幸せの深呼吸

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ツイートから4月10日の1 モンテルカストは入院早期の悪化を有意に抑制の可能性&沖縄で感染増強のカリフォルニア変異株検出 他

2021-04-10 | 医療、健康

1) モンテルカストは入院COVID-19患者の入院早期の臨床的悪化を有意に抑制する可能性
2) 都内の新規感染者もすでに32.3%がN501変異株
3) 東京、京都、沖縄は4月12日から「まん延防止等重点措置」適用
4) 4/5から「まん延防止等重点措置」適用となっている大阪で効果は出ているのか?
5) 尾身会長:「分科会はあまり政治的な配慮をすべきではない」
6) 大阪の2つの医療機関が3次救急を停止
7) 沖縄でカリフォルニア変異株検出
8) 羽田空港の3か所でPCR検査キットの配布開始
9) イギリスはワクチンプログラムで感染者数激減
10) インドの第二波:1日の新規感染者数が13万人以上

「緊急事態宣言あるいは重点措置を発出すべき時期と判断したときには、
われわれは専門家として、あまり政治的な配慮などをせずに、
言うべき考えをちゃんと発表すべきだ」
(分科会・尾身会長)

●モンテルカストは入院COVID-19患者の入院早期の臨床的悪化を有意に抑制する可能性
→喘息治療等に用いられるロイコトリエン受容体拮抗薬です。
マウスのインフルエンザモデルでARDSへの進展を抑え、in vitroで上皮細胞からのGM-CSF、IL-6、IL-8産生を抑えるという抗炎症作用が示されているようです

本検討は後ろ向き解析で、入院後のday 1からday 3の短期間における臨床的変化しかみていません。
しかし年齢や基礎疾患でみると、モンテルカスト群のほうが予後不良因子が多いにも関わらず、臨床的悪化率は非投与群よりも低くなっています。

副作用のほとんどない薬剤ですので、RCTで効果を検証する価値はありそうな気はします。
Montelukast in hospitalized patients diagnosed with COVID-19
https://t.co/z4n0qn8L1R?amp=1

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・モンテルカストなどのロイコトリエン受容体拮抗薬は、インフルエンザやARDSにおけるサイトカイン産生と肺炎症を抑制する事が知られている。
・本検討では、モンテルカストがCOVID-19 Ordinal Scaleで評価される臨床的悪化の割合を減少させるかどうかを検討した。

・COVID-19確定入院患者を対象に、モンテルカスト投与群と非投与群の後ろ向き解析を行った。対象は、医師の判断でモンテルカストが投与された30例と非投与62例の、合計92例だった。

・主要評価項目はday 1とday 3の間で臨床的悪化があったか否かとした。必要なデータはすべての入院患者において入手可能であった。

・モンテルカスト投与群と非投与群の間の臨床的悪化の割合を、フィッシャーの正確確率検定を用いて評価した。また単変量ロジスティック回帰法で、モンテルカスト投与と臨床的悪化との関連を評価した。

(結果)
・モンテルカスト投与群は非投与群と比較して、臨床的悪化が有意に少なかった(10% vs 32%, p=0.022)。
・この結果は、モンテルカストが臨床的に有効である可能性を示唆している。この仮説は前向き検討により検討する必要がある。
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・臨床症状の評価に用いた9段階の指標
0(無症状)から8(死亡)で評価。
本検討の対象は入院患者ですので、全例がスケール3以上という事になります。

・患者背景の表
モンテルカスト群は年齢が有意に高く(p=0.011)、心疾患(p=0.06)、喘息(p=0.0005)の有病率が高いです。
day 1からday 3の間にステロイドを投与された割合は有意差はありませんが、モンテルカスト群で少な目。

・検査データの比較
上段がbaseline、下段がday 1からday 3の検査値の変化です。
有意差はありませんが、モンテルカスト群でbaselineのLDHやCRPが低目です。
day 3までの検査値の変化は両群で特に差がなく、抗炎症効果らしきものはここでは検出できていません。

・day 3時点における臨床的悪化の割合
これが結果のすべてです。
baselineは全例スケール3以上ですので、臨床的悪化は酸素需要量の増加を示している事になります。
モンテルカスト群がday 3までの臨床的悪化の割合が少ないです。

●日本の状況
→東京都の推移
東京都 新型コロナ 新たに537人感染確認
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210409/k10012964991000.html
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都内で新たに537人が新型コロナウイルスに感染していることを確認
都の基準で集計した9日時点の重症の患者は8日より2人増えて43人
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本日の全国の感染数・推移
大阪883人、兵庫314人、愛知172人、神奈川168人、埼玉131人、沖縄131人、宮城121人、千葉102人、
京都96人、奈良96人、北海道83人、
福岡54人、長野48人、和歌山44人、栃木41人、岡山39人、茨城38人、
4月9日 新たに確認された感染者数
https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/data/

→都内の新規感染者もすでに32.3%がN501変異株
衝撃的な報告です。
今までこのデータを都は把握していたのか?
確定にはゲノム解析が必要ですが、恐らくはイギリス変異株で間違いないでしょう。

最近は、東京都健康安全研究センターで5-6%、大学などの民間検査機関も含めると、陽性者の2割程度をスクリーニングしているようです。

グラフは東京都健康安全研究センターのデータで作成したもの。
4月に入り、急速に従来株を置換しています。
個人的にはもう緊急事態宣言を発出すべきレベルだと考えます。
都内の変異株の発生割合
https://fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/screening.html

画像

・大学などの民間検査機関も含んだスクリーニングでのN501Y検出率は4/4までの1週間が14.2%。 ただし、民間機関のデータを加えると、サンプリングに偏りが生じるので単純な解釈はできないかと。 しかし、それで見ても、経時的に急速増加しています。 https://fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/screening.files/screening0408.pdf

画像

→東京、京都、沖縄は4月12日から「まん延防止等重点措置」適用
自治体レベルで決定できず、プロセスが多すぎるので、とにかく動きが遅すぎます。
そもそも、この程度で封じ込めに機能しうるのか?って話なのですが・・・

4月5日からすでに先行して適用されている大阪、兵庫、宮城は、今どうなのか?
効果は出ているのか?
それともまだ答えは出ていないという判断なのか?
まん延防止等重点措置 東京 京都 沖縄に12日から適用決定 政府
https://t.co/Z5jcbxGiYX?amp=1

→4/5から「まん延防止等重点措置」適用となっている大阪
現時点で目に見える感染者数抑制効果はないように見えます。
重症患者が80人増えるのに第三波は35日、今回は15日と2倍以上の速度。
焦る大阪府「打てる手ほぼ打っている」 医療崩壊の危機
https://t.co/Tf53HEdqRb?amp=1

→大阪の2つの医療機関が3次救急を停止
新型コロナ用の重症病床確保のためです。
このままいけば、確実に府内での病床不足、人工呼吸器不足になりそうです。

周辺県で医療体制をカバーできれば良いですが、周辺県も同時に医療逼迫状態になるリスクも高そうです。
「まん延防止等重点措置」の効果を検証している時間的余裕など、あるでしょうか?
大阪市内2医療機関 「3次救急」一時停止 “重症病床増のため”
https://t.co/FEZXCLlW03?amp=1

→尾身会長が「分科会はあまり政治的な配慮をすべきではない」と
個人的にはそれが当たり前だと思っていましたが、「これまではそうではなかった」と解釈して良いのでしょうか?

最終的な政治的判断は政治家の仕事なのですから、分科会がそれに配慮する必要などないはずです。
「分科会から宣言等を提言」 尾身会長“政治的配慮せずに”
https://t.co/04Oq3Zg4XN?amp=1

→沖縄でカリフォルニア変異株検出
カリフォルニア変異株はCAL.20Cと総称される2つの変異株を指します。
B.1.427とB.1.429で、いずれもL452R変異を持っています。
そのどちらが検出されたのかは記事からは分かりません。

L452Rは変異株のスクリーニング対象ではないので、全国で見逃されている可能性もあるかもしれません。
カリフォルニア州で確認の変異株 沖縄県で見つかる 国内初
https://t.co/oIXMaOzcGS?amp=1

・CAL.20Cの2株とその特徴は以下
いずれも、20%程度の感染力増強と回復期患者血漿の中和活性低下が見られます。
spike領域の変異数はB.1.429が多いです。
https://cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/cases-updates/variant-surveillance/variant-info.html

・カリフォルニア変異株はCAL.20Cと呼ばれ、増殖力増強により急速に従来株を駆逐しています。
カリフォルニアでの分離頻度の経時的データがJAMAに報告されています。
これのニュースは深刻にとらえたほうが良いのではないかと思います。

Emergence of a Novel SARS-CoV-2 Variant in Southern California
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2776543
ピンクのCAL.20Cの検出頻度が急速に増加しています。
上段が州全体、下段が南カリフォルニアです。

画像

→羽田空港の3か所でPCR検査キットの配布開始
まずは11日までに700キットを配布して、その結果をみながら、その後も実施したいと。

次に打てる手は検査拡大しか思いつきません。
検査拡大反対論者の言い分はあるのでしょうが、御託を並べている余裕は現時点ではもはやないはず。
まずはやってみるべきだと信じます。
変異ウイルス拡大 羽田空港でPCR検査キットを配布
https://t.co/Cjnd1SHJya?amp=1

→イギリスはワクチンプログラムで感染者数激減
2月から約60%減少。
「正しい方向に進んでいる」と。
英、迅速なワクチン接種で3月に感染急減=調査
https://t.co/ozr0kTmlUj?amp=1

→インドの第二波が止まりません。
1日の新規感染者数が13万人以上です。
流行株についての情報がキャッチできていませんが、変異株なのでしょうか?
インド1日あたり新規コロナ感染者が13万人超、死者数も高水準
https://t.co/IeecplzhtL?amp=1

・インドは第一波が9月をピークに自然減となっていました。
デリー州の抗体保有率が56%という調査結果も出て、集団免疫を獲得したと予想されていたはずです。
一体、今、インドに何が起こっているのか?
インドの第一、第二波の新規感染者数の推移を貼り付けます。
https://arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/bda7594740fd40299423467b48e9ecf6


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