ヒト遺伝子想定的生活様式実践法

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大衆の誤認誘導効果を有する報道の諸類型 (2) 隠れ○○

2013年01月31日 |  誤認誘導の疑い

 前回記事(ココ)で「隠れ冷え性」と「隠れ睡眠障害」に触れたけど、大手メディアでも「隠れ○○症」という報道をみつけたので、整理しておこう。


(A)  該当する大衆の誤認誘導効果を有する報道の類型

 類型化すると、こんな感じだろうか。

・ある病気(現象)では自覚のない人々が多いことをことさらに強調して報道するパターン (「隠れ○○症」と表現されることが多い)

 この背景としては、3.11前であれば多くの場合病気になる人には何かしらの理由があった筈だが(遺伝、病気がちの体質、不摂生、過労など)、●の影響の場合は、かつて健康であった人にも前兆がないまま突如発症することが多いだろう。見えないし臭いもしないし(味はするようだが)、人によって影響の出る部分が異なるし。つまり、多くの人の場合は、およそ自覚がないだろう。
 
 ウェッブ上を観察していると、現状、足元で病気が増えているような印象を受ける。2011年10月の調査(厚生労働省平成23年患者調査)によれば、他力本願でツイッターから、

@t_m_tweet 12月8日 of 2012
'@onodekita 厚生労働省平成23年患者調査http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/11/index.html、推計値ではなく患者数をみてみました。福島県等一部地域が除外されても心疾患、高脂血症、糖尿病は増加しています。 隠せない事実ですね。http://twitter.com/t_m_tweet/status/276951023803846656/photo/1 [下図参照]

図 平均伸び率(1996~2008年)を超えて2011年に増加した疾病

 

 高血圧がみごとな形状のグラフのようで・・・

 このような例年以上の増加部分は、個人的には●の影響が主因ではないかと疑っているけど、このような可能性すら認めたくない人々からすると、自覚のない病気、つまり「隠れ○○症」が増加しているという方向の説明になるのだろう。


(B) これまでの類型のまとめ

 自分でもよく分からなくなつてきたので、これまでブログ記事化した類型をまとめておくと、今回の入れて計5つになるようだ。

・ある病気(現象)の従来からの増加(又は減少)傾向をことさらに強調して報道するパターン

・ある病気の最近増加は「ストレス」が原因であるとことさらに強調して報道するパターン
・ある病気(現象)は老化が原因であることをことさらに強調して報道するパターン
・ある病気(現象)は冷えが原因であることをことさらに強調して報道するパターン

・ある病気(現象)では自覚のない人々が多いことをことさらに強調して報道するパターン
 

(C) 今回の類型の疑わしい報道

 今回紹介するのは、大手メディアの「隠れ高血圧」の記事である。フリーペーパーの記事なら笑っておしまいにもできそうだが、この場合はちょっと見過ごすことはできないかな。NHK生活情報ブログから、

"隠れ"高血圧に注意
2012年11月12日 (月)
http://www.nhk.or.jp/seikatsu-blog/400/137490.html

「高血圧」というと、よく耳にする病気なので、日頃から気をつけている人も多いと思いますが、“隠れ”高血圧と呼ばれるものがあり注意が必要です。「健康診断で血圧の値が正常だったので問題ない」、「私は昔から低血圧タイプだから・・・」と安心している人、実は、高血圧のリスクを抱えているけれども、気がついていないだけの“隠れ”高血圧かもしれません。・・・

 
 上記記事には、茨城県在住の40代男性と千葉市在住の50代女性との2つの例が出てくるけど、長くなるので詳しくは上記URLでどうぞ。

 2人の高血圧の原因については、男性の場合には、当然ストレスを強調していた。上記記事から、

高血圧の治療が専門で、東京都健康長寿医療センターの桑島巌医師によると、ストレスは高血圧の要因の1つで、職場で高血圧になっている仕事熱心な人が増えているということでした。職場でストレスを多く感じて高血圧になっている人は、健康診断を受ける時は待ち時間などもあり、仕事のストレスから解放されて血圧が低く出る傾向にあるようです。

 女性(丸山さん)の場合は、閉経の影響ということだろう。上記記事から、

丸山さんは、どうして、突然、高血圧になったのでしょうか。桑島厳医師は、「女性の場合、エストロゲンという女性ホルモンの関係で高血圧や動脈硬化になるのが若干、予防されているが、そのホルモンが減るなどする45歳から50歳くらいで体調が変わり、血圧が上がるケースが多い。若いころ、特に低血圧だと思って安心しきっていた人は、いつの間にか高血圧になる場合が多いので定期的な検診が必要です」を説明してくれました。


(D) コメント

 高血圧の関連では前々回のブログ記事(ココ)があるけど、その他他力本願で、関連しそうなものをまとめておこう。

 高血圧の増加については、交感神経の緊張が関与していると個人的には考えているのだけど、関連のツイートから、

@dr_chasiba 12月12日 of 2012
東日本大震災により慢性腎疾患患者の血圧上昇がみられたとする論文抄録http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/23224028  交感神経の緊張が慢性腎疾患患者ではより増強されたのではないかと示唆

 ちなみに上記URLの論文のタイトルは、

Acute changes in home blood pressure after the Great East Japan Earthquake among patients with chronic kidney disease in Fukushima City.
Clin Exp Nephrol. 2012 Dec 6. [Epub ahead of print]


 最近みかけた、高血圧関連の野呂美加氏の話。「木下黄太のブログ」から、

「バス待ちの間に逝った」「乳搾りしていて逝った」チェルノ突然死との類似。カフェイン、珈琲で心臓注意。
2013-01-30 00:00:00
http://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927/e/73c705487a71185f57630a57fd7a04c2

[野呂氏が木下氏に宛てたとみられるメールの一部]
心臓の異常は、子供達の高血圧が発見されて騒いでいました。家族関係も全部調べていました。日本のレベルの低さに驚きます。遺伝ではない、地域の子どもに高血圧が起こっている、という話と、太り気味というか太っている人が、ころころ心臓死していくのと、病院はてんこもりだったように思います。


 この話で思い出したのが、栃木の小中学生の間で高血圧が増加しいるという話。サイト「低温のエクスタシー byはなゆー」から、

【不審】栃木県大田原市の中学生の5人に1人が「高血圧」と判明
2012年7月18日水曜日
http://alcyone-sapporo.blogspot.jp/2012/07/blog-post_9945.html


 上記記事では、下野新聞の報道が引用されているけど、それによれば、大田原市の中学生で高血圧が特に増加しているらしい(2006年度に9.3% →2011年度に20.6%とほぼ倍増)。

 いろいろと繋がってくる。真実であれば、当然のことなのだが・・・

 「隠れ高血圧」などと細かいことにはこだわらず、被ばくの自覚がなくいろいろな病気が発症している可能性が高いのだから、「隠れ●の影響」と大手メディアで報道してほしいものだと感じるのだが、どうだろうか。