白雲去来

蜷川正大の日々是口実

『ルポ中国「潜入バイト」日記』が面白い。

2018-09-24 12:05:27 | 日記
九月二十二日(土)曇り。

昨日行ったスーパーで美味しそうな「秋鮭」の切り身が並んでいた。旬の物を食べると長生きする。という言葉が浮かんで、即購入。朝は、その秋鮭を使ってムニエルにした。コツは、純正の無塩バターをたっぷりと使うこと。レタスとカイワレ大根のサラダ、ウェイパーを使った、卵スープ。昼は抜いた。夜は、キャベツと豚肉のオイスターソース炒め、餃子。休肝日につき、ノンアルのビールを二本。

面白い本を読んでいる。西谷格さんと言う人の書いた『ルポ中国「潜入バイト」日記』(小学館新書)という本。書評で知って、すぐに注文した。本の帯には「理解しがたい超大国・中国のリアルな姿を知りたい。そんな想いから、ジャーナリストの著者が現地に移住し、六年にわたって様々な『潜入アルバイト』を敢行。上海の寿司屋、反日ドラマ、パクリ遊園地、ホストクラブ、爆買いツアーのガイド等の職場に、ライターという身分を隠して潜り込んだ。彼らと同僚として働くことでわかった、日本人の知らない中国人の本質とは。渾身の潜入ルポ」。

誤解してはならないのは、単に中国という国と中国人を、見下したり、揶揄したりしている本ではないのだ。中国人の(全てではないが)物の考え方や、日常、職場の雰囲気などが、面白おかしく、且つ冷静な目で描かれている。例えば、中国のテレビで、いつも放送される、先の日中戦争を題材にした反日・抗日のドラマについてこう分析している。少々長いが、掲載してみる。

中国では日中戦争は「悪の権化である大日本帝国に中国共産党が人民とともに抵抗し、偉大な勝利を収めた」と解釈されている。これ以外の解釈は、学問的にも言論的にも禁じられていると言っていい。日中戦争は中国では「抗日戦争」と呼ばれており、その時代をテーマにした作品群は、「抗日ドラマ (抗日電視劇)」と呼ばれている。「抗日モノ」は製作本数が多く、「ホームドラマ」「時代劇」「恋愛モノ」などと並ぶ一大ジャンルとして確立されているのだ。抗日モノは、戦前の日本を絶対悪と見なして中国共産党を正義の化身として描いている限り、多少行き過ぎた暴力表現や性描写。非科学的な虚実ないまぜのストーリー展開も許される。表現の自由が厳しく制限されている中国では、反日ドラマは映像クリェイターたちにとって唯一の安全地帯であり、表現のオアシスなのだ。善悪がハッキリと分かれるので、脚本も作りやすいのだろう。とはいえ、近年は中国政府も「荒唐無稽な反日作品はむしろ逆効果」であることにやっと気づき始めたらしく、検閲機関「国家新聞出版広電総局」は「過度の娯楽化は控えるべき」との通達を出している。(引用ここまで)

まだ半分くらいしか読んではいないが、著者の冷静な中国人観察には、ナルホドと思わせられることが多い。是非ご一読をお勧めします。
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