この前、スペインのナンチャッテ裁判所みたいなところが、中国の元国家主席の江沢民に人権侵害かなんかの罪で、被告人不在で勝手に有罪判決を下した、とかのニュースを読んだ。
江沢民は大嫌いだが、スペインのナンチャッテ裁判所もずいぶん傲慢だな、と思ったものだが、そのナンチャッテは以前に、英国に亡命していたチリのピノチェト元大統領にも有罪判決を下していたな、と思い出した。
ピノチェト氏は世の中的にはアジェンダ(→アジェンデ)という前任の民主的な大統領をクーデターで引きずり下ろし、独裁政権を樹立、反対派を拷問・暗殺してやりたい放題の政治を強行した極悪人、ということになっているが、最近自分は疑り深くなっているので、かならずしも世評通りの人物ではないのかも、と思っている。
が、まあそれはともかく、Wikipediaでピノチェト氏の記事を読んでいると、ここにシカゴボーイズが現れてきた。
シカゴボーイズとは、米シカゴ大学のミルトン・フリードマン(2006年没)というノーベル賞学者を中心とした経済学派のことらしい。新自由主義とか新古典派経済学とも言われる。
政府が規制・保護・保障などによって経済に関与することで、市場が歪となる。倫理的に悪でなければ全てを市場の自由に任せておけば自然と経済は良くなる、見たいな事を言ってるらしい。このあたりは、藤井聡氏の「維新・改革の正体-日本をダメにした真犯人を探せ」に詳しい。
それで、フリードマン氏らはチリに乗り込んで自らの理論を実践したのだという。国有企業を民営化し、国家の財産を売り払い規制を撤廃して自由化に励ませたらしい。結果、最初だけは景気が良くなったが、その後が続かず、結局ピノチェト氏はシカゴボーイズの経済政策を放棄したらしい。
そして、我が国では、みんなの党を離党した江田憲司氏が希望の星、野党結集のキーマンとして持ち上げられているが、彼は元々通産省の高級官僚で橋本政権でシカゴボーイズの政策を持ち込み自由化・規制緩和・撤廃を強引に推し進めたのだという。
その流れは小泉政権でも竹中平蔵大臣が踏襲し、我が国を長い長いデフレスパイラルに陥らせたのである。江田氏はアメリカに盲従する人たちがバックグラウンドだと思われる。
藤井聡氏の「維新・改革の正体-日本をダメにした真犯人を探せ」によれば、今こそ政府が公共投資を行って景気を上向かせなければいけないのだという。
高度成長期に作られた橋やトンネルなどのインフラが老朽化してきているため、国土強靭化としてこれらのインフラを作り直せば良い。それによってお金が世の中に出ていって景気が良くなるのだという。
自分はこの考え方に賛成するので、シカゴ学派的な政策を掲げる政治家は支持しない。
今、テレビでは江田氏がもてはやされているように見えるが、彼は自分にとってのリトマス紙であるとも言える。
維新の橋下氏や松野氏は江田氏と政策が一致している、と秋波を送っているが、いくら保守層に受けるようなことを言っても、彼らは自分の考える保守派とは違う、ということがわかる。
逆に同じ維新でも、平沼赳夫氏は、勝手にすれば、と言っていて好感が持てる。
あとはTPPがどうなるのか、気になるところである。自民党内の愛国派の方々の声がマスコミから聞こえてこないような気がする。
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