加熱しても死なない菌、ウェルシュ菌についてやっていたので、掲載しておきます。
加熱したら安心と思ってしまいがちです。
20何度から50度ぐらいになると、潜んでいたのが繁殖するらしいので、加熱後、冷めたら冷蔵庫に保管した方が良さそうです。
適温で10分で急激に繁殖するようですので。
加熱でも100度で15分以上、セレウス菌は、30分が必要だそうですから、カレーやシチュー、ピラフ、スパゲッティー、焼きそばなど要注意です。
人参やごぼう、大根など土にも普通にいるので、繁殖してもおかしくないです。
腐敗菌、臭いにおいがするのは、発酵と同じでそれは余り危険ではなく、その菌があるうちは、ウェルシュ菌も繁殖しにくい。だから、臭いで判断は、できません。
手を洗うのも、せっけんをよく泡立てて洗わないと、手のしわに入っていた汚れを広げるだけになるので、よく洗うこと。
実験では、ティッシュを30枚重ねても、便は手についていました。
年間の発生件数は、多くはありませんが、発生すると1件あたりの被害人数が多いです。
http://www.pref.osaka.jp/shokuhin/shokutyuudoku/netsu.htmlから
食中毒は熱に強い?-セレウス菌、ウエルシュ菌食中毒について
食中毒菌の中には、「熱に強い殻(芽胞)を作る」という特徴を持った種類の菌もいます。
その特徴を持つ、セレウス菌とウエルシュ菌の性質、食中毒の予防方法について説明します。
セレウス菌
1 特徴
・土壌細菌の一種で、土、水中など自然環境中に広く分布しています。
・食品への汚染の機会が多く、特に穀類、豆類、香辛料などはセレウス菌に汚染されていることが多いと言われています。
・熱に強い殻(芽胞)を作り、この芽胞は100℃、30分加熱しても分解されません。
・増殖する際に毒素を産生し、食中毒の原因となるのは嘔吐毒と下痢毒の2種類ですが、日本で発生しているセレウス菌の食中毒はほとんどが嘔吐毒によるものです。
・嘔吐毒は食品中で産生され、食品と共に毒素を摂取することで、食中毒が発生します。熱や酸、消化酵素に強いため、体内では分解されません。
・下痢毒は菌が付着した食品を喫食し、腸管内で菌が増殖するのと共に毒素が産生されます。
2 症状
嘔吐型と下痢型の2種類があり、
・嘔吐型は喫食後1時間から5時間(平均2時間から3時間)で吐き気、嘔吐が起こります。まれに、下痢が伴うことがありますが、発熱は起こりません。
・下痢型は喫食後8時間から16時間で、腹痛及び下痢を主症状として発病します。
・嘔吐型、下痢型ともに重症化することは稀であり、大半の事例は軽症です。
3 原因食品
・米飯及び焼き飯等米飯の加工品、スパゲティ、肉類、スープ類、焼きそば、プリンなど。
4 予防法
セレウス菌食中毒は菌がある程度の数まで増殖しないと発生しません。
セレウス菌は、焼き飯類等の加熱調理食品であっても、保存や取り扱いに不備があると芽胞が作られ、菌が増殖し、食中毒の発生につながります。
セレウス菌食中毒を予防するには、食品中での菌の増殖を抑えることが重要です。
・食材はよく洗浄してから使用する。
・加熱前の下ごしらえ済み食品は長時間の放置を避け、冷蔵(10℃以下)で保管する。
・調理した食品はすぐに食べる(調理後から食べるまでの時間を短くする)。
・加熱後の食品を保管する場合は、冷蔵(10℃以下)で。
・焼き飯やスパゲティなどを、翌日再調理して食べることは避ける。
ウエルシュ菌
1 特徴
・ウエルシュ菌は、人間や動物の大腸内の常在菌であり、下水、河川、海、耕地などの土壌に広く分布しています。
・熱に強い殻(芽胞)を作り、酸素が少ない状態を好みます。
・ウエルシュ菌が多数付着した食品を食べることにより、体内に入った菌が腸内で増殖し、芽胞を作る際に産生するエンテロトキシン(毒素)が食中毒の原因となります。
・寸胴鍋などで食品が大量に加熱調理された後、鍋に入ったまま数時間から一夜食品が室温に放置されている間に、生き残った耐熱性のウエルシュ菌が増殖し、エンテロトキシンを産生します。
・他の細菌より高い温度帯(43℃から47℃)で発育します。
・食中毒の発生件数は上位ではありませんが、大規模になることが多いです。
2 症状
・潜伏時間は通常6時間から18時間(平均10時間)で、喫食後24時間以降に発病することはほとんどありません。
・主要症状は腹痛と下痢であり、下痢の回数は1日1回から3回程度のものが多く、主に水様便と軟便です。腹部膨満感を生じることもありますが、嘔吐や発熱などの症状は少なくなっています。
・症状は一般的に軽く、1、2日で回復します。
3 原因食品
・カレー、スープ、シチューなど一度に多くの量を調理する食品
4 予防法
ウエルシュ菌も食品中である程度の数まで増殖しないと、食中毒が発生しません。ウエルシュ菌食中毒を予防するには、菌の増殖を抑えることが重要です。
また、ウエルシュ菌は酸素を嫌い、耐熱性の芽胞を持つという特徴があるため、加熱調理食品は小分けするなどして急速に冷却し、低温に保存することを心がけましょう。
・カレー、シチューなどの加熱時にはよくかき混ぜながら、中心部まで加熱する。
・保存する場合は、容器に小分けするなどして中心まで急速に冷やす。
・保存したものは、喫食する前にしっかり加熱する。
・調理した食品はすぐに食べる(調理後から食べるまでの時間を短くする)。
・加熱済みの食品であっても冷蔵(10℃以下)で保管する。
・前日調理を避け、調理後は室温で放置しない。
まとめ
セレウス菌 |
ウエルシュ菌 |
|
特徴 |
熱に強い芽胞を作る |
|
嘔吐型と下痢型の毒素を産生する |
酸素を嫌う |
|
症状 |
嘔吐型:吐き気、嘔吐 |
腹痛、下痢 |
潜伏期間 |
嘔吐型:1時間から5時間 |
6時間から18時間 |
原因食品 | 焼き飯、スパゲティ等 | カレー、スープ、シチュー等 |
注意事項 | 焼き飯等は翌日に再調理することを避ける | 調理済み食品を保管する場合は、中心まで急速に冷却する |
調理した食品はすぐに食べる |
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k06/k06_33/k06_33.htmlから
ウエルシュ菌(Clostridium perfringens )は、ヒトや動物の大腸内常在菌であり、下水、河川、海、耕地などの土壌に広く分布する。ヒトの感染症としては食中毒の他に、ガス壊疽、化膿性感染症、敗血症等が知られているが、本稿では最も多発するウエルシュ菌食中毒を中心に記載する。
ウエルシュ菌食中毒は、エンテロトキシン産生性ウエルシュ菌(下痢原性ウエルシュ菌)が大量に増殖した食品を喫食することにより、本菌が腸管内で増殖して、芽胞を形成する際に産生・放出するエンテロトキシンにより発症する感染型食中毒である。
疫 学
1)多くは食肉、あるいは魚介類等を使った調理品である。これは、食肉や魚介類のウエルシュ菌汚染率が高いためである。さらに、食肉にはグルタチオン等の還元物質が豊富に含まれているので、調理食品内は嫌気状態になり易く、ウエルシュ菌の発育に適する。
2)原因食品は大量に加熱調理された後、そのまま数時間から一夜室温に放置されていることが多い。加熱調理された食品中では、共存細菌の多くが死滅するが、熱抵抗性が強い下痢原性ウエルシュ菌芽胞は生存する。そして、再加熱により芽胞の発芽が促進され、同時に食品内に含まれる酸素が追い出されて、ウエルシュ菌の発育に好条件が与えられる。また、ウエルシュ菌の至適発育温度は43~47℃と他の細菌よりも高く、増殖速度も速いため(分裂時間は45℃で約10分間と短い)、加熱調理食品が徐々に冷却していく間にウエルシュ菌は急速に増殖する。
臨床症状
ウエルシュ菌食中毒の潜伏時間は通常6~18時間、平均10時間で、喫食後24時間以降に発病することはほとんどない。主要症状は腹痛と下痢である。下痢の回数は1日1~3回程度のものが多く、主に水様便と軟便である。腹部膨満感が生じることもあるが、嘔吐や発熱などの症状はきわめて少なく、症状は一般的に軽くて1~2日で回復する。
なお最近、食中毒とは異なる感染経路で発生するウエルシュ菌集団下痢症も報告されている。高齢者福祉施設で発生する事例が多く、院内感染と認められた例もある。これらの事例では、症状は軽度の下痢、患者発生は持続的であり、食中毒と異なり、患者発生の鋭いピークが認められないのが特徴である。患者周辺の環境(ベットの柵、カテーテル、トイレの床、便器等)から、患者と同一のエンテロトキシン産生性ウエルシュ菌が分離されることも多い。
また、特に高齢者福祉施設でのノロウイルス集団感染症事例の際、ノロウイルスと共に同一血清型のエンテロトキシン産生性ウエルシュ菌が多数分離されることがある。このような事例の場合、ノロウイルスに加え、ウエルシュ菌も下痢症の原因であったか否か不明であるが、今後事例を集めて検討する必要がある。
その他、ウエルシュ菌が産生する溶血毒のために急死する敗血症例も報告されている。その実態は明らかではないが突然死の例もあり、注意を要する。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%82%B7%E3%83%A5%E8%8F%8Cから
一般に、ビフィズス菌などと対比され、悪玉菌の代表とされている。臭い放屁の原因、悪玉の常在菌である。
性状 [編集]
グラム陽性非運動性偏性嫌気性であり、生体内または血清添加培地で増殖した場合、莢膜を形成する。一般に芽胞は形成されにくい。至適増殖温度は43-47℃。分裂時間は45℃で約10分間と短い。37℃で最も多くの毒素を産生する[1]。
毒素 [編集]
A型菌はα毒素,B型菌はα,β,ε毒素,C型菌はα,β毒素,D型菌はα,ε毒素,E型菌はα,ι毒素を産生する。
病原性 [編集]
ウェルシュ菌はその発症機序、病型により、ガス壊疽、出血性腸炎、エンテロトキセミア、食中毒の4種に区別される。
- ガス壊疽
- 主にA型菌により全身中毒症状を示す。但し、全てのA型菌がエンテロトキシン生産性を示さない。
- 出血性腸炎またはピグベル( pigbel )
- C型菌により腸炎を発症、腸管に壊死性病変、出血性病変を形成する。パプアニューギニアの高地で多い。
- エンテロトキセミア
- 毒血症を示す。詳細はエンテロトキセミアを参照。
- 食中毒
- 給食病または給食菌( food service germ )やカフェテリア菌( cafeteria germ )の別名で呼ばれることもある。A型菌の産生するエンテロトキシンによる生体内毒素型の食中毒である。芽胞が一胆高温処理される事で芽胞形成能が活性化され、同時に溶存酸素が減少すると共に競合する他の菌が減少し増殖の好条件が成立し、緩徐に冷却される間(至適増殖温度)に食品中で増殖する。毒素の摂取ではなく原因菌の1千万-1億個以上の摂取により、腸管内で菌の増殖と共に芽胞が形成され同時に毒素が産生され毒素により発症する。[3] 8〜20時間の潜伏期の後、水様性の下痢を引き起こす。腹痛と下痢は必発であるが嘔吐、発熱は見られない、1〜2日で回復し、予後は良好である。[4]
- 芽胞のみ100℃・1気圧・1時間の加熱で不活性化されず、残存する可能性がある。[3] タンパク性食品が原因食となる場合が多い。