呂がある。
水風呂は25℃で、個人的には超最適温度。つい長く入ってしまった。
壁絵は間仕切りにあって、橋が描かれた浮世絵。


こうして全体を見渡すと、思い出すのが、横浜の翁湯や港区のふれあいの湯である。雰囲気がかなり似ていて、いかにも最大公約数的な作り。このように没個性なのは公共施設に入る銭湯の宿命か。


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲こちらは女湯


出典:東京銭湯ホームページ引用
▲こっちが男湯


客層はやはり高齢者が多いが、意外にも若い人や親子もおり、思ったより偏っていない。
それと十思湯を出て、階下の自販機前で小休憩をしていたところ、突如として十数人ほどの老若男女がワーとやってきた。身なりを見るとウォーキングの集まりだったみたいなのだが、どうやらその帰りに汗を流すため十思湯を訪れたようだった。
このようにイレギュラーな団体のお客さんもいるため、タイミングによってはかなり窮屈を強いられる銭湯かもしれない。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 小伝馬町
経路 駅の裏側
周辺の環境 寺や飲食店

●空間演出
建物外観 処刑場と小学校跡地
壁画・眺望 浮世絵
統一感 あり
置物 なし
照明 すこし薄暗い

★設備
休憩所 フロント奥
脱衣所 狭いがきれい
シャワーの出 素晴らしい。特に立ちシャワー(LIXIL製)は最高だった
浴槽の種類 あつ湯、ジェットバス、水風呂
サウナ あり
温度 42℃、45℃
棚 あり
男女入れ替え なし

■サービス
接客 一見さんには無愛想(息子さんなのか比較的若い男性は対応が良かった)
清潔さ きれい
貸しタオル あり(100円)
備え付け あり

◆人
受付 70代男性
客層 高齢者メインで若い人たちも


【案内】

住所
〒103-0001
中央区日本橋小伝馬町5−19

電話番号
03-6264-9920

アクセス
東京メトロ日比谷線「小伝馬町」駅下車、徒歩1分

休日
日曜

営業時間
15:00−23:00

※東京銭湯ホームページ転載