ネットでの評判が良かったので期待していたがあまり面白くなかった。
作者は全くのフィクションは書けない、もしくは好きではないのだろう。
自分の体験した事実に即したストーリーを時系列順に書いていくスタイルが本領なのだと思う。
処女作の国家の罠は日露外交という舞台で作者の行動や思索がダイナミックで、そうしたスタイルの著述がピタリとはまり、引き続く同テーマの著作も合わせ、ものすごく面白かった。
しかし、そのスタイルでは自分の事を書き尽くせばネタ切れになる。
そこで、友達の人生までネタにしたのがこの本かな。
その割に半分は自分の話で、自分たちの世代全体の話に敷衍してはいるが、今ひとつ友達へのリスペクトが感じられなかった。