白雲去来

蜷川正大の日々是口実

山頭火賞。

2018-09-25 13:01:59 | 日記
九月二十三日(日)晴れ。

老舗の出版社である春陽堂が創設したのが「種田山頭火賞」と言うもの。どういった賞かと言えば、いわゆる「俳人」に対するものではなく、「信念を貫いた活動で、多くの人に感動を与えた文化人や表現者を顕彰する」というもの。その第一回の受賞者に、舞踏家で俳優の麿赤児氏が選ばれたと、新聞で知った。

本当かどうかは知らないが、アメリカ人に一番知られている俳句というのが、芭蕉や一茶の句ではなく、山頭火の「まっすぐな道でさみしい」と言うもので、こう英訳されるそうだ。「Staright road, full of loriness 」。日本とは違い、延々と続くまっすぐな国道が珍しくない、いかにもアメリカ人好みの句かもしれない。いや山頭火のことではない。麿赤児氏のことだ。以前読んだのが『完本 麿赤兒自伝ー憂き世 戯れて候ふ』(中公文庫) というもの。

その本の内容は、破天荒で波乱万丈、生き様は、一昔前の右翼浪人のようなのだ。特に、右翼の大物として知られていた三上卓先生宅を訪問し、あわよくば資金提供を受けようとする「武士は死せず、ただ消え去るのみ・テロリストM氏虚実会見記」は出色である。脚本を書いたり、演技をする、いわゆる「表現者」は、当然ながら文章も上手だ。作家になっていたとしても成功していたのではと思った次第。九百円+税、高いコーヒー一杯より満足感があること間違いない。是非ご一読を。(昨年の十一月三日の私のブログ)。受賞の理由は、「一見無頼、自在な人生を送ってきた方で、山頭火賞の出発にふさわしい」とのことである。

夜は友人らと「日高屋」という何の店だか分からない所で一献。その後、口直しに寿司屋に転戦。普通の店のありがたさをしみじみ知った。
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