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万里の長城の建設費 総額1兆7600億円 紀元前から数百年かけた長城建設 始皇帝時代の建設コストを算出!

2017-07-04 10:19:12 | Weblog

*延べ2万1200㌔に及ぶ人力と命で作られた長城

 世界各国に数ある世界遺産の中でも、特に有名なものの一つが、中国の万里の長城だ。とにかく、そのスケールはとてつもないもので、人類の偉大さを感じずにはいられない。
中国国土を縦横に走る長城は、2002年の中国当局の発表によれば、実に総延長2万1200㌔。ちなみにこの長さは、地球の円周の長さの半分以上に当たる。ただし、現存する長城は約6260㌔といわれる。
長城建造は、紀元前から15世紀ぐらいまで王朝をまたいで続いた長期プロジェクトだったが、中でも紀元前3世紀に現れた秦の始皇帝は、強い熱意で建設を推進した。始皇帝の時代、どんな峻険な断崖、絶壁、峡谷であっても怯まず、ひたすら西へ西へと建造された。工事には、内地から連れて来られた囚人たちが使役されたが、彼らは丸坊主にされ、鎖を引きずったまま、零下20℃にも達する様な過酷な環境下で働かされたと謂う。
また、数十万人の貧しい人々を工事現場近くに強制移住させ、石切り場での作業やレンガ作りに従事させた。命令を拒んだり働けなくなったりする者が出ると、問答無用で工事用の深い穴へ突き落とし人柱にしたと謂う。地獄の様な日々の中で、毎日何百と云う人間が殺されて行ったのである。
明代に入ると、工事は更に大規模に行なわれる様になった。それまでの城壁の修理補強に加え、望楼の数を増やし大砲を備え、取り分け首都北京の周辺は城壁を二重三重にして北方民族の侵攻に備えた。途方もない労働力と歳月を費やし、そして何百万とも知れない人命を犠牲にし建設された万里の長城。数百年に渡って北方の脅威に対抗し続けたが、17世紀、清国を打ち建てた女親族に因って遂に突破されたのだった。

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*コストパフォーマンスに優れた建造物「万里の長城」

 この様な歴史の下に建設が行なわれて来た万里の長城であるが、さてその費用はどれ位かかったのだろう?
具体的な数字を算出することは中々難しいが、秦の時代の万里の長城に関しては試算が行なわれている。それによれば、15年間の建設費は現在のお金に換算して1兆7600億円に当たると謂う。巨額には違いないが、奴隷に等しい立場の労働力を頼ることができたから、まだこの額で済んだと謂える。もし現在、万里の長城を造るとしたら、その10倍以上はかかると考えられている。ちなみに日本の高速道路の建設コストは、1㌔当たり53億6000万円(平成17年度調査による)。万里の長城と高速道路では、用途も構造も全く違い比較にはならないが、大掛かりな建造物を長く連ねるには巨額の費用が必要となることだけは確かである。長年に渡って中国の王朝の繁栄を守り、現代では観光によって巨額の収益を生んでいる、万里の長城。尊い人命が犠牲になったとは云え、意外なほどコストパフォーマンスの高い建造物なのだ。

   

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