10月の水槽
ウィローモスの勢力伸張が著しい。
それに伴い、正体不明の藻が減ってきた。
冒険小説の「鷲は舞い降りた」が好きでしょうがないのだが、関連する評論などを読んでいると、たいてい言及されるのが「針の眼」。
曰く、冒険小説の東西の横綱、とか双璧とか良い評価しか見かけない。
船橋駅南口のときわ書房は冒険小説の有名作を常に棚に並べる方針らしく、海外文庫コーナーに「鷲は舞い降りた」や「女王陛下のユリシーズ号」といった古いがベストテン定番作品がいつも置いてある。
ややマイナーと思われる創元推理文庫の本作もちゃんと置いてあったので、買ってみた。
総評としては面白い事は面白いが「鷲は舞い降りた」にはまったく及ばない。
解説で茶木則雄さんと言う方が「針の眼」は冒険小説オールタイムベストの9位と書いていて、1位は「鷲は舞い降りた」、2位は「深夜プラス1」、3位が「シャドー81」、以下4位「高い砦」、5位「ナヴァロンの要塞」、6位「興奮」、7位「暗殺者」、8位「利腕」、9位本作、10位「北壁の死闘」だということだ。
「高い砦」は既読でこれも好きな小説である。「北壁の死闘」も読んだことがあるはずだが、あまり印象に残ってない。
他の読んでない有名作を読んでいこうかと思っている。
案外面白かった。
旦那(イーサン・ホークという俳優、名前だけ知ってた)がマッチョじゃなくて、ちょっとインテリ風なのが良い。
あと、奥さん役のレナ・ヘディという女優さんが綺麗。
しかし、庭先で近所の奥さんと立ち話するのにタイトスカートにハイヒールというのはきめ過ぎかな、と思う。
娘役のアデレイド・ケインも可愛い。
主人公一家のキャラクターが割りとまともで普通の人たちなのも良い。
また、宣伝写真に写っていた仮面をかぶった変質者っぽいキャラからうける印象とは違って、陰惨な殺人シーンとかがないのも良い。
敵のリーダー役の切れた演技も良かった。シャイニングのジャック・ニコルソンを思い出した。
どうでもいいが、息子のリモコン・ロボットはああいう不気味な人形デザインである必要は全くなかったのではないかと思う。
もっとメカっぽくして、液晶画面に文字表示が出来る(4文字とか5文字とかちょっとだけ)、という設定にしたら面白かったのではないだろうか?
また、敵のリーダーが会話に割り込んできた仲間をいきなり射殺するシーンだが、リーダーの冷酷さを強調したかったのだと思うが、敵も一枚岩ではないんだ、という安心感がわいてしまい、自分としては逆効果だった。
家族だけで大勢の正体不明の敵に囲まれ、ジワジワ追い詰められていく恐怖感が、やや薄まったと思う。
案外面白く、満足できた。続編もあるので観てみたい。