人通りの少ない朝の道。大きな町内掲示板の真ん中に張り紙ひとつ。
おとなしめの色と「犯罪」という気になる言葉の対比。
誰が何を相談するのか 気になった。
このポスター、肝は「なんでも」にあった。
万引きしてしまう人、されてしまう人、その家族などが対象。
「匿名希望」「秘密厳守」「相談無料」「来所相談OK」とも。
それだけ万引きが多いってことか。
高校生の時、K君が「万引きしてみせる」と店に入った。
まもなく、大きなクリスマスケーキを脇に抱えて出てきた。
我々がびっくりしているのを見ると、また店の中へ。
今度は「返してきたよ」と言って涼しい顔で戻ってきた。
万引きできるよ と鼓舞したかったのか。真意は未だに不明。
万引きをしたくなる衝動は全く理解できないけど、案外多いらしい。
展覧会場でも 絵をとられることがあるという。
その行動自体に麻薬のような効果があるのだろうか。
ポスターの存在に、困っている人の多いことを知らされた。