ヒト遺伝子想定的生活様式実践法

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タバコ、アルコールでこれらが起こるなら・・・

2013年05月07日 |  関連(生物学医学)

 残念ながら黄金週間も終わってしまったし、短く。前回記事(ココ)に引き続き、最近眺めている本に関連して心臓病関係をみていこう。


 先ずは、アテローム性動脈硬化について。最近眺めている本によれば、喫煙により、活性酸素を経由してアテローム性動脈硬化が起こるとされている。小坂眞一(国際医療福祉大学教授)著「心臓病の9割は防げる」(講談社、2008.10月)から、

 [血管]内皮細胞は一酸化窒素(NO)を産生して、中膜をつくっている平滑筋を弛緩させて血管を拡張させます。ところが、タバコを吸うと、ガス溶解中の活性酸素と一酸化窒素とが結合して、きわめて毒性の高いペルオキシナイトライトができ、これが血管内皮細胞を傷つけます。血中のコレステロールは傷ついた内皮細胞の中を容易に通過して、血管壁内に侵入します。内膜と中膜の間に溜まったLDLコレステロールはここでペルオキシナイトライトや水酸化基ラジカルによって酸化されます。

 酸化されたLDLコレステロールは血中の白血球の中にある単球を引き寄せます。内皮細胞の間をすり抜けた単球はマクロファージに変化して、酸化コレステロールを飲み込んで泡沫細胞となり、死滅していきます。・・・ (前掲書110頁。強調は引用者)


 この続きは、死滅したものが沈着物(アテローム、粥腫(じゅくしゅ))となり、動脈硬化につながって行くという一般的な内容なので、図解もあった方が分かり易いだろうから他力本願でいくと、アステラス製薬のサイトから、

生活習慣病と動脈硬化(心筋梗塞、脳梗塞など) - 2.動脈硬化のメカニズム
http://www.astellas.com/jp/health/healthcare/sp/Atheros/02.html (動脈硬化が起こるメカニズムの(3)以降に続く)


 タバコの煙が体内に取り込まれ体液に溶けてできた活性酸素が問題を引き起こすとされている。

 さて、タバコの煙と●の影響は、どちらが多く活性酸素を発生させるだろうか。前者では鼻血を出したというような話はほとんど聞いたことがないが、後者に関連してはよく耳にすることからしても、答えは明らかではないだろうか。


 次は、心筋症について。アルコールの多飲が心筋症(アルコール性心筋症)を招くらしい。

・・・心筋細胞には肝臓ほどの再生能力はありません。一度壊れてしまった心筋細胞は線維に置き換わって、収縮しなくなります。こうなると心筋の収縮力が低下して、心臓から駆出される血液量は減少してしまいます。また、線維化して硬くなった心臓は拡張するために、それ以上に拡がる力が低下して、心臓に血液が戻りにくくなります。こういった状態を心筋症といい、放っておくと、やがて心不全を起こします。

 一般的に、心筋症の原因はビールス性のもの以外は不明なことが多いのですが、アルコールの多飲も心筋症の原因になると考えられています。肝細胞と同じように、アルコールやアセトアルデヒドが心筋細胞も傷つけるからです。 (前掲書140頁。強調は引用者)


 アルコールの「多飲」とあるので量を調べてみると、かなりの量のようだ。「高知アルコール問題研究所」のサイトから、

アルコールによって生じる身体の病気(Q&A集)
http://www.kochi-al.org/url/body.html

Q)大量の飲酒は心臓にも悪影響を与えるのですか?
A)はい。長期にわたる大量飲酒のため、心臓の筋肉(心筋という)が障害されます。これをアルコール性心筋症といい、一日あたり日本酒5合あるいはビール大瓶4~5本を10年以上毎日飲み続けると、生じるといわれています。
 最初は心臓が腫れている(心肥大)だけですが、徐々に進行し、身体を動かした時の息切れと動悸が見られるようになります。そして、ある日突然、ちょっとした原因(たとえば過労)で重い呼吸困難に陥ります。
 早期に発見し、断酒すれば治療可能ですが、末期になると断酒しても心臓の機能は元に戻らなくなります。 (強調は引用者)


 上記記事によれば、骨格筋が損傷する「アルコール性ミオパチー」というのもあるようだ。

 
 さて、アルコールやアルコールの副産物(アセトアルデヒド)と●の影響は、どちらが筋肉に悪いのだろうか。後者についてはでは、ある種の核種は筋肉に溜まりやすいとよく聞くが、前者が筋肉にたまりやすいという話は個人的にはあまり聞いたことがない。前者が筋肉を損傷することがあるのなら、後者でも当然に起こり得るのではないだろうか。


 喫煙やアルコールの害というのは何故か●の影響と似ているような気がするが、多分考えすぎだろう。