カンチャン狂騒曲

日々の事をあれこれと、大山鳴動してネズミ1匹がコンセプト。趣味さまざまなどを際限なく・・。

大活字本シリーズを読む

2015-07-29 09:22:51 | 本と雑誌
 当分大活字本シリーズを借りることにしている。

 かなりの厚さの本でも、字が大きい分だけ字数が少ないのでスラスラと読めてしまう。

 よくよく見てみると、発行部数は500部ほどで限られた公共施設に設置する目的で製本されたもののようだ。

 値段の方も一冊3000円以上とちょっと高め。

 
 「喜娘(きじょう)」(上・下)梓澤 要(著)底本:新人物文庫2011.5埼玉福祉会(刊)

 表題の「喜娘」はじめ上下合計5編によって構成されているが、私的には表題以外はみな面白かった。

 「嘉兵衛のいたずら」以外は時代的には飛鳥から奈良時代の物語で、歴史上の大事件もからんでとても面白い。

 嘉兵衛のいたずらも、雑誌の取材で訪れた古民家の当主と、蔵の所蔵物の虫干しから奈良時代の吉備真備の母方の墓誌の出土にまつわる物語に行き着いて、1000年に亘る壮大な謎に迫っていく歴史ミステリーである。

 どの作品も平易な文体の中に、奈良の都の息吹が感じられて時代物としては新鮮な感じがした。

 
 「最後の藁」夏樹静子(著)底本:文春文庫2014.12埼玉福祉会(刊)

 表題を含め3編の構成で、自殺あり殺人事件ありなのだがどういう作品だったかイマイチ記憶に残らない。

 いわゆる事件のトリックとか動機とか手段とかが縦横無尽な不自然さで、刑事の取り調べもテレビドラマを見るような、映像を文章に展開したような妙な違和感を感じて馴染めなかった。

 唯一印象に残ったのは、表題作「最後の藁」の意味で、砂漠のラクダが多くの荷物を背負わされながら耐えていたが、最後に載せられた一本のワラの重さに耐えられず倒れてしまったという逸話の部分である。

 まあ、好みごのみということで・・・。

 「まやかしの水面の月は酔って揺れ」
 
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