ヒト遺伝子想定的生活様式実践法

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高血圧の増加には一酸化窒素の不足が関与しているのか?

2013年05月01日 |  関連(生物学医学)

 最近読んでいる本に関連し、短くメモしておこう。

 ●の影響によって高血圧が増えるとされている。

 チェルノブイリでの事例は以前に触れた気がするので省略して、3.11後の疑われる事例については、他力本願でいくと例えば、4/30のNHKニュースを紹介したブログ「低気温のエクスタシー byはなゆー」の記事から、

原発事故後の岩手県で「高血圧」「肥満」が目に見えて増加
2013年4月30日火曜日
http://alcyone-sapporo.blogspot.jp/2013/04/blog-post_9946.html


 高血圧の原因はいろいろあると思うけど、一酸化窒素(NO)の不足が関与している可能性があるだろう。小坂眞一 著「心臓病の9割は防げる」(講談社、2008.10月)の一節から、

・・・動脈硬化のない抗常な動脈では、血管内皮細胞から中膜の平滑筋に働く血管拡張物質の一酸化窒素(NO)などが分泌されますが、喫煙や高血糖や高LDLコレステロール血症や高中性脂肪血症などによって起こるなどの酸化ストレスによって傷害を受けた内皮細胞からは、十分なNOが分泌されません。このために動脈が十分に拡張せず、血管抵抗が上がって血圧が上昇するのです。 ・・・ 正常な血管内皮細胞はNOの他に、細胞上に血栓ができるのを抑制するトロンボモジュリンというタンパク質を出しており、内皮細胞傷害ではトロンボモジュリンが減少することも心筋梗塞の主因であるアテローム血栓症を起こす原因と考えられています。」(同書52頁。強調は引用者。なお、後半の血栓関係は「おまけ」)


 一酸化窒素(NO)の不足を招く要因は、次の二つがあると考えられる。上記の引用では、前者のみに言及されている。

●の影響 →酸化ストレスの亢進 →血管内皮細胞傷害 →NOの分泌不調
          │
          └─────→NOが活性酸素と反応して減少
         (反応生成物ペルオキシナイトライト自体が毒性の高い活性酸素)


 このあたりを理解するための一酸化窒素(NO)の詳しい解説については、例えば、サイト「脂質と血栓の医学」の記事が役に立つと思われる。

一酸化窒素(NO)
http://hobab.fc2web.com/sub2-no.htm (長いので冒頭のみ引用)

1.NOとは
 NO(Nitric oxide)は、血管内皮細胞から産生され、血管内皮機能を調節している。
 血管内皮細胞から産生されるNOには、血管拡張作用(降圧作用)、血小板凝集抑制作用(抗動脈硬化作用)、単球などの白血球が血管内皮細胞に接着したり内皮細胞下組織に浸潤するのを防ぐ作用、血管平滑筋細胞の増殖を抑制する作用、などがある。 ・・・