銭湯の散歩道

神奈川、東京を中心とした銭湯めぐりについて、あれこれ書いていきます。

三越湯(東京・恵比寿)

2018-11-17 07:25:23 | 銭湯


住所は白銀。名前は、三越。
これだけでずいぶん敷居の高そうなイメージであるが、白銀自体は歩いてみると庶民的なお店の多い街でもある。
ただ、それに混じって感度の高いお店も軒を連ねており、統一感に欠けた風変わりな街だ。
そんな街の一角にあるのが三越湯である。



▲出発に選んだのは恵比寿


▲むかって右


▲むかって左


▲白銀に向かって出発だ




▲あくまでも個人的な主観であるが、恵比寿を訪れる人たちのファッションセンスはどこよりも高く感じる




▲ファミマを曲がって






▲今度は右




▲お洒落なお店が並ぶ




▲分岐する道。左にあるみずほ銀行沿いに進む。auの方にはいかない


▲あとは、ひたすら真っ直ぐ行くだけ






▲緩やかな坂道がずっと続く












▲東京はとにかく坂道が多い










▲ここらへんから下り




▲高速道路がみえてくる


▲高速をくぐると、もう近い




▲とても古い建物には、いくつかのお店が入っている




▲左の道に移り




▲そろそろなハズだがと思っていると…


▲忽然とあらわれた三越湯


▲開店前の写真


▲全景


▲右横から撮影。上はマンションだろう


▲道路を隔てた先は、お豆腐屋さんとぜんざい屋さん。いかにも昭和初期に作られたお店といった感じだ


入り口はちょっとした和食屋さんのような雰囲気のある玄関。なので多少戸惑いを感じるが、自動扉を開けて中に入ると、まず最初に出くわすのはお約束の下足箱。
ここまでは他の銭湯と変わらないが、靴を預けてフロントに進むと、純和風のたたずまいと打って変わり、なぜか廊下の右側にはお酒を飲めるBARがある。そのときは開いておらず、いつやってるのか分からないが、バーが併設された銭湯は初めてだ。しかも和風を全面に押し出した銭湯なのにバーというチョイスは店主の趣味全開である。


そしてその廊下の奥にあるのがフロント。受付に座るのは、70代ぐらいの女性。品もあるが、華やかさもあって、まさしくシロガネーゼのマダムそのものである(ちなみに住所の白銀はシロカネと読む)。
とりあえず「貸しタオルありますか?」と訊ねると
「ございます」との返事。
そして、
「100円になります」と言われる。
貸しタオルで100円は高い!と心の中で叫ぶが、ここは白銀だからなとすぐに納得してしまった。


男女日替わりなのか分からなかったが、それぞれの浴室に名前がつけられており、この日は男湯が右側。
小さなのれんをくぐって中に入ると、脱衣場はとても綺麗だが、マンション銭湯の宿命か、かなり狭い。入ってすぐ右側に体重計とサウナ用のロッカー。
左壁には普通のロッカーが並ぶ(100円投入のリターン式)。真ん中にはベンチ。これがロッカーの近くにあるため、足をひっかけてしまう。
あとは、奥左にトイレと右側入り口近くに洗面台。
とても清潔感があり、三越に名の恥じない(三越伊勢丹グループとは無関係だと思うけど)高級感がある。


入り口に入ると、すぐ右手に立ちシャワーが2つ。それと、左は、横に並ぶ島カランが縦に二列設置してある。
奥に進むと、まず目に付くのが足湯だ。
足湯といっても、足に浸かるだけでなく、背中の部分もお湯が壁面に沿って流れている。こういう設備はなかなか普通の銭湯ではお目に掛かれない代物だろう。


さらに奥には、右側にサウナの入り口と、水風呂が隣に併設されてある。水風呂は、かなり冷たくて14℃ほど。
足を入れただけでもすぐ耐えられず出てしまった。


それと左側にあるのが主浴槽だ。主浴槽は、1つのお湯を共有する形で、奥が電気風呂、手前が浅浴槽、そして手前側が深浴槽となっている。
深浴槽の構成は、向かって右からボディジェット、ハイパージェット、座湯と仕切られている。もちろん狭いので、1人ずつしか入れない。


さらに驚きなのがマンション銭湯なのに露天風呂があることだ。
しっかり二重扉にもなっており、中に入ると、立派な露天風呂が広がる。単に露天風呂があるだけでなく、浴槽のまわりは庭石が配置されており、趣のある雰囲気だ。
 

ただやはり住宅街にあるためか、厳密には室内風呂(半露天)である。一部で屋根のところから外気が入るようにはなってはいるものの、扉はほとんど締め切られており、雰囲気を味わうにとどまる。
中の主浴槽の温度が43℃に対して、露天風呂は41℃ほど。長湯にはもってこいだろう。


その露天風呂だが、中に入ると突然、「マージャンやるの?」と声が聞こえてきた。
どうやら先客の2人が会話してるところだったみたいだと思ったら、再び「マージャンやるの?」とこっちを見ながら聞かれたので、えっ?と思いながら(もちろん相手は見知らぬ人)「いいえ」と応えたのだが、そこからなぜか身の上話が始まり、かなり長々と話し込むことに…。
ほとんど一方的な聞き役だったが、会社勤めをしていたときや孫の話などが主な内容だった。


さて浴室に話を戻すと、壁画などはないが清潔感があり、建物全体が機能美に満ちている。とてもこだわりをもって建てられたという印象を抱いた。


客層はほぼ高齢者でそこに中高年が少し混ざる感じか。最初の頃はほとんど空いていたが、途中からものすごく混み始めて、出る頃はカランがほとんど埋まっていた。
清潔感があり、設備も充実しており接客も素晴らしいとなると、それだけ人気なのも当然だろう。


【評価チェック箇所】
▼アクセス
最寄り駅 恵比寿
経路 高速道路を目指して歩く
周辺の環境 住宅や飲食店

●空間演出
建物外観 マンション銭湯
壁画・眺望 なし
統一感 あり
置物 なし
照明 ふつう

★設備
休憩所 きれい
脱衣所 狭いがきれい
シャワーの出 ふつう
浴槽の種類 電気風呂、ボディジェット、ハイパージェット、座湯、足湯、露天風呂
サウナ あり
温度 41℃、43℃
棚 なし
男女入れ替え 不明

■サービス
接客 とても品がある
清潔さ きれい
貸しタオル あり(100円)
備え付け なし

◆人
受付 70代ぐらいの女性
客層 高齢者と中高年


【案内】

住所
〒108-0072
港区白金5−12−16

電話番号
03-3473-4126

アクセス
山手線「渋谷」駅よりバス。「北里研究所」下車、徒歩0分

休日
毎金曜日、第3木曜日

営業時間
15:30−22:00

※東京銭湯ホームページ転載