スカーレット手帖

機嫌のいい観客

ヘドウィグアンドアングリーインチ

2012-09-24 | 観劇ライブ記
またもや観に行ってきた。
今月は週一ペースで何かしらをみているわたし。
ちょっと脳を侵食されてつらい。(やりすぎ…)




「ヘドウィグアンドアングリーインチ」

主演:森山未来
演出:大根仁






ひとこと感想:
エレキが歯にしみる



そう、エレキが。


smoke gets in your eyes
(煙が目にしみる)どころのさわぎではない。

Platters - Smoke Gets In Your Eyes


普段電気音を聴く場所にそんなに行かないので、
ギュギュギュギュウウウイイイイイインン ギイイイヤアアアグゥイイイイイイヤアアアア
というエレキ楽器の音がギリギリねじこまれるように体に入ってくる。
特に歯にしみてくる。知覚過敏か…?
バスドラの刻みも自分の脈拍のように感じられてとても心臓に悪い。


この舞台、全編、エレキのミュージックで彩られたロック人間劇。
ライブなのか、ミュージカルなのか、演劇なのか
その中心にあるような舞台でした。


股間にのこった『アングリーインチ』をキーワードに
つづる一人の女のいきざま。
もともとはドイツかどこかが舞台だったのを、日本に置き換えたようです。


下ネタというか用語も行為も丸出しですが、
逆にすがすがしいような気がしてしまったわ。

以前、中村中のライブを観に行ったときにも同じようなことを
感じた気がするんですけど、
性的なことを白日のもとにさらしてみると、
逆に浄化されるのかしら。
めでたい感じがしてくる。
あれか。アマノウズメ的な。

強烈にすごいなと感じた場面は、1点、
最後の場面で、
光に向かって階段をのぼっていく後姿でした。
神様か。



ただちょっと思ったのは、
私たちは全体的に「イカレた女」みたいな像を最近見過ぎているのかもしれない
ということですね。
ドラァグクイーンみたいなひともふつうにメディアに出ているし
刺激が多いよね。
そんななかでヘドウィグという造形が、
唯一無二の素晴らしい生き物 というところまでは感じられなかった。


と、思ったけれど、
こうして攻撃的な感想を書いている時点で
私ももはや作品に毒されているのではないか。
「ハイハイ、そうよね、あんたウケる」とタバコふかしたヘドウィグに哄笑されそうです。


ほんと、こういうことがあるから舞台はヤバい。
どこまで追いかけてくるのよ。
まじ、パねえ。




~~~~~~~~~~~~~~~~~


最後に、今日行って再確認したじぶんの特性として…

ヘイヘイガイズ、プッチュアハンザップ!
的なノリにはどうしてもついていけない。


手を、上にあげられない。


音楽で自分を解放するのはいいな と思うんだけど、
自席で手を挙げてふりふりしながらの面白さ発散は、私には無理だ。
手を上にじょうずにあげられる人はフェスに行っても面白いんだろうと思う。
(フジロックに行ってそのノリに挫折した経験有り)
盆踊りは踊れるのにどうしてだろう… とすごく悩んでしまう。
何がアレって、個々人自然に感情を発露させてるつもりなのに
フォーマットが固まっていく(ように見える)ところがおそろしい。
盆踊りはその点、固まったフォーマットを繰り返しているうちに、
個々人の中に感情がみなぎってくるところがいい。
(全体的にへりくつ)





さあさあ、俺の、怒涛の観劇月間が終わりを告げようとしているんだぜ…!

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